見出し画像

執筆速度を上げるには

作家志望者の方の中には、私と同様、書くのが遅くて困っている人も多いと思います。
(私の場合はアイデア出しに苦労することの方が多いですが)

執筆速度が遅いと発表できる作品数も減り、結果的に読まれる機会を逃すことになります。

ですが、努力すれば速度が上がるわけではないのが厄介なところです。

今回は、具体的な方法というより、生産性を上げるための考え方のコツをご紹介します。


速度がすべてを解決する

最初に、速度によってもたらされるこそが重要だとわかっておきましょう。

当たり前ですが、生産速度を上げれば、最終的な出力数も増えます。


以前、TED(テクノロジー、エンターテイメント、デザイン)で、「才能は若いころにしか開花しないか?」といった内容のスピーチを見たことがあります。


対象を科学界に絞り、世界に影響を与える論文を出せるのは若いときなのか、それとも年齢は関係ないのか、調べたのだそうです。

結果として「世界に影響を与える論文を出せるのは若いときだ」と判明したのですが、その本当の理由はもっと単純なことでした。

どの研究者も、若いころにたくさんの論文を出していたのです。

つまり、量を出すことが、世界に認められる本当の理由だとわかったのです。


これを知ったときはとても驚きました。

良質の作品を出せば認められる、と考えていたからです。

そうではなく、量を出すことだけが重要だったのです。


うまくいくための最良の方法は、作品の質を高めることではありません。

発表する作品の量を増やすことです。

そして、量を増やすには、生産性を上げるしかありません。


確かに市場を見ると、ほぼそのとおりになっているようです。

まずはこのことをわかっておくといいですね。


生産性を2倍にするには

さて、うまくいくには、速度を上げ、出力の量を増やすことが重要だとわかったと思います。

(この場合の「うまくいく」は、「ヒットする」「多くの人に読まれる」などのことです)


では、生産性を2倍にするにはどうすればいいでしょうか?

たとえば、1年に3作書いている人が、毎年6作書くにはどうすればいいか、ということです。

このとき、人は以下のように考えて、罠にはまってしまいます

「倍の時間を執筆に当てればいい」


「努力して何かを2倍にすれば、生産性も2倍になる」という考え方ですね。

誰もが考えることですが、これはそもそも無茶なのです。


すでに皆、できる限りの努力をしています。

作家志望者やプロ作家で、怠けている人などほとんどいません。

いまの努力を2倍にしたら、寝る時間さえなくなってしまうでしょう。


出力を2倍にするために、2倍の努力をしようというのは、根本から間違っています。

では、どうすればいいのでしょうか?

答えはこうです。

「2倍楽にする」


生産性を2倍にするには、2倍楽になることを考えなければなりません。

何かを2倍にするのではなく、何かを2倍簡単にするのです。


単純な努力で、結果を2倍にすることなどできません。

これは私もいつも勘違いしてしまうのですが、完全に間違いだと気づく必要があります。

2倍努力するのではなく、2倍楽にしましょう。

この意識でいない限り、出力を2倍にすることはできません。


プロセスを見直す

さて、では2倍簡単にするにはどうすればいいでしょうか。

まずはプロセスを見直すのがいいと思います。


小説執筆の全体的なプロセスはだいたいこんな感じでしょう。
(プロの場合)

  1. アイデア出し

  2. 担当さんのフィードバック待ち

  3. OKが出たら企画書をつくる

    1. タイトル

    2. あらすじ

    3. キャッチコピー

    4. キャラクター

    5. プロット

  4. 企画会議の結果待ち

  5. OKが出たら詳細プロット提出 or 執筆開始

  6. 執筆

  7. 担当さんチェック

  8. 修正、改稿、推敲

  9. 完成


常識的なアプローチはこうです。

  • 一番時間の掛かっているプロセスを簡単にする


私の場合なら、

  • アイデア出し

  • プロットづくり

辺りが一番時間の掛かるプロセスです。

ですから、これらのプロセスを簡単にするのが、最初に検討すべきことでしょう。


アイデア出しについてはなかなか難しいのですが、プロットに関しては方法がありそうだなと考えています。

あるジャンルの物語において、起こることはだいたい決まっています。

ですから、過去作の定番イベントのデータを記録しておいて、いくつかランダムに選び、その間を繋げれば、プロットを作ることができるはずです。


自分で全部考えるのではなく、一部を放棄して、ランダム性に任せた方が良いのではないかというのが今のところの考えです。

それに、その方が意外性のあるプロットができそうな気もしています。

これは大塚英志さんが言っていることと似ているかもしれませんね。↓


このように、自分の作業プロセスをチェックして、一番時間が掛かっているところを簡単にするのが、生産性を上げる第一歩になります。


プロセスを省く

とはいえ、普通のアプローチで生産性を2倍にするのはかなり難しいとも思います。

ですからもっと大胆に、そもそも、そのプロセスが必要なのか考えた方がいい場合もあるでしょう。


たとえばネット小説は、上のプロセスの2〜5、7,8を省いて成立しています。

ですから、出版するよりも何倍も速いのですね。

もちろん、全部見習えるわけではありませんが、この速度は素直に参考にすべきところだと思います。


いずれにせよ、速度が上がれば、質を保ったまま量を書くことができるようになります。

私もそうなので、えらそうなことは言えないのですが、作品を完成させるのが遅い人は、もっと量を増やすにはどうすればいいか考えてみるといいです。

手数を増やさない限り、おそらく質も上げることができません。


努力するのではなく、もっと簡単にする。

2倍出力するなら、2倍楽なことを考える。

この意識で、自分がやっていることを見直していけるといいですね。


今回のまとめ

「執筆速度を上げるには」でした。

  1. うまくいくには質よりも量を出すことが重要

  2. 生産性を2倍にするには、2倍簡単にする
    努力を2倍にしてはいけない

  3. プロセスを見直してみるのが常識的アプローチ

  4. いっそプロセスを省いみてもいい

  5. 量を出せば、質もついてくる

今回の記事は、ほぼ自分への戒めとして書いた感じになりました。

とにかく、私はすべてが遅いのですね。

もっと多作になるために、今後も試行錯誤が必要です。

それではまたべあー。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?