最底辺からの勉強と受験(17)
☆少しずつ過去の話を書いています
私は17才でカウンセラーを目指そうと子どもたちの力になりたいと決意する訳ですが、そのためには越えなくてはいけない難関がいくつもありました。この時私は姉のスナックを手伝いながら定時制高校に通っていました。鉄工所で働きながらを両立出来ず留年しているので、卒業までまだ2年あります。自分で決めた自分の道。今までもここからも。その時私は考えました。
「今のままではダメだ。高校を辞めて自分を追い込む。」
私は定時制高校を辞めて大学入学資格検定試験、今で言う高認試験を独学で受ける決意をします。これぐらいしないと追いつけないと私は思いました。そして、自分が決めた将来の道ならこれぐらいする必要があると考えました。中学校も通っておらず定時制高校の勉強もかなり簡単なもの。私は茨の道を通ろうとしているのに、その環境では進んでいけないと思ったんです。
後の話しになりますが、夜に進学塾でも教えるようになる時は死ぬほど勉強しました。塾で使わなくなったテキストを頂き全部のテキストの全部の問題を解きました。模試と高校受験の過去問10年分も全て解きました。当時は学校の教科書も含めどのテキストのどのページにどの問題が載っているかまで全て把握していました。昼間は学校で働いていたので、数年間は夜中2時に寝て朝7時に起きて仕事に行く生活をしていました。私のような中学も高校も行っていないような人間がしれっと教育に紛れ込む、そんなキラキラした漫画のような話はそこには存在しません。自分の受験にしてもですが、ただひたすら止まらずずっと勉強をして来ただけです。
話しを戻しまして、大学を目指すに当たり一つとても大きな壁がありました。
私の周りには1人も大学に行っていた人が居なかったのです
インターネットも無い時代なので情報もありません。友だちの友だちまで探しましたが、1人も居なかったのです。なので、大学の偏差値のことも大学のレベルのことも何も知りませんでした。大学に行っている人間が周りに1人も居ない中だったので、私の環境はもはや大学に行く時点で手の届かない世界というイメージだったんです。
そんな中で1人だけ大学を中退した知人と出会うことが出来ました。色々と教えて貰っていましたが、残念ながらその知人とはすぐに疎遠になります。犯罪に手を染めていることを風の噂で聞いたのです。私はすぐに関係を断ち切りました。
やっと見つけた大学を知っている知人が居なくなり私はまた途方にくれました。その時私はこの知人が言っていた一つの情報を思い出しました。
「大学行くならこの本読んでおいた方がええで。受験生みんな読んでるから。おもろいで。」
それは色々な大学を漫画のようなタッチで紹介レポートするとても分厚い本でした。私はすぐに本屋さんに走りその本を購入します。本の内容は、この大学は明るい人が多かった、この大学は場所が駅から離れていて不便、など大学ごとの特徴がおもしろおかしくわかりやすく書かれています。私は結局この本が受験生がみんな読むようなメジャーな本なのかどうかも未だに知りません。しかし、私には希望となりました。私が知らなかった大学のことがこの本には載っているのです。そして、私は決意します。
「この本に載っている大学に行こう。」
信じられるのはもはやこの本のみです。私は大学に入って仮面浪人をしています。3年で編入試験を受けるのですが、受ける大学は全てこの本から選びました。本を初めて読んだ時から決めていた大学をリストアップしていて編入試験を受けたのです。そして、この本に載っている大学を卒業しました。
少し先の大学の話しになってしまいましたが、ここから私の勉強の日々が始まります。
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