トップセールスの頭の中 | あの有名企業でNo.1編
営業の世界に身を置く人はもちろん、多くの方がセールスでナンバー1になった人の「頭の中」に興味を抱くはずです。
営業力とひと口に言っても、その構成要素は多岐に渡り、同じバランスで能力を持っている人はこの世に2人といません。
※営業に求められる能力の複雑性はこのノートを読んで欲しい
目の前にいる顧客の些細な変化をとらえて、ベストなタイミングを押さえる目利き力に、顧客の意思決定を促す交渉力・・・
その巧妙なテクニックを駆使して「人を動かす」のが営業です。
そこで今日はわたし達、株式会社セレブリックス(※)が運営する、トップセールス体験シェアメディア「SalesShip」より、そのトップセールスの思考や行動、頭の中をまとめて披露することにしました。そんな永久保存版のnoteです。
今回は誰もが知るあの有名な企業、そして営業に強い会社と言われる中で、実績を残したツワモノ達をご紹介します。
トップセールスの頭の中、全4回企画
1.あの有名企業でNo.1 編 ➡ 今回
2.BtoC(個人向け)営業編
3.データで実現するトップセールス編
4.今話題のあの人たち編
大澤篤志氏(株式会社セールスフォース・ドットコム)
現代セールスの最先端をゆく企業といえばセールスフォース・ドットコムの名を挙げる方も多いと思います。大澤さんはそんなツヨツヨセールスが集まる中でなんと売上世界一の記録を持ちます。
___<頭の中>___
営業は外部の経営者に対して課題を仮説立て、進言を行い外部の経営を変えることができる唯一といっていい役割
役職者との商談にこだわる。職者と会えば経営にインパクトを与えるためのディスカッションができる
必ず商談を前進させるから役職者のアポイントを獲得して欲しい、とインサイドセールスと結託する
ビジネスを行う上で課題を持っていない経営者はまずいない
仮説は、お客様に対してあなたのことを調べて興味を持っていますよ!ということを示すためのサインであり、更には質問をしやすい環境を生み出すためにあるもの
事例活用において大切なのは「どのツールを選ぶか」ではなく「選んだパートナーとどのように勝っていくか」を考えること
商談で最重要視しているのは初回訪問、初回はソリューションを提示をせずにヒアリングのみに徹する
特に経営者の方と提案を共創していくうえで大切なポイントがあります。経営者のミッションは「企業が平時の時こそ社内に危機感を醸成すること」です。事業がうまくいっているときだからこそ危機感を社内に伝播させるのが経営者の役目なのです。
社内外関わらずコミュニケ―ションで大切なことなんですけど「ファーストインファーストアウト」を常に意識しています。社外コミュニケーションであれば、お客様からのメールは即レスするということです。お客様と営業のコミュニケーションの中で一番ストレスを感じさせることは”いつ質問が返ってくるのか分からないとき”なんですよね
著者のひと言
名言の宝庫すぎて、抜粋している意味があるのかどうか不安になってきました。個人的には数多くのトップセールスの中でも一番スタイルが似ている方なので共感が持てます。今回は記載がありませんが、大澤さんの好きな言葉で「営業は顧客の購買代理人」という名言は最高です。
渡邉知 氏(株式会社ファイアープレイス)
続いては「営業で有名な会社」の代表例、リクルートでトップセールスを勝ち取った、渡邉さんです。営業最下位からトップセールスへ昇りつめたドラマチックなストーリーを持っています。
___<頭の中>___
自分の意見とお客様の意見、どっちが勝つか、勝負みたいに臨んでいたのをやめたら、相手も心を開いてくださることがわかりました
営業という役割を演じている自分ではなく、等身大の自分を出せるようになったら、会話も弾み、お客様と会うことが楽しくなった
コミュニケーション能力の私なりの定義は「共感力」と「言語化」です。人に共感する力と、人の想いを言語化する力。お客様に共感し、「○○さんが考えていることはこういうことですか」と言葉で反復できる力
共感力とは相手の想いを受容し、素直に受け止めること。そして、自分の想いを素直に相手にお伝えすること。取り繕っている借り物の言葉に魂は宿らないし、人の心は動かない。素直さは営業の大切な資質の一つだと思っています
自分の世界をお客様に押しつけちゃうから上手くいかない。世界中が繋がった今だからこそ、これからの営業は、普段自分の近くにいる人種以外の人と会話をすることが大事だと思います
著者のひと言
商品の善し悪しの前に必ずでるのが、お客様からみて営業マンは信用できるか?信頼できるか?という話があります。渡邉さんのお話のように、先ず話をちゃんと聴いてもらえる、わかってもらえるという共感と言語化でつくる人間関係構築の先に、テクニックがあるという事を忘れてはいけません。
星野貴之 氏(ユアマイスター株式会社)
続いては楽天時代に多くの表彰を総ナメにした星野さんです。
全社MVPや数多くの表彰を獲得した頭の中はどうなっているのでしょうか。
___<頭の中>___
取引先との関係も、結局は人間同士。信頼関係を築いたり、かわいがってもらったりすることは重要だし、そのために誠実に仕事をすべきです
コミュニケーションが得意ではありませんでした。何も面白いことが言えないので、しゃべるのも苦手で、さらに不器用でもあります。それでもお客様に「教えてあげたくなる」とかわいがってもらうことはできる
ボクは、人の3倍やって1.5倍の成果しか出ないと思っていたので、とにかく活動量を多くしていました。電話も3倍かけていましたし、その記録をつけて自分を褒め、モチベーションを保つことに役立てていました。不遇なときは、こうするしかモチベーションを保つ方法がなかったと言った方が正しいかもしれませんが・・・
人間同士の関係なので、そこには必ず感情が関わってきます。それを分析して理解すれば、自分の中で拒否反応も出ないし、結果に出やすくなります。人への理解度が上がってくれば、心を掴みやすくなり、戦略的に対応できるようになります。
知識先行型の営業マンは、言葉がキレても、信頼できるかと言う面では厳しいですね。質問して帰ってくる答えで大体わかってしまいます。大切なのは、どれだけサポートしてもらえるか、どれだけ一生懸命やってくれるかというところ。そこには人間性が重要ですし、人と人との関わりを軽視しているような人はダメだなと思います。
著者のひと言
数が質を凌駕するといったような言葉があります。(言い回しは様々)
数を増やせれば分析の対象も増えて確立を高めることができます。
成果が出ていない時こそ「量」に真摯に向き合いたいですし、その量を増やせた自分を褒めてあげるというのは大切なことですね。
鈴木眞理 氏(freee株式会社)
最後は現在はfreeeに在籍、そして「営業に強い会社」の代表例であるキーエンス出身の鈴木さんです。キーエンス、SAP、そして現職で培った「仮説思考」について頭の中を覗いてみます。
___<頭の中>___
キーエンスでは外出する際に上長に対して、訪問前にはどんな目的で行くのか、訪問後にはその結果を報告するというルールがあります。上長へ伝えた訪問の目的が曖昧であれば、不明瞭という判断となり外出できません。寝る前とか移動中は次の訪問は何をしに行くんだっけという事ばかり考えてました
何故訪問するのかという目的を上長が理解できるように言語化する作業は、仮説思考を身につけるトレーニングになります
エンタープライズ向けの営業では、TAS(Target Account Selling)という手法で組織図を作り、その人は革新的か自社に好意的か、誰と誰が仲がいいかなどの情報をマッピングして会うべきターゲットを明確にします
訪問前に考えるべきことは、まず長期的な面でターゲットの企業と自社がどうなっていたいか、短期的な面では今回の訪問をどうしたいか
目の前の担当者は今回の導入で何を成し遂げたいのかと、仮説を立てていき、ターゲット企業は何を大事にしていて何を大事にしていないのか優先順位を考えます
(仮説を立てる上で)ウェブサイトなどはもちろんですが、上場企業の場合は財務諸表等も確認します。同業界の競合他社と比較して、売上が時系列でどう推移しているかなどをグラフ化したり、ビジネスモデルを図式化して確認します。そうすることで業界全体が落ち込んでいるのか、その企業だけが落ち込んでいるのかなど課題が見えてくる
仮説を立てていくステップまとめると、
①ターゲット企業と自社、双方の目的は何なのか
②ターゲット企業が本当に実現すべきことは何なのか
③その目的が実現出来ていない要因は何なのか
この3つを順番に考え、深掘り、自分なりに答えを見つけること
著者のひと言
優れた仮説は、商談を加速させる装置だと考えます。
相手に新たな気付きを与えたり、「まさにそうなんだ!」と相手の心に近づけた時に、会話は弾み、この営業マンに任せてみたいという信頼を築くことができるのです。
まとめ
少しピックアップしてみるつもりで始めましたが、結構なボリュームになってしまいました。第2弾は、トップセールスの頭の中「BtoC(個人向け)営業」編です。
トップセールスの育成、営業活動でのマンパワー不足などでお困りごとがあればご相談ください!
https://note.com/nikofu/n/n171ff51b0e40