【書き慣れてきた人向け】 小説をちょっと良くするためのチェックポイント3つ
小説を書くことに慣れてくると、次第に「これでいいのかな?」「上手く書けているんだろうか?」と思うようになります。
そういった疑問が浮かぶようになったら、初心者脱出のチャンスです。
作品を振り返ってチェックしてみましょう。
今回は、書き慣れてきた人向けに、小説をちょっと良くするためのポイントを3つほどご紹介します。
3つのチェックポイント
小説を書き始めたころは完成させるだけで精一杯でしょうが、書き慣れてくると、「この作品は上手く書けているんだろうか?」と疑問が沸いてくるものです。
そう思い始めたら、良い機会なので、作品を振り返ってみるといいでしょう。
以下くらいをチェックしてみるといいです。
理屈が通っているか?
盛り上がっているか?
驚きがあるか?
それぞれ見ていきましょう。
1.理屈が通っているか?
1つ目は理屈が通っているかどうかです。
ここで言う理屈とは主に因果関係のことです。
簡単に言うと、
起こったこと全てに原因や理由があるか
それらが読者に伝わっているか
の2点をチェックするといいでしょう。
小説は創作物です。
要するにウソですね。
ウソというのは脆いので、すぐに壊れてしまいます。
ウソをウソで支えることはできません。
脆いものを支えるには、強固な構造が必要になります。
その構造が理屈(ロジック)だと考えればいいでしょう。
登場人物の言動やストーリーの展開に、強引なところはありませんか?
「強引」というのは、理屈が通っていない時に起こる感覚です。
論理の段階を2つ、3つ飛ばしていると、強引さを感じるはずです。
そういったところは、なぜそうなったのか、原因や理由が不明だったり、論理が飛ばされているので分かりにくいのです。
読者の多くが、「そりゃそうなるよな」と納得できるように、理屈を通して誘導してあげましょう。
たとえば「なんとなく人を殺した」と言う人物がいたとすれば、「なんとなく人を殺すような人物」だと読者を納得させなければなりません。
「確かにそんな奴だよな」と読者に思わせるには、その人物の過去や生育環境、人間関係といった強固な理屈(理由)が必要になるのです。
読者は、小説がウソだということくらい、もちろん分かっています。
ただ、騙すなら、ちゃんと騙して欲しいのです。
ちゃんと騙すためにも、しっかり理屈を通しましょう。
2.盛り上がっているか?
2つ目は話が盛り上がっているかどうかです。
手に汗握るような緊張感のあるクライマックスになっていますか?
クライマックスが盛り上がっていないなら、以下の1点を気をつけるだけでかなり解消できます。
舞台を大きくする
物語の舞台がずっと変わらないなら、なおのこと、クライマックスの舞台を大きなものに変えましょう。
舞台を大きくすると、必然的に、そこで起こる出来事も大きなものになります。
器を大きくすると、中身も大きくしないと釣り合いが取れないからです。
たとえば高校生の恋愛ものなら、最後は、
全校集会 :全校生徒の前で告白
文化祭 :ステージ上で告白
テレビ番組 :全国放送で告白
などが考えられますね。
登場人物にとって大きな舞台になっていればそれでいいのですが、世間的に見ても大きな舞台を用意できると、盛り上がりが分かりやすくなります。
「なんだか盛り上がらないなあ……」と思ったら、とっとと舞台を大きくしましょう。
せめて、別の場所に移動させるといいです。
旅行に行く、大会に出る、合宿する、イベントに出る、などいろいろ考えられますね。
とにかく、クライマックスは、主人公たちにとってチャレンジングな大きな舞台を用意するといいです。
舞台を大きくするだけで、書き手の発想も大きなものになります。
3.驚きがあるか?
3つ目は驚きがあるかどうかです。
読者は最後に「え!?」と驚きたいと思っています。
予想通りだったり、展開が読めてしまうような作品はとても退屈です。
クライマックスくらいは「読者を驚かしてやろう」という意識を持つといいでしょう。
とは言え、驚かすだけなら何とでも出来ます。
恋愛話だと思っていたのに、最後に隕石が落ちてきて人類が滅亡すれば、読者は驚くでしょう。
ですが、これはただ驚くだけで、面白くも何ともありません。
読者が求めているのは、単なる驚きではなく、「納得性のある驚き」です。
驚きとは意外性のことであり、納得とは理屈が通った感覚のことです。
つまり、セリフにすると、
驚き = 「え!?」
納得 = 「なるほど!」
ですね。
ですから、最後に読者から「え!? そ、そうか、なるほど!」と言う反応を引き出せれば、良い結末だと言えます。
では、そういった反応を引き出すにはどうすればいいでしょうか?
簡単なのは「伏線を回収すること」です。
伏線とは、問題を解決するヒントだと考えておけばいいでしょう。
最初の方にヒントを出しておいて、最後にそのヒントを使って問題を解決すると、読者から驚きとともに納得の反応が返ってきます。
簡単な例を出すと、こんな感じです。
主人公は悪い竜を退治しに旅に出る
師匠から「竜には逆鱗があり、そこが弱点だ」と教えてもらう(伏線)
竜との戦いでピンチになる
絶体絶命の瞬間、師匠のアドバイスを思い出す(回収)
逆鱗を刺し、竜を退治することに成功した
一般的なパターンにするとこうなります。
間違い :主人公は何かを間違えているので上手くいかない
気づき :ある時点で間違いに気づく(伏線回収)
行動 :行動を起こし、問題を解決する
間違い:
最初の方にヒントは出ているのですが、それに気づいていなかったり、忘れていたりするので、主人公は何かが上手くいかない状態にあります。
気づき:
ですが、ある時点で気づきが起こります。
最初の方に出ていたヒントに気づくのですね。
ここで伏線が回収されます。
行動:
内面で気づいたことを元に、外面で行動に移し、問題を解決します。
最後の展開に迷ったら、このパターンを踏襲するといいでしょう。
このパターンを使えば、納得性のある驚きを作り出すことが出来、読者も満足して読み終えることができます。
今回のまとめ
「小説をちょっと良くするためのチェックポイント」でした。
チェックポイントは3つ
理屈が通っているか?
ウソをつくにはロジックが必要盛り上がっているか?
クライマックスの舞台を大きくする驚きがあるか?
伏線を回収する
自分の作品を振り返って上手くいっていないポイントを探す
どこかのポイントで引っかかっているようなら、次の作品はそこを意識してみるといいですね。
それではまたくまー。
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