見出し画像

映画感想:シン・ウルトラマン

今回のストック素材

映画:シン・ウルトラマン

あらすじ・ストーリー 
突如、日本に巨大不明生物出現。周囲に被害を与え、通常兵器も通用しない。
なんとか最初に出現した巨大不明生物を殲滅するも、次々と出現するようになる。
政府は以降、巨大不明生物を“禍威獣”と呼称するようになる。
禍威獣が日常的に現れるようになった日本。
これに対し政府は、禍威獣対策の専門家チーム“禍特対”を設立する。
そして、任務に当たる禍特対に危機が迫ったある日、
空から銀色の巨人が降着する。

~感想~

昨年、公開された本作品。
最初のタイトルからビックリでした。
まず、オリジナルではウルトラQのタイトルが映ってから、
ウルトラマンのタイトルが映る構成となっております。
本作品ではまずシン・ゴジラの文字を映して、
そこからシン・ウルトラマンの文字が表示されます。
これがまずオリジナルへの最初のインスパイア。
タイトルが表示された際もオリジナル版は、
カラーのインクを使用しぐるぐる回転するのですが、
シン・ウルトラマン版では立体的な360度に回転し、
現代的な変化を加えております。
そして、開幕そうそうダイジェストで、世界観を説明してくれます。
で、また驚かされるのは一番最初に登場したゴメス。
このデザインがまさかのシン・ゴジラモチーフ。
これまたオリジナル版のゴメスが元ゴジラのスーツを利用していたので、
それを踏まえてのアレンジ。憎いよこん畜生!
ではダイジェストを序盤に加えたのか。
それはウルトラQとウルトラマンの関係性にあります。
オリジナル版のウルトラマンはウルトラQと地続きの世界観で、
ウルトラQの世界があったからこそウルトラマンがあるので、
これは必要だったとおもいます。
いきなり禍特対が登場するわけではないので。

今回の禍威獣達のデザインですが、
CGならではのデザインが多かった様に思えます。
・ネロンガは移動しながら透明化する能力
・ガボラであれば身体の一部が頻繁にドリルのように回転する形状
・ザラブであれば身体が非常に薄い形状
・メフィラスであれば非常に細い
・ゼットン。もう空中に浮いている巨大な固形物。
こうした点を見ているとCGを使う必要性を感じます。
ちょっと面白いと感じたのは、ザラブやメフィラス外星人達の
人類へ対する力を誇示する際、昔であれば船や車を浮かすなど、
物体を使用し表現をするという演出でしたが、
令和ではITを使って力を誇示する演出になっており、
今ならではの演出だと見ていました。
また、この禍威獣という呼称が自分は好きで、
ハリウッド版ゴジラでタイタンという呼称を使っているのは
自分の中でどういしても引っかかっている部分がございまして、
字体は違えど「かいじゅう」という読みは呼び続けてほしいなと
思っていたのでそこに拘りを感じて個人的には感銘を覚えます。

禍特対についてですが、
オリジナルでは超兵器も操作する特捜チームでございましたが、
本作品では巨災対をスリム化したようなチームとなっております。
オリジナルで登場するような超兵器はリアリティバランスを崩すので、
登場するのは難しいだろうなとおもっていたので、
指揮特化チームというのは納得のアレンジだと思います。
それでもオリジナルのBGMで現地に向かう彼は、
紛れもなく科特隊なんだ思います。

シン・ウルトラマンについてですが、
カラータイマーをなくすという点は思い切ったアレンジというのが、
発表直後の率直な感想でした。
いわば仮面ライダーから変身ベルトを外す、ドラえもんからポケットを外すに近い大胆なアレンジ。元のデザインがあったとはいえ、ウルトラマンの象徴を外すとは恐れ入ります。それでもウルトラマンのバトルを盛り上げる要素であるカラータイマー、これを切り捨てるのかと思いましたがそこで体表ラインの色変化で表現するのはそういった方法があるのかというのも一本取られました。これもまたCGだからこそかなとも思います。
また、シン・ウルトラマンの変身シーンですが、その際にグングンカットを使わずここぞというところで使用しておりました。複数あった変身シーンの中でもザラブ戦直前の変身シーンはここの捻りが好きシーンでもあります。
異空間から巨体を呼び込み、その手が神永の身体を包むという一連のシーンは歴代にないシーンだったので、そういったアレンジもあるんだと感心しました。

ストーリー展開につきまして、その中でも自分が注目した一番そのポイントは、ウルトラマンと人間の一体化に注目したということです。
過去、日本に限らず世界広しといえども、
人間と別の意志との一体化をフィーチャーという設定はそれほどいないのではないでしょうか。
考えてみるとデビルマンくらいでしょうか。
で、劇中でも触れておりますが、その事実は兵器に転用すろことが可能というのは、確かにその視点はなかったとおもいました。
ウルトラマン登場以降、歴代の人間がウルトラマンと同化して活躍するのを
見ていいると確かにそういった考えもあるよなと納得してしまいました。
だからこそメフィラスやゾーフィの考え方はそうなるよなと思ってしまいました。
その他では記憶に残っているのは滝君です。
滝君自身は凄く頭脳が働くキャラクターなんだけでも、同時に精神は今の若者における等身大のキャラクターになっているのが凄く印象的で、どこか一つ外側で話をしているポジション取りをしておりました。だからこそゼットンとの際には論理的思考であるが故に人類全滅以外の道が見出せない。
それでも神永が託した希望に応えてくれました。
今回のワールドカップの日本代表がスペイン戦にて見せた可能性にかけるというのは精神論ではあるけどチャレンジをしなければ先はないというのは大切だと思います。奇跡はチャレンジしなければおきないので。
全編において綿密に練られたストーリーは凄く興味の渦に飲み込まれて、
楽しい時間となっておりました。

この記事が参加している募集

#映画感想文

65,734件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?