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発信者は「情報商材」のジレンマから抜け出せるのか

とある転職エージェントのひとりごとです。よければお付き合い下さい。

 会社員もしつつ個人で物書きや音声配信などしていて思うことです。タイトルの通り、発信者が「情報商材」のジレンマから抜け出せるのか‥と綴ります。特段、正解を伝えようとするものではありません。(そういうのも、押し付けがましくて鬱陶しいと思うたちです)

利益を出すために

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 まずコンテンツを作るときは、EAT(専門性・権威性・信頼性)が重要だと言われます。だから自分が得意なことや経験したことを発信することが望ましいとされますね。

 そして収益化を目論む上では「初心者をターゲットにしろ」「泣くほど悩んでる人をターゲットにしろ」と言われがちです。売りやすいからですね。

 会社員として働いているだけでは、上記の考えに触ることもありません。「会社から言われたことを粛々とこなして、社内で評価されればOK」ですね。
上記を考えている人たちの取り分が大きい構図であるだけで、会社員としての働き方が悪い訳ではありません。それっぽい安全保障がついているので、「会社員」は挑戦したい訳ではない方にとってのセーフティネットです。

 さておき、「国に期待できない」「将来の安全が保障されていない」と勘づいてしまった人がここ数年で副業に挑戦し始めていますね。写輪眼が2つ巴になるようなイメージで、これは危機的状況の中で進化を遂げているようなものだと思います。「頑張れば千鳥が打てるようになる」そう願いながら修行を積んでいる訳ですね。

Dランク任務ばかり受けていて、上忍になれるのか

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 なれないんですよね、たぶん。実入りの少ないビジネスや、自家発電型のチャリンコでスマホを充電していては身が持たない訳です。だから財務諸表では販管費や営業利益が確認できます。

 ではどうするかというと、NARUTOの世界では二択でしょう。

① Bランク以上の任務を受ける
② 戦争で名を上げる

 ①はつまり実入りの多い仕事。②は時流に乗った仕事です。一昔前ならYoutubeでしたね。今は音声配信が熱いなどと言われています。音声配信は広告の費用対効果が高い様子ですね。(視聴者にスキップされない、視聴者層のリサーチが容易、CVRが高い)

 これを令和の現実世界に持ってきて考えると、生々しい選択肢が増えます。

① 待遇の良い環境で働く(転職)
② 他者に働いてもらう(雇用)
③ 利益を上に吸わせない(個人事業)
④ カネに働いてもらう(投資)
⑤ 会社に働いてもらう(株主)


努力を積み上げるだけでは得られないもの

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 利益につながる行動を生産活動と呼びますね。フロービジネスにおいては、生産活動をやめる=自分の息の根を止めることと同義です。下り坂出なければ、自転車は漕ぐのをやめたら止まってしまいます。

 フロービジネスでも休憩は必要です。絶え間なく営業せざるを得ない業態もありますが、言わずもがな従業員は疲弊していますよね。1kmを泳ぐためには、確実に息継ぎが必要です。息継ぎなしで泳げと言われたら、それはつまり「溺れてください」と言われているのと同義ですね。この息継ぎが支出です。

・寝るために部屋が必要
・食うためにコンビニやスーパーや飲食店が必要
・外出するために服が必要
・ストレスを解消するために娯楽が必要

 全て「生きるための息継ぎ」です。必要経費ですね。

 難しいことに、生きるための息継ぎによって支出が増えます。収入をコツコツ増やしても同時に支出が多ければ、利益もなかなか増えません。しかし新しいビジネスに挑戦するためには、大きな元手が必要になることが多いです。元手というのは「資金・時間・経験・コネ」などを含む全ての資本ですね。フロービジネスを続けている限り、なかなか手に入らないものがある‥という悲しい現実です。

抜け出すための「情報商材」なのか

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 広告掲載費や紹介手数料も、9割方の発信者にとってはフロービジネスです。圧倒的な地位を確立すればストックビジネスになり得ますが、大概は「その年みられたら終わり」のコンテンツですね。

 だから個人事務所を構えるし、書籍や曲を出して印税を獲得するし、アパレルブランドを立ち上げて事業収入を得ようとする訳です。知名度の高い人間がここに手を出しますが、知名度の低い人間はどうするか。その答えの一つが「情報商材」でしょう。

 情報商材の定義は、この記事ではこんな感じです。

・EATを発揮できるコンテンツで
・もちろん有料級であり
・無料で出せるコンテンツを有料で出している

 自分の経験を、ダイレクト課金によって収入に変えている構図ですね。さて、ここまでご覧になって読者さんはどうお感じでしょうか。

 強かに利益率を上げにいくなら、広告枠や紹介手数料のみで戦わない方が得策です。顧客やプラットフォームの一存で自分の地位が危ぶまれないよう、できる限り他社に左右されないよう自分のコンテンツを持ってダイレクト課金してもらう方が良い訳です。しかもそれがサブスクモデルだとなお安心感が得られる訳ですね。

 ビジネス然として考えれば当たり前のことなんです。でも、それでいいのか?私たちが体験し、教訓にして、会得してきた何かは、情報商材として提供するための糧だったのだろうか?なんかそんなことを思うんですよね。

「これは売り物だ」という姿勢は正しいが

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 自分の商品サービスに値段をつけてみると、気合が入ります。「あ、もっといいものを作らなきゃ」とか「この値段に見合ったサービスであらねば」みたいなことを思う訳です。これはクリエイターや事業者にとっても、消費者にとっても素晴らしい循環です。

 コンテンツの値付けについてですが、①は自他に易しくてぬるい、②は批判覚悟で毅然としている印象です。

①「今日の自分のスキル(主観)」をベースに判断
②「目標とする自分の価値(思想)」をベースに判断

 消費者のためを思うなら②でありたい。どこまでも自分のための②でしかないのなら、いずれメッキが剥がれる。情報商材に対する印象はこんな感じです。

 矛盾するようですが、情報商材を買うときの判断材料が「コンテンツの質」のみだと潰れるのではないでしょうか。知名度が低かったとて、ブランディングされた個人が出す情報商材は「コンテンツの質+発信者への信用度」の総合判断で買われる代物になるように思います。

 クレジットカードは信用取引ですし、貨幣は不景気のたびに価値が落ちるから仮想通貨に注目が集まっています。カネの流れの不透明が解消できる上に中央集権型から脱却できるブロックチェーンに期待が集まっています。そんな現代で「現金でしか買えないような商品を売り続けるのはしんどい」。これが、私が見ている情報商材です。

 情報商材はあくまで方法の一つでありますが、消費者のリテラシーが高まっている現代です。「消費者を騙して売りつけよう」「売れたら人生アガリ、いざとなったらトンズラ」という魂胆が通用しなくなっていることだけは間違い無いかと思います。


 発信者の姿勢に、消費者は(発信者が自覚する以上に)めざといと思っておいた方が健全ですね。


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仁井貴志でした。ではまた〜!

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