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台中第二市場グルメ①・台中で一番美味しい魯肉飯【山河魯肉飯】

台湾在住中、私が台湾華語を学ぶために通っていたのが「國立臺中教育大學 National Taichung University of Education (NTCU) 華語文中心」です。台鉄台中駅からは約2.3km、移動手段としては、駅から大学の目の前まで行くバスを利用したり、台湾では定番のYouBikeというレンタサイクルを利用しても行くことはできたのですが、私は毎日30分かけて徒歩で登下校していました。というのも、学校と台中駅との往復の道中で見つける台中グルメにすっかり夢中になっていたから…!ちなみに、どんなに近距離でもバイクで移動するのが当たり前の台湾人からすると、30分も歩くなんて心底信じられないらしく、毎日学校まで歩いていると言うとよく驚かれました(逆に私からすると、よくそんなに近い距離でもわざわざバイクに乗るなあ、て思うことはしょっちゅう)。授業は月曜日から金曜日まで週5日、朝9時から12時までの3時間、私にとっては毎日の授業後のお昼ご飯が何よりもの楽しみでした。

そんな台湾のローカルフードが大好きな食いしん坊の私の、学校後に通っていた台鉄台中駅周辺のおすすめグルメを紹介していきたいと思います。如何せん毎日食べ歩いていたので、とんでもない量の食事写真が携帯に保存されているので、気長に紹介していきたいと思います。まずは、私が今まで食べてきた中で一番に美味しい!と声を大にして紹介したい魯肉飯のお店です。

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台中の市場と言って先ず挙げられるのが、台湾大道一段の区画にある第二市場です。台中第二市場は台鉄台中駅から台湾大道を真っすぐに歩いて約15分ほど、バスで行くなら「台中第二市場」のバス停のすぐ目の前にあります。台中駅からのバス路線はたくさんありますが、300番台のバスに乗ればまず間違いありません。(バス路線について詳しくはバスアプリ「台灣公車通」で調べることができます。)

食品や日用品などを扱う100以上のお店が集まる大規模な市場で、中には行列を作るほどの人気小吃店もあります。今回紹介するのはそんな人気店の1つ「山河魯肉飯」です。営業時間は5:30~15:00と、市場の中のお店らしく早朝から営業しています。ランチの時間帯になると、人気の迫力ある魯肉飯を買い求めるお客さんでいっぱいになります。お店の位置は第二市場の入り口すぐ、だいたい注文を待っている人の列ができているので、すぐに分かります。「山河魯肉飯」の大きな赤い看板も目印です。

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まずは席を取り、列に並んで順番を待ちます。この時に席が満席だとしても、テーブルの回転率が高いので待っていればすぐに空きます。また、テーブルでの相席も台湾文化の一つなので、空いている椅子を見つけたら他の人と一緒のテーブルで食べるのも台湾らしくてオススメです。私も一人で食べているとよく、おばあちゃんが急に向かい合わせで食べ始めたりして(相席は当たり前の文化なので、一緒に座っていい?と特に聞いてこないことも多い)、最初は何とも不思議な感覚でしたが、すぐに慣れました。今ではこの台湾文化、好きです。

またスタッフの動きが早く、注文から食事の受け取りまで早いので、並んでいてもわりとすぐに順番が回ってきます。10人程度の列なら並んで待つことをオススメします。ただし、お昼時だとよくあるのですが、一人いくつもの(10人分とか!)お弁当を注文をしているお客さんが途中でいると、それなりに待つこともあるので、急いでいる時はご注意ください。

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こちらが看板メニューの魯肉飯(55元 / 約165円)です。白米の上にドーンと大きなお肉が迫力あります。ここで、台湾料理をそれなりに知っている人からすると「これは魯肉飯でなく爌肉飯なのでは?」と疑問に思うかと思います。そうなのです、一般的に肉そぼろみたいな細かく刻んだ肉がのってるのが魯肉飯、角煮のような大きな肉がのってるのが爌肉飯、その疑問は合っています。なのですが、山河魯肉飯では間違いなくこれが魯肉飯なのです。

注文の時に脂身多め(=肥肉)、少なめ(=瘦肉)を伝えることもできます。台湾では爌肉飯を注文する時は、だいたいどこでも脂身の多さの好みを伝えることができます。私はこの時はまだこの注文の仕組みを知らず(台湾人から学ぶ、知らない注文方法のコツはまだまだたくさん…!)、特に何も伝えなかったので、恐らくこれは中位の脂身の多さのお肉です。是非、注文の時に脂身の好みを伝えてみてください。

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お肉はホロホロで柔らかく、脂身は濃厚なのに後味は不思議とさっぱりとしています。煮汁がしっかりと染みていて、甘すぎずしょっぱすぎず、日本人も食べやすいちょうどいい味付けです。なんと言っても、この脂身と白米の相性が抜群です。これだけの脂身を食べたら、口の中がギトギトになったり胃もたれするのでは?と思うかもしれませんが、全くそんなことはなく、びっくりするほどさっぱりと食べられます。ちなみに私は以前まで、お肉の脂身や皮の部分が大の苦手だったのですが、台湾に来てから嗜好がガラッと変わりました。上質で新鮮な脂身と皮は全く違う、とその美味しさに目覚めました。

周りの台湾人がどんな風に食べているのかを見ていると、目玉焼きを追加してご飯の上にのせている人が多かったです。半熟卵黄とお肉と白米が絶妙に絡み、口当たりが更にまろやかになるそうです。これ、絶対に美味しい食べ方ですよね。台湾人は何でも一番美味しい食べ方を知っているので、現地に行った時は、まずは周りの人の注文内容と食べ方を見習うことを強くオススメします。

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この日は小菜も注文しました。小菜を追加したい場合は、カウンターに並んでいる出来上がったお惣菜を指差しで注文することができます。一人分20元(約60円)で、数人でシェアする場合は大皿で注文することもできます。注文の流れとしては、メインのご飯、小菜、スープ、という順番でオーダーしていきます。

この日に注文したのは、左下から時計回りに、地瓜葉、瓜、キャベツの炒め物です。地瓜葉は日本では見慣れない葉野菜ですが、正体はサツマイモの葉です。台湾の代表的な葉野菜の炒め物で、食感と味はほうれん草に近いです。甘みの強い葉は栄養満点で、台湾の炒め物の中でも特に好きな葉野菜の一つです。ちなみに台湾の定食・お弁当屋さんは、炒め物は基本的に作り置きなので、油っこかったり水っぽかったりとハズレの時もあるのですが、回転の良いお昼の時間帯だからというのもあるかもしれませんが、ここのは出来立ての美味しさで、メインのご飯類に負けないぐらい小皿も美味しくてびっくりしました。是非、メインと合わせて小菜をいくつか追加することをオススメします。

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こちらも人気の豬腳飯 (75元=約225円) です。しょっちゅう「售完(売り切れ)」の表示を見かけたので、数量が少ないのか、日替わりの限定メニューなのか、とにかく見かけたらラッキーです。私もこの日は「今日はあった…!!」と迷わず注文しました。

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豬腳も代表的な台湾料理の一つで、食べるのはここが初めてでした。今までは「豬(豚)の脚か……」と名前と見た目への苦手意識があったのですが、これを食べてから偏見が一変に覆されました。お肉を食べるというよりは、骨の周りについているプルプルの皮を食べるという感じなのですが、この皮がまた不思議と美味しい!まろやかな脂身で、脂っこさも全くなく、食べ終わった後の口の中はさっぱり。関節部分にはコリコリの軟骨がついていて、骨の周りを余すことなく食べることができます。

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豬腳飯は、お肉とご飯が別皿で提供されます。白米に煮汁をかけてくれるので、ご飯だけでも箸が進みます。私は豬腳の残りの煮汁もご飯にかけて食べました。

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こちらは麻薏湯です。モロヘイヤのスープで、夏季限定で食べることができます。麻薏湯は昔から暑気冷ましの効果があるとされていて、夏になると登場する台中の夏の風物詩の一つです。上にはしらす干しのトッピング、中にはサツマイモが一欠片入っているのが定番です。昔は農家でよく食べていたスープだそうで、サツマイモが一欠片入っているのは、ほんの少し腹持ちがよくなるようにという意味だそうです。つるんとした口当たりの粘り気のあるスープで、いかにも夏バテ効果がありそうなさっぱりとしたスープです。モロヘイヤの下ごしらえが大変なので、今は提供しているお店は少ないそうで、夏の時期に見かけたら是非食べてみてください。

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こちらは肉燥飯(35元 / 約105円)です。この日はサクッと軽めに食べたかったので、肉燥飯だけ注文したのですが、日本で言う牛丼屋感覚で食べられるのが嬉しい!肉燥の味付けはしっかり濃い目、下の白米が完全に隠れるほどたっぷりとのせてくれます。肉燥のお肉はだいたい挽き肉が使われていることが多いのですが、ここのは脂身が程よく混ぜ込んであって、お肉がふわふわトロトロです。煮汁もたっぷり汁だく、お椀の下まで煮汁が染みてて、あっという間の完食です。

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ご馳走様でした!早朝から営業しているので、台中を観光する日の朝ごはんとして食べに行くのもおすすめです。お昼時のピークタイムに比べて、朝はかなり空いているので並ぶ必要もありません。朝からしっかり食べる文化の台湾では、仕事前にガッツリ定食を食べている人も多く見かけます。

台湾で本場の魯肉飯が食べたい!という人にはまず行ってもらいたい一押しのお店です。今までの魯肉飯の常識が覆されること、間違いなしです。

山河魯肉飯

ジャンル:台湾料理
エリア:台中市中區三民路
住所:台中市中區三民路二段87號(第二市場内)
電話:(+886) 422206995
営業時間:5:30~15:00
定休日:なし
交通:台鉄台中駅から徒歩約15分、バス停「台中第二市場」のすぐ目の前


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