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忙しい人のための中間まとめ〜受賞する小説のつくり方(4)

崖っぷち作家のニジマルカです。

「受賞する小説のつくり方」4回目です。

3回目はこちら。↓


中間まとめ

今回は「受賞する小説のつくり方」中間まとめです。

まとめつつ、個別記事へのリンクも貼っておきますので、詳しくはそれぞれの記事をご覧ください。

それでは進めていきましょう。


1.越えるべき2つのハードル

新人賞に受賞するのは簡単です。

出版社が求めている作品を出せば、受賞できます。

出版社が求めているのは、簡単に言うと以下のような作品です。

1.今までのヒット作のように売れ
2.かつ、今までなかった作品


この2つの要件を満たした作品が受賞できるのですが、これを、作家志望者がやるべきことに言い直すと、こうなります。

【作家志望者がやるべきこと】
1.定番を踏まえる
2.新規性を加える

「定番」とは、「売れた作品の共通要素」のことです。

ここ数年で売れた作品を調べてみると、ある程度の共通性が見られるものです。

その共通性が多くの人に知られ、受け入れられると「定番」になっていきます。

まずは1の「定番」を押さえるのが簡単です。

過去の作品を調べればわかるからですね。

だいたいの人は定番さえ知らずに突き進んでいます。

それで上手くいけばいいですが、なかなか選考を通れないなら、ひとまず定番を押さえることから始めるといいでしょう。

より詳しくは以下の記事をご覧ください。↓


2.売れた作品を調べる方法

上で書いたとおり、「定番」とは「売れた作品の共通要素」です。

ですから、定番を見つけるには「売れた作品」を調べなければなりません。

「売れた作品」を調べるにはいろいろな方法がありますが、網羅的にやるなら、以下のような手順を踏むといいです。

1.目指しているレーベルの新作をリストにする
2.オリコンを見て、新作の販売部数を記録していく
3.累計販売部数が多い作品が「売れた作品」

それぞれ簡単に見てみましょう。


2−1.目指しているレーベルの新作をリストにする

レーベルの新作を知るには、新刊情報サイトを見るのがいいでしょう。

たとえば、以下のようなサイトがありますね。↓

ここから自分が目指しているレーベルの新作を抜き出し、表計算ソフトなどでまとめておきます。

抜き出すのは単巻ものの新作か、新シリーズ(つまり1巻)です。

既存のシリーズは省いて構いません。(過去の作品なので)


2−2.新作の販売部数を記録していく

新刊情報をまとめたら、発売後にランキングを見て、結果を記録していきます。

販売部数がわかるのはオリコンランキングだけです。↓


新作がランキングに入っていれば、部数がわかります。

それを週毎に記録していけばいいわけです。

(ランキングに入っていなければ、圏外と記録していけばいいです)


2−3.累計販売部数が多い作品が「売れた作品」

何週か記録して累計部数を出します。

部数が出れば、どれだけ売れたかが数字ではっきりとわかります。

当然ですが、累計販売部数の多い作品が「売れた作品」です。

データの整理は、

レーベル、出版日、タイトル、1週目部数、2週目部数、3週目部数……、累計部数、あらすじ

くらいできると完璧ですね。

自分はこのように記録しています。↓

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他の方法もあるので、詳しくは以下の記事で。↓


3.あらすじを分析する

さて、上の手順で「売れた作品」のリストができました。

次は、売れた作品に共通する要素や構造を見つけていきます。

そういった共通の要素や物語構造が、上で書いた「定番」です。


おおまかな手順はこんな感じです。↓

1.あらすじを分析する
2.他の作品も同様に分析する
3.共通の物語構造
(定番)を見つける

分析方法は以下の記事で詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。↓


定番=読者が好きなもの

「定番」を見つける方法はだいたいわかったと思います。

おおざっぱな流れはこうです。↓

1.売れた作品を調べる
2.各作品の構造を調べる
3.共通した構造
(定番)を見つける

売れた作品は受け入れられた作品であり、受け入れられたのは読者が好きな物語構造を持っているからです。

ですから、当然ですが、売れた作品から抽出した物語構造を使えば、かなり高い確率で、読者に受け入れられる作品になります。

読者が好きな物語構造が、この記事で言うところの「定番」ですね。

受賞したいなら、まずは「定番」を知りましょう。

そして「定番」を自分の作品で使うのです。

「定番」とは読者が好きなものです。

自分が好きなものではなく、読者が好きなものを書かなければ、受賞することはできません。

好きなものを書いてなかなか上手くいかないなら、一度意識を変えて、「定番」に忠実に書いてみるといいでしょう。


今回のまとめ

受賞する小説のつくり方4回目「忙しい人のための中間まとめ」でした。

1.受賞するには「定番を踏まえ」「かつ新規性を加える」
2.定番を踏まえるには、売れた作品を調べる
3.売れた作品に共通した構造が「定番」
4.定番=読者が好きなもの
5.定番を見つけたら、自分の作品に使う

次回は「定番と新規性の関係」です。↓

それではまたくまー。

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