【読んだ】少年のための少年法入門
おすすめ度 ★★★☆☆
図書館で見かけて借りてみた本。
2022年発行で、最新の少年法について学べる本だった。
少年法は罰じゃない
本の著者は3人の弁護士。
少年のためにあるはずの少年法が、正しく理解されていない現状を懸念して作られたのだそう。
法律は人を罰するよりも、人を守るためにあるものだという著者の想いが随所に感じられる。
ニュースで、ショッキングな少年犯罪をみると「少年法をもっと厳しくすればいいのに!」と思いがちだけど、安直だったなぁ。
少年法は通常の刑法と比べても複雑で、裁判や手続きも入り組んでいること、それらが全て少年たちを更生させるためのものだったんだ。
ストーリー部分は小6でも読める
本は3つの章で構成されており、第2章は「ストーリーで学ぶ 少年法の仕組み」になっている。
4人の少年が主人公でストーリー仕立てになっているので、小学生の息子にも読みやすかったらしい。
ただ、道徳の教科書みたいな「ちゃんとした」書き方だったので、リアリティは薄めだった。
少年法をわかりやすく説明するという目的のための話なので、仕方ないけど、漫画の「ケーキの切れない非行少年たち」の方がリアルで考えさせられるものだった。
この本と足して2で割ったらちょうど良さそう。
もう一歩踏み込んでほしいところ
第3章はQ&Aになっていて、「小学生でも犯罪を犯せば、刑務所や少年院に入りますか?」とか「いじめは犯罪ですか?」などの質疑が載っている。
子どもに聞かれることもありそうだから、これは読んでおいてよかった。
また、「少年の裁判は原則非公開」など、少年が保護されすぎているのではないか、被害者軽視ではないかという話題も取り上げられている。
いろんな法改正や配慮が模索されているけど、解決とはいえない状況が詳しく描かれている。
法律って難しいから、ちゃんと勉強するにはハードルが高いけど、こういう平易な言葉で書いてくれてるととてもありがたい。
だいたい中学生くらいを対象にしていそうなので、その頃にもう一度読ませてみようかな。
一方で、弁護士が書いていることもあり、法の説明に終始している感はあった。
少年法とは?
家庭裁判所とは?
試験観察とは?
少年刑務所とは?
という解説が多く、勉強にはなるんだけど勉強にしかならない。
欲を言えば、もう一歩踏み込んで、考えさせられる投げかけのようなものがあると良かった。
少年視点でのユースケースをふくらませるとか、どう意識してニュースを見ればいいか、アドバイスを載せるとか。
まぁ、そこはあれですな。
私が知識として持って、子どもと話せるようになろう。
日々勉強と思索。
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