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私が高校に招かれる側になった話し〜思いはバトンなんや(13)後

言論大会前日、私は前々回に書いていた自分の元担任のT先生にメールをしました。

「おれはT先生にやってもらったことを大事にしてそれを続けてきた。それはやってもらった事だったから出来た。T先生の思いがおれに繋がって同じことをしてたら次は◯◯さんにそれが繋がった。何十年かかったけど、思いはバトンなんやと知ることが出来た。心構えのアドバイスが欲しい。」


もちろん色々な人にアドバイスを聞くことは出来たのですが、T先生に聞くしかないと私は思いました。私がT先生に報告して聞くことにより、また新しいバトンはT先生に渡せられるのです。そうやって人の思いはバトンは増えて確実に着々と繋がれていくのだと私は思います。T先生からはこう返事が返って来ました。

「その子が言論大会で発表するということは何の見返りも求めてないまっすぐな気持ちやと思うねん。感謝の気持ちを持ち続けていることを褒めてあげて欲しい。そして、それがまた新しいバトンにその子から次の誰かに繋がればそれは素晴らしいね。素直な気持ちを伝えてあげて下さい。ファイト!」


次の日、私は高校にお邪魔させて頂きました。高校に着くと連絡を取っていた◯◯さんの担任の先生が校門の前で待っていてくれました。担任の先生に案内して頂いている道中、担任の先生がこう言っていました。

「ぼくも教員してて思うんです。こういうのが1番嬉しいんじゃないかなって。だから連絡しました。」


◯◯さんは良い担任の先生に巡り会えたようです。それを知ることが出来てとても嬉しかったです。

言論大会の発表は、絶望して諦めていたけど高校に入って本当に良かったと思っているということ、色々な人に出会えて世界が広がって自分のことを気にかけてくれる人達が居ることを知ることが出来たこと、そしてそのきっかけをくれた私に感謝しているという内容でした。

私は◯◯さんの発表を聞いている時、涙が止まりませんでした。理由はわかりません。発表している時の◯◯さんは輝いていて眩しくて心が締め付けられるぐらいに前を見ていました。心の底から本当に良かったとその時思いました。

そして、◯◯さんの発表は賞を取っていました。


その後は◯◯さん、初めて出来た友人、担任の先生と少しお話しました。そして、結構あっさりとその場を去りました。

なんであっさりかと思いますよね?

だって◯◯さんはもう前を向いて進んでいるから。信頼出来る仲間や先生に囲まれて笑顔で前を向いているから。あんな前向きなことを大勢の前で胸を張って言えるんですから。

大したことはしないけどすぐに駆けつけたことが大事なんです。

去り際と背中で渡せるバトンもあってもいいんじゃないでしょうか。

そして、私もかつての担任のT先生と生活指導のY先生に今日のことを報告しました(Y先生はたこ焼きの話しをどこかに書いてます)。

すると、Y先生から電話がかかって来て

「良かったな〜。ほんま良かったな〜。号泣」


っとめっちゃ号泣で電話がかかって来ました。

「いや、おれより泣いているやん!ってかなんで電話して来たん?」

っと聞きますと

「声聞きたいなと思って」


っと言われました。ああ、私はこの先生達の教え子なんだなと思いました。私は自分が思っているよりも沢山のバトンを受け取っているようです。

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