見出し画像

Fリーグに必要なのは、SNSでもプロジェクションマッピングでもない。

2019/20シーズンが終わったので、今シーズンのFリーグの観客動員数を見てみました。公式サイトによると、総入場者数は168,105人だったそうです。2014/15シーズンをピークに減少の一途を辿っております(もう味もしないくらい当たり前になってきた)。

ぼけーっとFリーグの観客動員数について検索していたら「FリーグはもっとSNSをがんばれ!」とか「成功事例であるBリーグの演出を見倣え!」とか「リーグはお金がないんだからファンがもっとお金落とそう」といった記事やブログが目に入ったので、少し違和感を感じています。

別に僕が感じることが正しいわけでもないですが、メディアを含め、上記の議論で終わっていることにフットサルの未来を感じません。なぜなら、上辺の話に聞こえて、大切なコアな部分がないように聞こえるからです。これらの議論で本質的なところは何か、少し考えることにします。

SNSがんばれ理論

もちろん、SNSの発信が重要なことは言うまでもない事実です。どんな業種でも、確実にSNSを運用することが求められる時代です。

SNSで発信することによって、これまで接点のなかった層にも届き、フットサルに関心を寄せてくれるかもしれないという理論は、一部正しいと思っています。例えば、ペスカドーラでは、今シーズンはアビームさんのご協力もあり、ホームゲームのイベント情報やスタッフ・選手との対戦企画など積極的な運用でTwitterフォロワー数を確実に伸ばしていました。フットサルというコンテンツを軸にすれば、拡散する力はあるとわかったことが収穫だと思います。

その結果、ペスカドーラのホームゲームの観客動員数はどう変化したか見てみます。
・昨シーズン:13,369人
・今シーズン:14,450人
という結果です。今シーズンは1000人くらい増えました。ホームゲームが10試合だとして1試合当たり約100人の増加です。

次に、増えるグラフを考えます。観客動員数やフォロワーのような数字が増えるパターンとしては2パターンです。この調子で100人ずつ直線的に増えていくパターンと、100、200、400と倍々ゲームのように増えていくパターンの2つです。

画像1

どちらを目指すかを考えた時に、お金がない=体力がないので、やっぱり右側を目指したいですよね。これまで通りの方法で継続していたら、直線的に数字は増えていくかもしれません。しかし、直線的な増やし方では僕らのようなマイナースポーツでは費用対効果が合わなくなってしまいます。例えをあげるなら、三浦カズやロベカルのようなスター選手をたくさん継続的に呼べば、なんだか直線的に増えていく気がするでしょう?みなさん知っての通り、費用もかかるし効果もわかりづらい。もし今後またスター選手を呼び始めた時は・・・

というわけで、指数関数的な増やし方をするにはどうすればいいか。その本質を成功事例からアナロジーしなくてはいけません。

今一番必要なものは「デザイン」

・小手先のSNS集客でもない
・現地観戦の案内でもない
・プロジェクションマッピングでもない

僕が考える、もっとも必要な答えは「デザイン」です。デザインというとかなり広義で申し訳ないんですが、全体設計という意味でのデザインも、見た目のデザインもかなり重要だと思っています。(僕だったら、ひたすら各方面のデザイナーにアプローチをします笑)

なぜデザインに力をいれるべきか、それは日本のフットサルカルチャーはどんなもので、これからどんなものにしたいかを示すことになるからです。

ロゴだけでなく、会場の色合いやポスターやWebやらなんでもそうですが、制作物のデザインを真剣に考える時、どうしても背景や歴史やカルチャーを知っていないといけません。たとえばBリーグなら、リーグが分断していた時代やその背景があり、NBAというお手本があり、バスケットボールファッションがあり、、、「バスケっぽい」の成り立ちをおそらく意識して、日本バスケを再定義したと思います。その過程があるからこそ、演出があり集客があるのかと。

デザインの力を借りて

画像2

僕らがこれから考えるべきことは、日本のフットサルカルチャーはどんなもので、どう受け入れられていて、これからどういう文化にしていきたいか、これだけだと言ってもいいと僕は思います。だからこそ、フットサルカルチャーを発信していくメディアがもっとできて欲しいし、僕も知らない過去の歴史を知っている人がどんどん発信していけたらいいのにと思います。

「最強の5人制フットボール」でもいいんです。フットサルをやめてフットボールにしたのが悲しいとか、そんな感想で終わって欲しくないです。PR動画もカッコよくできていました。完成度の高い素晴らしいものです。でもあれをみて、フットサルっぽい・ぽくないとか、フットサラーはこうあって欲しいとか、そういう世論をあまり聞いたことがないんです(個人では思っている方はいらっしゃると思うのですが…)。世論が固まってないなら逆にチャンスだと思って、Fリーグ自体がフットサルのカルチャーをみんなで作れる環境になればいいなと思っています。

「スポーツとは物語の消費である」ぼくが好きなミズノの元会長さんの言葉です。こうしたカルチャーを作るためのデザインがあって、SNSで魅力が拡散し、プロジェクションマッピングなどIT技術で表現する。こうやってフットサルという大きな物語を作っていければ最高ですね!!

この記事が参加している募集

Bリーグ

みなさまからサポートしていただいた資金は、フットサルの普及活動に利用させていただきます。