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『24時間、戦えますか。』から、32年。

こんにちは、仁井貴志(にい たかし)です。
普段は社会人向けにキャリアコンサルを行っています。


さて、表題の件。

1988年6月、リゲインという栄養ドリンクのブランドが
広告のキャッチコピーを作った。

『24時間、戦えますか。』

当時は、夜通し働く、休日働くのは割と普通で、むしろ進んでやるような文化の企業が多かった。
平成初期を象徴するような、キャッチコピーの一つだ。


平成に消えた仕事、生まれた仕事
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あのキャッチコピーが登場してから32年が経ち、元号が変わった。

平成の間に、24の仕事が消え、25の仕事が新たに生まれたと言われている。(国税調査)

■平成の間に消えた仕事
速記者、タイピスト、ワードプロセッサ操作員、速記者学校講師、タイピスト学校講師、キーバンチャー、声色師、ボードビリアン、曲芸師、キャバレーのレジスター係、預貯金集金人、保険料集金人、場立人、才取人、注文取り、呼売人、ミシン販売員、絹織物買継人、牛馬仲介人、雑穀仲介人、電話売買仲介人、書生、留守番 etc..
■平成の間に増えた仕事
情報ストラテジスト、システムコンサルタント、ビジネスストラテジスト、ISアナリスト、ITサービスマネージャ、システム保守技術者、情報処理プロジェクトマネージャ、心理カウンセラー、金融商品開発者、金融ストラテジスト、保険商品開発者、テクニカルライター、苦情受付事務員、調査員、リサイクルショップ店員、ハウスクリーニング、ネイリスト、レンタカーカウンター係員、ボディガード、刑事施設警備員、自動販売機商品補充員 etc..


国税調査では、労働者が1200名未満になると、職業欄から消えるしようとなっているらしい。元からあったり、今でもある仕事も、存在するだろう。ただ、労働人口的に「消えた、増えた」となるわけだ。

その「消えた、増えた」を見ると、
やはり人の手が機械に置き換わっていった印象を受ける。
そして、その機械を操る仕事が生まれてきた。

激動の30年だった。
それは仕事の種類だけではなく、労働価値観にも同じ事が言える。


『24時間365日、死ぬまで働け』
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昭和、平成初期は、『24時間戦えますか』の精神だった。
でも、令和の今は、違ってきているだろう。

私が知る限り、最も強烈なメッセージは、これ。

『24時間365日死ぬまで働け』(ワタミ社・理念集)

今は撤廃されているが、
撤廃される理由も、現代を生きる若者なら100%理解できるだろう。

「そんな会社で、働きたくない。」

でも、当時はその会社で働きたい人が、ごまんといたのだ。

昔が良かった、今の方が良かった、という話ではない。
ポイントは、私たちの欲求の移ろいにある。


私たちが、欲しいもの
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ざっくりいうと、こんな風に変遷したのではないか?

・昭和〜平成初期:
 → 物欲が強い(モノ、カネ)
・平成後期〜令和:
 → 承認欲求が強い(存在意義)

ちなみに、所得金額階級別世帯数の相対度数分布(H30・厚生労働省)によれば、年間所得はこんな風に分布している。

100万円未満:6.2%
100〜200万円:13.7%
200〜300万円:13.7%
300〜400万円:13.6%
400〜500万円:10.1%
500〜600万円:8.5%
600〜700万円:7.6%
700〜800万円:5.9%
800〜900万円:4.5%
900〜1000万円:4.2%
1000〜1100万円:3.0%
1100〜1200万円:1.8%
1200〜1300万円:1.4%
1300〜1400万円:1.6%
1400〜1500万円:1.2%
1500〜1600万円:0.5%
1600〜1700万円:0.5%
1700〜1800万円:0.4%
1800〜1900万円:0.4%
1900〜2000万円:0.1%
2000万円以上:1.3%

つまり、こういう事。

・平均年収は551万円
・全体の62.4%が、平均以下の所得
・2人に1人が、年収400万円以下

そりゃあ、お金がないんだから、欲しいものも買えないわ。(物欲ないんじゃなくて、不可能)
・・・という、可否の論は当然ある。

ただ、若者の目標とする像が変わってきている。
これもまた、イメージしやすいのではないか。

・高級車が欲しい
・高級時計が欲しい
・一軒家が欲しい

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

・SNSでバズりたい
・不自由ない程度の生活がしたい
・車はシェア、分譲マンションで良い


・不特定多数の他者と
・気軽にいつでも繋がれる

この環境に身を置いた事で、
仕事と同じく、新しい欲求が生まれているように見える。
欲求は、働き方にも影響を与える。


これからの”幸せ”
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これまでの”大多数”は、「これ欲しい、あれ欲しい」がわかりやすかった。そのために長時間労働、ハードワークをこなしていた。
「私の人生には、仕事しかない」という人も多かった。

時が経ち、仕事以外にも時間の使い途、心の拠り所が増えた。
「こうなりたい」から「こう在りたい」という概念に、
幸せの定義が変わった(または増えた)ように思う。

幸せは、ゴールではなく、在り方だ

こんな風に思えると、たくさんのモノは買えずとも、素敵ではないか。


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