中学卒業 新たなスタート(12)
久しぶりになりましたが更新です!正月休み中に頑張って進めます!
いよいよ中学の卒業が近づいてきて進路の話しとなりました。中学はほとんど行ってなくて家にもほとんど帰っていなかったので、当然私は働くことを考えておりました。一般的には中卒ではやはり建築関係の仕事に就くことが多く、みんなでよくどの職種に就くか話したものです。ネットもないような時代でしたので、先輩や友だちのお父さんなどから色々と情報を仕入れます。この時手にした情報は
鳶職は高い所が苦手だと厳しい。鉄筋鳶など種類がある
大工は給料が安い。でも、手に職が付き最終的にはかなり上がる
などでした。あとは塗装屋、タイル屋、土木など色々と種類がありそれぞれ違うことを知りました。実際この時大工を数年間やっていた友人がいたのですが、日給がずっと7000円弱でした。まあこの後書くのですが、私が働き出した鉄工所も時給750円でした。あれだけ大変な仕事なのに年齢も時代もあってか今考えるとびっくりですよね。本当に16才が働くというのは給料がとても安いです。テキ屋も1日働いて三千円の時がありました。
話しは戻りまして、この時の私の担任はT先生で生徒指導のY先生と2人で高校に行くよう私に勧めてくれました。私は高校に行くつもりが全くなく就職を考えていましたが、先生達2人は
「絶対に高校に行け!」
と強く勧めてくれました。
「高校見学連れてったるから。」
と言い、半ば強引に見学に行くことになりました。そこは定時制高校だったのですが、地元から離れた所にありました。先輩達に会ったりしないようその辺り配慮して探してくれたのだと思います。この担任のT先生も私に良くして下さりました。有名な学校を出ているエリートでのちに校長先生にもなるような方だったのですが、この高校見学の時に教頭先生の車を借りて私を車に乗せて連れて行って下さりました。なぜ、エリートだとわざわざ書いたかと言いますと、私はエリートなのに私の目線に合わせて動けるこの先生をとても尊敬しているからです。中々出来ることではない当たり前の事ではないと思っています。
この高校見学ですが、何故か仲間も
「おまえが行く高校なら俺らも見とかなな。」
と付いて来てくれたのですが、T先生とY先生は高校見学の後マクドナルドをドライブスルーでご馳走して下さり、その時出たばかりだったプリクラもみんなで撮って帰りました。
のちにT先生から聞いたのですが
「教頭先生に車マクド臭かったって怒られたわ。」
と言われたと笑って言っていました。今の時代では考えられない対応だと思います。教頭先生も面白い先生ですよね。お話したことがほとんどないのですが、私にはとても有難かった経験をさせて頂きました。エリートなT先生がなぜこんなに柔軟に動けるのか不思議で一度聞いたことがありました。T先生は
「私は人としてやるべきことをやっただけやで。」
と答えました。T先生は教師としてやるべきことを大切になさりながら人としてやるべきことも同じぐらい大切になさって生きてらっしゃりました。続けてこうおっしゃりました。
「教員は先生である前に1人の人である」
とても大切なことを教えて頂きました。小学校から打って変わって私は先生方に恵まれた中学生活を送ることが出来ました。そして、これらは今私が学校で働き子どもたちと接する中で大切にしていることの根っことなっております。
そして、私は中学を卒業して定時制高校に通うこととなったのでした。
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