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銀行融資が大きく変わっています 〜貸借対照表の見方〜

銀行の環境の大きな変化は、中小企業への融資の方法も大きく変えています。

ここでは本質的な突っ込んだ話はしませんが、ひとつの簡単な事例を解説します。

現在、特に”実態”貸借対照表が銀行の審査で重視されています。

実態とは、中小企業では、①資産評価 ②借入先 のことです。

昭和の時代に土地は上がり続けました。

例えば、昭和に躍進した小売チェーンストア企業は、値上がりする土地を担保にして出店を加速化してきました。

現在は、東京以外の地方の土地は下がり続けます。

地価公示データに基づいて主要都市の住宅地価格の推移です。

図4は、都道府県別の商業地対前年変動率を高い順に並べたものです。プラスになったのは18で、前年の6に比べて大きく増えました(滋賀、奈良は±0)。2019年の時は19でしたので、おおむねコロナショック前に戻ったという状況です。

不動産ジャパンより

不動産価格の地価公示価格は、固定資産税獲るためですから下がりにくい。

問題は実態ですが、人口減と空き家の増加で確実に下がっています。

地方の市内中心部でも、駐車場が目立ちます。

土地が売れないしビルが建たないからです。

決算書の土地の評価額は、購入時ですから実態と違います。

担保評価、企業価値評価としての土地評価は下がり続けます。

銀行による企業の土地資産の実態評価は年々厳しくなる。

すでに個人と企業が借入ている担保割れも起きるのですから当然でしょう。

次に、借入金がどこからかが問題となります。

代表者個人からならば、明記していれば資本(の一部)とみなされますから、評価は高くなります。

代表者以外の借入ならば、評価は下がります。

例えば、決算書で借入を代表者からの借入と明記しなければ、銀行の審査部の評価は債務超過ともなりかねません。

”代表者から”と明記すれば、評価はガラリと変わります。

銀行の融資は、支店で行われるものでなく本店審査部のコンピュータによる評価ですから気をつけなくてはいけません。

この2つの”実態”による評価だけでも、中小企業の融資はかなり難しくなっています。

将来、銀行融資の審査はAIになります。

銀行の支店も減り、さらに本店に権限が集中します。

10年後には支店の数は1/3以下になります。

これからの国債の金利上昇(2%か?)で国債(1,200兆円)価格は下がり、銀行自体も実態は債務超過になります。

わずか2%金利上昇の場合で16%の下落です。

さらに、未曾有の”金融危機”が起これば、地方銀行も整理統合が急速に進みます。

AIの審査と統廃合により、かってのA銀行では借りられないが、B銀行では借りられるといった融資の幅(行数)も小さくなる。

たとえ、借入の容易な銀行があっても金利は数倍の差に及ぶこともあります。

すでに、銀行はM&A部隊を大幅に増強していることからも、中小企業の育成(融資)という銀行の役割が劇的に変化してることを読み取らなくてはいけません。

こうした様々な環境変化は、中小企業経営者にとって、将来の大きな経営リスクとして分析・判断が必要です。

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