具体と抽象―世界が変わって見える知性のしくみ【書評】
本書を読んで、衝撃を受けました。
Webライターというとわかりやすく情報を伝える仕事なので、真逆の内容に思えました。
「具体的でわかりやすいことが正義」であるかのような時代のなか、抽象の概念の大切さを説いています。
具体的に物事を考えるのが悪いのではなく、具体と抽象を行ったり来たりする考え方が重要です。
「何いってんだ?」って話なので、動物を例にして具体と抽象の定義から説明します。
具体と抽象の定義
動物を具体化すれば「イヌ」や「ネコ」になります。
さらに具体化すると、イヌは「柴犬」「マルチーズ」「ブルドッグ」などになります。
「イヌを想像してください」といえば、あなたはどんな犬を思い浮かべるでしょうか?
人によっては「チワワ」かもしれないし「ゴールデンレトリバー」かもしれません。
逆に「チワワを思い浮かべてください」といえば、ほとんどの人はチワワを思い浮かべるはずです。
このように、人によって解釈に違いが出ないことを「具体的に物事を考えている」といえます。
なぜ、具体と抽象を行き来するのが重要なのか?
具体と抽象を行ったり来たりするのは、仕事で結果を出すために重要だと思いました。
ブログで月収10万円稼ぐという目標を例に説明すると、下記のように抽象と具体を行き来することになります。
上記の例でいえば、
「記事をひたすら書いてもまったく収入のない原因は、アクセスが少ないのが原因かも。じゃあ、アクセスを増やすために、SEOを勉強しよう!」
みたいなイメージです。
PDCAとよく似てますね。
すると、いつまで経っても目標を達成することはないでしょう。
具体と抽象を行き来できる人は超少数?
多くの人の夢や目標が叶わない原因は、具体と抽象を行き来できていないからだと思いました。
「資産が1000万円あればお金持ちでしょ」いう人もいるでしょうし「資産が10億円ないと、お金持ちとはいえない」という人もいるでしょう。
成功したいというのも、年収1億円を成功と定義する人もいれば、結婚して子供を授かることを成功と定義する人もいるかもしれません。
結局、多くの人の夢や目標が叶わないのは、抽象的すぎて具体化できていないからではないでしょうか。
年収1000万円であればサラリーマンでも可能ですが、年収10億円なら起業したり資産を投資する必要があるでしょう。
つまり、目標を具体的に設定できてないと、達成するための行動がわからないってことです。
達成するための行動すらわからないのに、夢や目標が叶うほうがおかしいですよね。
夢や目標を叶えていきたいなら、具体と抽象を行き来できる能力を鍛える必要があると思いました。
Webライターの具体と抽象の事例
ちょっと話が変わりますが、Webライターにおなじみの「PREP法」も、具体と抽象を使った文章法です。
まず、PREP法の型をおさらいします。
上記のような流れで文章を書くことで、説得力のある文章を書けるのがPREP法の特長です。
具体と抽象の視点で考えると「結論」は抽象です。一方、結論を補足する「理由」「具体例」は具体です。
抽象と具体を行き来することで、説得力があってかつわかりやすく情報を伝えられます。
具体と抽象の考え方は、文章執筆法にも活かされてるって話でした。
「PREP法なんてよくわからんな」という人は、以下の記事を読んでみてください。中学生でもわかるように、PREP法についてわかりやすく解説してます。
おわりに
具体と抽象について解説しました。
仕事やビジネスにおいて、いかに具体と抽象を行き来できる能力が重要であるかが伝わればうれしいです。
本書の要点だけサクッと解説したので、10分の一の内容すら書いてません。
「具体と抽象についてもっと詳しく学びたい」という人は、ぜひ本書を手に取って読んでみてください。
仕事やビジネスに役立つだけでなく、人生の指針にもなる名著です。
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