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理想の教育~現役高校生の対話~④:『数学って面白い?』

はじめに
学校って、なんだろう? 
好きだろうが嫌いだろうが、行かなきゃいけないし。
学ぶのは僕らなのに、学校の方針に関する決定権は無い。

僕がキャンプで会った井上くんは、最近学校を辞めたらしい。
同じくキャンプで出会ったけいちんは、14年間アメリカで過ごして引っ越してきた日本の学校にカルチャーショックを受けたという。
僕は公立高校に進学することに疑問を抱き、現在はN高に通っている。

そんな、ちょっと変わり者の僕らが「理想の教育」とは何か?について話合ってみた。その“議事録”を4回に分けて公開しようと思う。

(第1回「校則についてどう思う?」はこちら)
(第2回「教職員と生徒の関係性」はこちら)
(第3回「校舎についてどう思う?」はこちら)

・登場人物

りん:

りん

りんたろう(16歳)音楽のプロを目指す高1。この企画の発案者。
公立高校に進学することに疑問を抱き今はN高に通っている。
安宅和人著「シン・ニホン」に感銘を受け、現役高校生の立場から
なにか発信できないかと思い立つ。

井上:

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井上(16歳)高2。
県内の進学校に進学するも、教育方針に疑問、学習レベルに物足りなさを 覚え、高校を中退。今は自分で、大学受験の勉強をしている。中でも数学 分野を重点的に学習中。好きな食べ物はすき焼き。

けい:

けいちん

けいちん(16歳)。高2。0歳から14歳まで14年間アメリカで育つ。
今頑張っていることはディベートやスピーチ。好きな食べ物はトマト。
現在はディベート部に所属している。

第4回:『数学って面白い?』

りん: 数学の授業についてどう思いますか?

けい: 数学の授業で、うちの中学校の先生はすごく面白いやり方をしてくれた。一番最初にぱって紙渡されて、はいこれ解いてみてください、みたいな。分かんなかったら周りの人に聞くすごい自由な授業で、1時間かけてみんなで解いて行く。あー、こここうすれば良いんだ、この公式当てはめられるなみたいな感じの解決感があってすごい面白かった。けど、高校入ってからはひたすら板書で、言ってることよくわかんないし、何をどうしたらこの方式になるのかも分からなくて、全然楽しくないのよ、シンプルに。

りん: 僕は、ペーパー試験でいい点数をとるための技術をまず教えるんじゃなくて、誰かに数学の面白さを教えてもらいたかった。うちは両親ともに文系だし、数学の大事さが本当に最近まで分からなかったんだよね。小学生でアメリカにいた時によく友達のインド系の子が数学は世界で一番大切な教科だって言ってたけど、その当時はその子の言ってる事の意味が分からなかったんだよね。そんな難しい数学なんて日常生活で必要ないじゃんって。実はそんな事ないっていうことに最近ようやく気がついた。数学の楽しさみたいなのも一緒にまぜて教えてほしかったなって今は思うかな。

りん: この中でおそらく数学が一番できるであろう井上君どうですか?(笑)

井上: 全国的に見ればまだまだ数弱の井上です。数学なー。なんかペーパーテストが結局なにを計ってるのか分からん。まあ確かに記述式の問題やと書いていく流れを自分の中の頭で構成してっていう構成力が磨かれるっていう部分はあると思うけど、センター試験とか共通テストとかの選択式、あれは何を計ってるんかがわからん。

けい: 確かにね。その式を使えなくて問題点を落とす人と、式は使えるけどちょっとした計算間違えの人がおなじレベルで点数で落とされるわけだもんね。

井上: そうそう。だからその、発想力とか、解答の構成力とか、文字の汚さがはいるか分からんけど。(笑) 別に計算力だけが見たいわけじゃないはずなのに、センター試験とかは大体計算力重視やし、公式の活用というか、ただ公式当てはめる力重視やし、正直マークテストの必要性はよくわからん。共通テストになってもマーク式の限り変わらんし、逆にこれを記述式にしたところであんまり意味はないとおもうけどな。

りん: 数値でものを見られるようにする訓練ってことではないの? そういうの大事じゃん。おれ部活は投資部に入ってるけど、いかんせん数学が得意じゃないから、分析的にデータを用いてどうのとかがあんまりできないのよ。データとか数値的に物事をみて比較する時の数字に対する基礎的な読解力みたいなものを鍛えてるってことにはならないかな。

井上: そういうことか。僕がいまやってるのは、文系の数学やけど、文系の数学はもっと論理的に説明する能力やと思っとった。難関大学で確率とか整数とかそういう分野がだされるのは、日本語で書いて相手に伝えるっていう作業を見たいから大学側がそういう分野を出してたと思っとった。

りん: なるほど。

井上: 確かに共通テストは数字に対する読解力とか状況見て当てはめるとかそういう意味ではそうかもしれん。

りん: それって今更ながら結構大事な能力だなって思って、なんか色んなものを比較するのもそうだし、判断したりするときに、大体税金かかってこのぐらいとか。その読解力を鍛えるっていう意味では大事なのかなと思う。 

井上: なんか統計の授業をさ、それこそ技術家庭科にぶち込むとかしたらいいのにね (笑) 

りん: そうね。(笑)データサイエンス的な授業があってもいかも。 


ここまで読んでくださってありがとうございました。
ここから話は学校で勉強するいろんな教科について広がっていきます。

第5回:「数学って面白い?」に続く。