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「繋がる世界の話し。」/ショートストーリー

まなみは大使館の執務室でひとり考え込んでいた。
チューハイを缶のまま飲みながら。

公の場では、ワインとシャンパンを意識的に飲んでいる。
TPOは外交官には重要と心掛けている。
アルコールならなんでもいける口で酒豪と言ってよいレベルの量を飲むが来日してからこの缶チューハイが気に入って飲んでいる。

執務室がノックされた。
まなみの髪の色が黒から金髪に変化していく。

「どうぞ。」

「大使。明後日からから色々とレセプションが予定されています。すべて出席でよろしいでしょうか。」

「申し訳ないけど、予定は変更する。この書類通りに対応してくれれば、特に問題はないはず。メディアは煩いところもあるとは思うけど。まあ、理由は体調不良にしておいて。あとは私が上手く処理するから。」

「承知いたしました。」

まったく。とまなみは思った。
大使でなくて普通の民間人として日本に来たかったのに。
アメリカ大使とはね。

民間人としては大統領から許可されなかった。
権限と身の安全の代償がこの不自由な身分だ。
だけど。
身の安全は誰よりも私が一番自分を守れるのにとおかしくなって笑った。
大統領は私を知らなさすぎる。それで駐日大使とはね。
私をどうしたいのだろう。
利用したいのか。
それとも。
抹殺したいとか。
まなみは大統領を思い出して、また子供のような笑顔になる。

引き出しから最先端技術の塊のような特殊な携帯を出した。
絶対に誰にも傍受されないというのはひとつの機能にすぎない。
この携帯はまなみ個人のもので、入手先とか不明なのだがCIAとFBIは嫌がると同時に欲しがったと言う代物だ。
着任するにあたって、アメリカ大使館のセキュリティはすべてまなみ自身が精査した。
それだけじゃない。
大使館の職員はまなみの希望が通ってほぼ入れ替わっている。

「もしもし。私。まなみよ。」

「これは。大使。こちらからご連絡するところでしたのに。申し訳ありません。」

「あら。本当かしら。雨宮あまみやさん。」
まなみは無邪気に笑った。
本当に雨宮あまみやの声はうっとりする。
雨宮あまみやは私を無防備にする唯一の声の持ち主。


まなみがもう少し書いて欲しいらしくて。(;^_^Aただちゃんと話がつながっていくのか私も不明。ごめんなさい。

雨宮あまみやさんの話しは下からも。



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