二次元妄想設定「架空の格闘技・武術」と、その設定を考えるための格闘技の歴史と知識

それ自体がネタバレになってしまうのだが、
架空の格闘技を考えるには、
まずは現実世界の格闘技を知っておく必要がある。

現実世界における格闘技で最強といえば日本発祥のMMA、
いわゆる総合格闘技であるが、
その強さは「最大限負けない」という意味でしかない。

総合格闘技の本質は「対策」の結晶化であり、
パンチ、キック、タックルなど選べる選択肢の数が多いぶん、
自分が得意なものを使うか、相手が苦手なものを狙うかも選べる。

拳打の基礎を学び防御技術を習得する。
蹴撃の基礎を学び防御技術を獲得する。
寝技の基礎を学び防御技術を体得する。

そうやって苦手なものを減らし、やれることを増やした結果、
「何かで負けても総合的に勝てばいい」ということになる。
負けないようにしたうえで勝つ能力を得るのが総合格闘技だ。

なぜ日本で総合格闘技が生まれたのかという歴史はさておき。

しかしながら総合格闘技に少し詳しい人がいれば、
「強い選手が得意とする技術」はだいたい同じだと知っているだろう。
いうまでもなくボクシング、レスリング、柔道・柔術だ。

あらゆる「技術」はその歴史の長さ、競技人口の多さに応じて、
「可能性の検討」がなされた総量が決まるのだから、
拳打の代表ボクシング、組技の代表レスリング、搦手の代表柔術。

単純にフィジカルエリートが集まりやすい界隈ともいうが、
いずれにせよ、そういった技術体系を集めたうえで、
最大限「対処」できるようにした成果が、総合格闘技だ。

ボクシングだけだとタックルに対処できず、
レスリングだけだとキックに対処できず、
そうなると何でもアリな柔術ベースになる。

柔術とはいうけど、打撃全般があるからね。
そうなると今度は「対武器徒手」という、
格闘技の原点の話をする必要があるが、それもさておき。


まあ、つまりだ。

架空の格闘技を考えるときは、
もはや新たに創造できるだなんて思ってはいけない。

・・・だって重力に支配されて、手足が2本で、
殺し合いするなら金的目潰しアリだろうけど、
「練習して強くなれるかどうか」なら制限だらけだよ、格闘技は。

まさか練習の時点で人を殺しまくる急所攻撃アリにはできないし。

だから架空の格闘技を考えるときは、
「何かしらの着想が未発達である」「それに気付いた奴がいる」
という形にしないと、さすがに突っ込みどころがデカすぎる。


パチモノ格闘技といえば中国拳法と極真空手が有名だが、
まあ、中国も韓国(極真は創始者が韓国人)も、
昔っからウソと誇大広告とサボリ癖で有名なお国柄だし・・・

極真空手は伝統派のパクリでしかなく、
やたら派手なことを言うけど技術的に洗練されてるわけじゃないから、
近年では伝統派のほうが強いと再評価されつつある。

ド突き合いをするからタフであるように思えるけど、
要するに体格とパワーで競ってるだけだからな。
だから軽量級が一切話題にならない。

物理学的に考えると軽量級だと通用しない技術なんて、
「弱者の武器」であるはずの格闘技としては、
成立すらしていないと断言してもいいわけだからな。

「武器のほうが強いのにあえて素手で戦う」のだから、
武器を持たない弱者のためのものなんだよね、格闘技は。
カポエイラ(手枷のついた奴隷の逆立ち蹴り技)が象徴的だけど。

一撃必殺なんてのは幻想なんですよ。
一撃で倒れないからボディやらコンビネーションやら、
何発も打つ・打たれる前提で技術が成長したわけですし。

極真の唯一の功績はローキックを世に知らしめたことだろうか。
ローキック自体は極真の発明品ですらないから、
韓国人特有の派手好きパフォーマンスのおかげではあろう。

同じ韓国人が空手をパクって生み出した(と創始者が述べている)、
テコンドーも「パフォーマンス特化」のパチモノであり、
技術体系があまりにもショボくて、総合だと惨敗することに定評がある。

ちなみにテコンドーは超絶反日テロ思想に基づき創造されたので、
伊藤博文を暗殺した反日テロリスト安重根の名前からとった、
「重根」という技(というほどでもないが)が実在するほどだ。

実は伊藤博文は韓国併合反対派であり、
安重根は明治天皇に感謝していたほどの超親日派の韓国併合賛成派で、
韓国併合実現のために伊藤博文を殺した親日韓国人の安重根

・・・というのが正しいのだが、それもまあさておき。


中国拳法がなぜパチモノだと断言できるのか?
実に単純だ。
あんな奇抜な構えで3分間放置されたらどうなると思う?

動物を模しただの心意六合だの、
どれだけカッコよくて派手なことをほざいたところで、

「人体はそのような動作をするためにはできていない。」

そういう骨格じゃない、そういう筋肉はない、
それだと力が入らない、それだと素早く動けない。
そんな型だの構えだのは人間を殺傷せしめる技術たりえない。

少なくとも対人格闘をすれば勝てるわけがない。
合理性の欠片もないから。
血も涙もない合理性(対策)の塊が総合格闘技だから。

だから少し前に、
中国人の中堅総合格闘家が中国拳法の自称最強な使い手を、
ボッコボコにする動画が話題になっていたわけで。

あんな無駄に腰を落として膝を曲げた構えなんて、
ようは常時空気椅子やってるようなもんだから、
3分放置すれば膝がプルプルいい始めるだけだからな・・・


かくして、
格闘技に新規開拓の可能性なんて残されてはいない。

人間の腕と脚は2本ずつだ。
重力は頭から足の方向へ貫かれている。
それらの物理学的な、物質的な事実は変わらないからだ。

まさか宇宙空間のような、
地面も重力も上下左右の基準ない状況で格闘技をするのか?
技術もクソもなく推進力と質量のデカいほうが勝つだけだぞ?

「物理学に支配されている現実的な格闘技ならば」

まあ、そういうことになる。

だから架空の格闘技を考えるときは、
速度だの、間合いだの、威力だの、耐久力だの、
何かしらを狂わせるだけの架空要素を持ち込む必要がある。

ドラゴンボールのように、
「魔法のような何かでパワーを上げる」のは実に単純だが、
結局パワーのでかいほうが勝つだけになって、いまいちつまらない。

気合や根性だけで、そんな何倍も強くなったりはしませんよ。
とはいえそういう王道、ないしベタな展開のほうが、
最終的にはカッコよかったりもするもんだけど。




一例として、すごくカッコ悪くて気持ち悪いけど、
架空の格闘技を作れというならば、
「相手が疲れ果てるまで永久につきまとって倒す」。

どれだけ殴られても蹴られても刺されても死なない。
相手がどれだけのスピードで逃げても必ず追いついて、
相手を休ませない、眠らせない、疲れ果てるまで許さない。

そしたら、攻撃力自体は普通の人間並みであっても、勝てる。

しかし実をいうと、それは非常に科学的な格闘技だ。

ヒトという動物の強みは「持久力」であり、
眠らずに休まずに24時間も活動できる動物は稀だ。
回遊魚のマグロだって泳ぎながら寝ている。

犬や猫だって基本的にはおとなしく寝転んでいるものだろう?
あれが動物の本来あるべき姿だ。
何時間も連続して活動し続けたら、何時間も休まないといけない。

ヒトだけが、24時間、48時間、72時間も、「連続して活動できる」。

この世にはフルマラソンの42.195kmどころか、
100km以上も連続して走る競技がある。
「ジャーニーラン」というのだが。

途中で休んだほうがいいとされてきた(当然だ)が、
「ド素人が一晩中走り続けて優勝する」という出来事以来、
人間にはそんなことができるのかと見直され始めたりもした。

かくして「150kmを24時間以内に走ろう」とか、
「夜間の照明とバッテリーは各自で用意しろ」とか、
あまり現実的でない競技が行われるに至ってたりもする。

類を見ないほどの長時間の連続活動を可能とするヒトにこそ、
「やられない」「逃がさない」ことさえ確保できたなら、
「つきまとい続ける」という最強の武器があるのだ。

なもので。

あるいはその「やられない」「逃がさない」さえ達成できれば、
相手が疲れ果てるまで追い続けるだけで勝てるという、
実際にやられたら超恐ろしい架空の格闘技が成立する。

ちなみにこれを書いている人間は、
巷でワンパンマンという漫画やアニメが流行っても、
欠片ほどの興味も示さなかった。

結局のところ、
何かしらの能力が傑出していなければ、
物理学的な衝突にすぎない格闘技で圧倒することは不可能だから。

殴られてもやられない、絶対に相手を一撃で倒す、
それだけを成立させればワンパンマンになれる。
実に単純なカラクリだ。

先に示した架空の格闘技は、
一撃では倒せないけど、殴られてもやられないし、絶対に逃がさない。
理屈のうえではサイタマですら倒せる。

疲れ果ててストレスがたまれば免疫力も下がって、
本来防げるはずのガン細胞の増殖も防げなくなるから、
何なら殴り合いをする前に相手が病気で死ぬ。



その、一例程度に示した架空の格闘技、
「倒せないけどやられないし逃がさない」を、
どうやって成立させるのかの設定は各自で考えていただくとして。

ここでは「絶追流(ぜっついりゅう)」とでも名づけておこうか。
前後に地名なり人名なり何なりをくっつけてもいいよな。
定離(じょうり)絶追流奥義「安眠妨害」!

・・・まあカッコ悪いけど、やられたら最高にクソではあるよね。
そんだけのタフネスと間合いを詰める能力があれば原理上、
人間と争いそうな生物には負けないわけだし。

絶対に追い続ける、逃がさない、諦めない・・・と変換すれば、
「諦めずに頑張ればいいんだ」というテーマにもくっつけられるし。

誰よりも臆病で、誰よりも慎重で、誰よりも執念深く、
誰よりも諦めることなく願い続ける、心の折れない強者の、架空の格闘技。
その名も絶追流。

カッコよくはないけれども絶対に負けない、ゆえに最強の格闘技である。

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