AIだから”正しい”ということはない 〜人から聞いたというだけの理由で信じてはいけない〜
1.人から聞いたというだけの理由で信じてはいけない。
2.どんな伝統も、ただそれが古いからとか、何代も受け継がれているからとか、多くの地域で受け継がれているからというだけの理由で信じてはいけない。
3.噂になっているからとか、人々がよく話しているからという理由で信じてはいけない。
4.昔の聖者が書いた教えを見せられたからという理由で信じてはいけない。
5.自分が思い描いたことを、それが尋常でないことだからといって、神や素晴らしい存在によって啓発されたのだと信じてはいけない。
6.ありそうなことだからとか、長年に渡る慣習のため真実らしいというだけの理由で信じてはいけない。
7.何事も教師や司祭の権限だけの理由で信じてはいけない。ただ、よく吟味熟考した上で理性と経験によって承認できること、善いこと、自他共に、また世界全体に恩恵をもたらすことを真実であると受け入れ、その真実に則ってあなたの人生を送りなさい。
この「カラマ・スッタ」(仏陀の談話)は、カラマ族の地を訪れた釈迦が、
「これまで当地にやってきた聖者の言うことはみな違うし、中には、他の聖者の教えは間違いだという者もいる。誰の教えが正しいのか、どうやったら知ることができるのか?」
と問われたことに対する回答をまとめたものです。
釈迦は「自分の頭で考えることの重要性」を説いた上で、「判断基準にしてはいけない事項」を列挙しました。
人の話も自身の知識も鵜呑みにせず、
「自分で検証して、よく調べて、瞑想して悟って、真理を自分でみつけてください」
「ただそのような理由であるからといって従うなかれ(盲従するなかれ)、ただそれだけで信じるなかれ(盲信するなかれ)」
ということです。
経典や、知識や、歴史や資料、人の話、など全部鵜呑みはよくないですよという意味です。
たとえ聖者の話であってもです。
自分自身で信じるのではなく、悟りを体験によって確かめるほうがよいということ。
この教えは、カオスの現代において、大変な深い意味をもつものだと考えます。
世の中が混とんとしてくると、占い、新興宗教、○○カウンセリング、コーチングというものが横行します。
例えば、薄っぺらい知識しか持ち合わせないコーチングを受けても、何の役にも立ちません。
小手先のテクニックというのは、高度に発達してきた文明や文化における、カオスな時代には役に立たない。
運転免許(初心者のテクニック)を持っていても、F1レースに出場すら出来ないというのと同じことです。
ただ少しの知識があるだけで、自分自身で経験することもなく中身のない話が、世の中にはいかに多いことでしょうか。
かと言っても、自分の頭で考えることは、とても難しいことです。
科学的な知識となるとさらに難しくなる。
情報があふれ、インターネット(SNS) の発達により誰でも簡単に情報を手に入れることが出来る時代だからこそ、「自分で考える」ことは至難の業なのです。
しかし、世の中には非科学的なウソが沢山あることは分かってきました。
これまで世間がやってきたからと言って盲従していると、思考停止になってしまう。
自分で検証していかなくてはいけないことや、科学的な知識を持たなくてはいけないことが沢山ある。
つまり、これからの時代、「正しいこと」を知るために、弛まぬ努力をしなくてはいけないということです。
物知りのAIであっても「正しいこと」とは限らないのです。
例えば、身近な恋愛を語ることも、知識として知っていても価値がありません。
自分で考えながら、経験しながら、検証したことを語らなくては値打ちがないのです。
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