超初心者さんのための小説講座(5)〜とっかかりのアイデアを出す
小説を書いたことがない人、または超初心者さん向けの小説講座。
5回目は「とっかかりのアイデアを出す」です。
前回はこちら。↓
今回からアイデアの出し方
前回は「オチのつくり方」を説明しました。
一言でいうと
隠されていた理屈を最後に示す
とオチになります。
ですから、どういう理屈を隠しておくかがポイントになるのですが、これを考えるのは「アイデア出し」の範疇に入ります。
そういうわけで、今回から「ストーリーのつくり方」を終え、「アイデアの出し方」に進みます。
最初のとっかかり
「アイデア出し」と言ってもいろいろな段階があります。
初心者さんがまず迷うのは「どういう小説を書こうか?」という最初のとっかかりでしょう。
とっかかりで出したものが、そのまま「アイデア」として使える場合もあります。
ですので、まずは最初のとっかかりから考えていきましょう。
ふわっとしたところから出していく
とっかかりを考えるのに、何か決まりがあるわけではありません。
ですが、書くものがまったく決まっていないなら、最初はふわっとしたところから出していくのがいいと思います。
こんな感じのところから、考えてみるといいでしょう。↓
話のタイプは?
明るい話、暗い話、元気になる話、感動する話、厳しい話、優しい話、皮肉めいた話……結末は?
ハッピーエンド? バッドエンド?
書けるかどうかは置いておいて、自由に考えてみると、
「読むと元気になる話がいいな」
「ちょっと泣ける話がいい」
「因果応報みたいなのがいいかも」
「残酷でクールな話が書きたい」
など、いろいろ出てくると思います。
あとでまったく変えてもいいので、ぼんやりと「こんな話がいいかなあ」と考えるところから始めてみてください。
少しずつ具体的にしていく
さて、ふわっとしたところを出せたら、次は少しずつ具体的にしていく段階です。
具体的というのは、以下のような要素を決めていくということです。
主人公は?
大人、子ども、女性、男性、小学生、社会人、宇宙人、超能力者舞台は?
日本、学校、会社、外国、異世界、宇宙、深海、田舎、都会時代は?
現代、中世、原始時代、未来何をする話?
勝負する、求婚する、転職する、離婚する、犯罪を犯す、脱出する何が起こる話?
リストラ、事件、失恋、大地震、トラブル、試験どんな設定?
珍しいアイテムを拾った、超能力に目覚めた、女体化or男体化していた
もちろん、全部考える必要はありません。
なんとなく「主人公は高校生がいいかな?」とか「舞台は会社にしよう」とかぼんやりと考えていけばいいです。
だいたいは、何かを1つ決めると、それに従って他の要素も決まってくるものです。
たとえば、「主人公を高校生にしよう」と決めたら、「じゃあ、舞台は学校かな」「告白する話がいいかも」「失恋するけど、別のいいことが起こるみたいな話にしようか?」と、連想が進んでいくでしょう。
あとで変えても構わないので、何か1つを仮に決め、ひとまず連想を広げていくのがオススメです。
仮にでもどこかを固定しないと、考えが発散しすぎて、いつまで経っても決まりません。
ですから、オススメの考え方はこんな感じです。↓
仮にどこかを決める(たとえば主人公を決める)
それに従って他の要素も決めてみる(舞台や時代、起こることなど)
気に入ればストックしておき、1に戻って別の話を考えてもいい
気にいらなければ、リセットして1に戻ってやり直す
突飛にしすぎない
さて、創作はあくまでも自由なのですが、小説は枚数が限られていることも事実です。
特に今回は原稿用紙10枚くらいを考えていますので、長い説明を要するような複雑なことは書けません。
あまりに突飛な出来事やぶっ飛んだ設定などを考えると、あとで苦労することになるでしょう。
(うまく処理できる場合もあります)
ですので、なにか特殊な設定にしたり、突飛な出来事を起こしたいなら、その他の要素は、説明しなくてもわかるような無難なものにしておくのがオススメです。
たとえば、
主人公 :宇宙人
舞台 :マチュピチュ遺跡
時代 :千年後
起こること:古代インカ帝国人が次元跳躍してくる
何をする :インカ帝国人が宇宙を滅ぼすのをワームホール爆弾で防ぐ
などとすると、すべてが突飛すぎて短編で書けるとは思えません。
もし、主人公を宇宙人にするなら、他の要素は
舞台 :学校
時代 :現代
何をする :憧れの先輩に告白する
起こること:宇宙語で告白してしまい大失敗したと思ったら、先輩も宇宙人だった
くらいにしておけば、短編にできるでしょう。
おわかりのとおり、無難なのは、
主人公 :現代の誰か
舞台 :現代のどこか
時代 :現代
起こること:起こりそうな出来事
結末 :ありえそうな結末
です。
ですので、何か突飛なことを入れるなら、上記の他の要素は、ある程度無難なものにしておくと安心です。
それに、そうした方が、読者にとってもわかりやすい小説になるという利点もあります。
今回のまとめ
超初心者さんのための小説講座「とっかかりのアイデアを出す」でした。
最初のとっかかりを出すのもアイデア出しの一種
まずはふわっとした話の雰囲気やタイプを考えてみる
次に少しずつ具体的にしていく
具体的にする = 各要素を決めていく
どこかを仮に決めて連想を広げていくのがオススメ
突飛な出来事やおかしな設定にしたいなら、他の要素は無難にする
無難 = 現代社会を基準にしたもの
何が起こるか、あるいは、テーマになるようなキーワード(たとえば「告白」とか「やけ食い」とか)を出しておくと、次のアイデア出しにスムーズに進めます。
次回はアイデアの考え方です。↓
それではまたくまー。
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