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【企画物語】はじめよう!ポジティブ行動支援


①なぜこのセミナーを企画したのか?


廊下を走る子がいる。
授業中に奇声を発する子がいる。
宿題をやってこない子がいる。
学校現場には、教師の目線から見て「困った子」が多くいるように感じます。
もちろん、この子達を指導し、よりよい姿へと導くのが教師の尊い仕事だと考えています。
しかし、その手段はというと
「廊下は歩きなさい!」
「静かにしなさい!」
「なんで宿題やってこないの!」
という叱責で、改善が望めない関わりをしている教師が少なくないと感じています。もちろん、子どもの気持ちに寄り添い、慰める支援をしている先生方もたくさんいらっしゃいます。
しかし、寄り添って支援しているつもりが、改善が見られない。ゆとりのなくなってしまった教師は感情を抑えられず叱責という負のループ。

良い指導や悪い指導が、感覚的に行われている現場に解決策を見いだせないでいました。そこで出会ったのが河村先生が寄稿していた1冊の本。

科学的な面からエビデンスに目を向けた指導に活路を見いだせないかと感じセミナーを企画しました。

②セミナーからの学び


★エビデンスに基づいた指導
ABA(応用行動分析学)・PBS(ポジティブ行動支援)
海外では、医療と同等のレベルで証明されている科学的な根拠に基づいて教育がなされていることに驚きを隠せませんでした。
日本では、教育と医療が別ジャンルで扱われており、カリスマ先生が無意識にできている部分を断片的にかき集め、なんとなく校内研修等で伝達はするにしても、感覚的な部分が多く、再現性がないように感じました。

★行動の原理
「学習者は常に正しい行動」個人攻撃はNG
というのが私の中でパワーワードでした。子ども達、というより生き物は、常に得をする行動をとります。
ゲームをする→楽しい
宿題をやらない→ゲームができる
おかしを食べる→おいしくて満足
お酒を飲む→リラックス・ストレス発散(※大人)
つまり、問題行動であっても自分にとって正しい(得をする)行動をとっているという視点です。
ABC分析による演習が大変勉強になりました。
(A)直前のきっかけ
(B)行動
(C)直後の結果
例としては
(A)難問
(B)奇声
(C)慰められた
慰められて注意を向けることに成功する(得をする)と、次回も奇声を発してしまう。教師としては陥りがちな指導法かなと感じました。
これを修正し
(A)難問
(B)奇声
(C)注目無し
↓↓↓↓↓↓
(A)難問
(B)援助要求・質問
(C)PCや工作の権利と交換できるカード
という、学習者が得をする形を教師側が提示し、強化していくことが突破口だと感じました。
また、(C)直後の結果を教師は見落としがちだともお話されていたので、直後の結果を称賛する視点を指導者はもたなければと感じました。(エビデンスをとれば、カリスマ教員は、この直後の結果をもれなく年齢に合わせて称賛するのがうまいのではないでしょうか)

③今後のアクション


来週から2学期がスタートします。小学校教員である私自身、この学びを実践につなげたいと思います。そこで考えているのは、
「得をする仕組みづくり」です。
例えば、環境委員会に合ったか言葉の木を作成させ、花びらに言われて嬉しかった言葉を書いて全校のみんなが貼っていく。その葉を毎週放送委員会が学年にな頼りがでないように昼の放送で紹介していく。
他にも、学級の中で、ポイントがたまったらご褒美を設ける(トークン・エコノミー)など、さらに学級の実態に合わせて実施していきたいと感じました。

④まとめ


良い行動を支援する。まさに、タイトルとなっている「ポジティブ行動支援」をエビデンスに基づいて実施していけるかがポイントだと感じました。
感覚的な部分でアプローチするのではなく、分析的に証明されている部分で、科学的なアプローチが教育現場に浸透する必要性を感じました。
エビデンスをとることは難しいにしても、ABC分析は、現状を分析し、望ましい行動につなげられるきっかけを明日からの指導に生かせるものだと思います。

⑤参加者の声


・限られた時間で濃い内容の講義をありがとうございました。今後の教育活動に生かしていきます。
・行動の原理を考えることの大切さがよく分かりました
・直後の行動を左右する、誰かがうまくいって得していると思わせられるようにしたい。望ましい行動をマトリックスにしてみるところを頑張ってみたい。9月までの残りの時間で。
・河村先生のお話が、本当にわかりやすかったです。行動の裏側にある物事をリフレクションできましたし、具体的事例を混ぜながらお話し戴いたので大変参考になりました。ありがとうございました。
・短い時間のなかで学術的な背景と事例の両方を示していただき大変わかりやすかったです。ありがとうございました。
・ポイントを押さえた話でとても理解しやすく興味深く聞かせていただきました。 行動にアプローチして、直後の結果に目を向けます。
・徳島県教育委員会のホームページがとてもわかりやすいので、これから勉強します
・ABCと対策を考えるのは難しかったですが、自分が柔軟な対応ができていないんだなあと自覚できました。エビデンスを取るという意識は少なかったので勉強を深めたい。徳島県教育委員会の情報は職場でも使えそうなので紹介いただき、ありがとうございました。
・河村先生のお話の中で、専門用語が次々と出てきましたが、自分自身、公認心理師の資格取得のための勉強の中で学んだことが出てきたので、うれしかったです。ありがとうございました。
・日本の学校教育はもっともっと子供ファースト、子供自身が意思決定するという体験や場を意識的に作っていかないといけないと思います。道徳的なことであっても、正しいこととして大人が教えこむのではなく、こども自身が子供なりに考える時間を大切にしていってほしいです。私自身、アメリカでの生活経験があるのですが、日米の教育の一番大きな違いがこの部分にあるように思っています。本日はありがとうございました。
・まずい行動を減らすのではなく、良い行動を増やす!常に心がけます。ありがとうございました。

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