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秋の鎌倉、香りと共に。心が浄化されるひととき。

鎌倉駅から車で10分。

真言宗明王院は小さな山の麓に、ひっそりと佇みます。

秋晴れとなった10月下旬、鎌倉の香司『鬼頭天薫堂』の主催でお香会が開催されました。紅葉には少し早いですが、清々しい日和です。

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明王院は1235年鎌倉幕府4代将軍藤原頼経によって建立されました。鎌倉幕府の将軍の発願によって建立された鎌倉市内に現存する唯一の寺院です。特にご本尊の不動明王像は1230年代に造立し、定慶作と言われ、国の重要文化財にも指定されています。

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さて、お香会ですが、コロナの影響で、大人数の集会を回避し定員15名の会となります。またお気軽にご参加頂くために、お香体験会にご参加ただいた方々にもご出席いただきました。香元は御家流香道の丸山先生、執筆は小畑先生にお願いしました。今年4月に明王院の仲田晶弘ご住職のご挨拶で開会となりました。

明王院お香会5

コロナの影響で、普段通り香炉を回すわけにもいかず、工夫が必要です。今回使用したのは、一人一人が利用でき、火加減も調整できる電子香炉。さらに香木も一人づつ準備しました。全てセルフサービス。

ただ、希少な香木を一人一人、じっくりと聞いて頂くことができる貴重な機会です。特別な環境下、試行錯誤ではありますがこの時代に合った新たな取り組みが始まっています。今回はそんな新たなお香会の体験をしてみたい、という方々15名が集まりました。

明王院お香会10

今日の組香は『白川香』。

 都をば 霞とともにいでしかど 秋風ぞふく 白河の関

                   能因法師 後拾遺集

ー京を春霞とともに出発したが、白川の関に到着した頃には、秋風がふいていたー

『都の霞』、『秋風』、『白川関』の3つのお香から、試みのお香として『都の霞』、『秋風』の香りを聞いて頂きます。そして本香。3つのお香の順番を当てて頂く、というのが『白川香』です。

明王院お香会6

香炉を回さないので、秋を感じながら、一人一人ゆったり、じっくり香りを確かめて頂く事ができます。今回は試み香が2つ、本香が3つの合計5つ、3種類のお香を聞いて頂きました。

明王院お香会8

明王院お香会7

全て聞き終わったら、手記録紙にお名前と、回答を記入して執筆に回します。そして執筆の先生が奉書に、日付けや場所、唱歌、香組、参加者、回答内容、出香した人、香元、執筆の方のお名前など必要な情報を全て書き込みます。

明王院お香会1

今回はそれぞれのペースで進めることが出来たので、皆(全問正解)の方も多かったようです。これが出来上がった奉書。正解者の中から、正客に近い方に授与されます。最後に香元の「香満ちました」のご挨拶でお香会は終了。

明王院お香会2

この後仲田ご住職のご案内で、境内を拝観させて頂きました。真言宗は護摩焚きや、身体を清める塗香など様々なお香を使われます。

明王院お香会20

境内拝観も含め、約2時間の香席。秋の鎌倉で、香りと清々しい空気を吸い込む。秋風を感じながら、お香を聞き、心も晴れやかに、すっと浄化された感覚です。

明王院お香会21

次回の鎌倉の『お寺とお香の会』は11月12日13時~15時(11月4日まで受け付けています)。鬼頭天薫堂主催にて、禅居院様参拝と座禅体験、そしてお香会を開催します。是非秋の鎌倉をお楽しみください!

詳細は下記をご覧くださいませ。




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