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「2月14日 前編。」/ショートストーリー

高校生のとき。

すごく頑張って。

チョコレートを手作りしたことがある。

もちろん。

2月14日のバレンタインのために。

バリエーションはもちろん。

最終的にこれだと思ったチョコの試作も数えきれないほど。

だがしかし。

結果は見事に玉砕した。

自分が好きだからと言って相手も好きになるわけではない。

相手に自分のことを好きにさせることなんて出来ない話し。

だから。

どんな結果でも受け入れなきゃならない。

だけど。

相手の言った言葉が呪いになった。

「手作りなんて重い。それにキモイ。」

そう言われてチョコも突き返されて。

それ以来。

2月14日は呪われた日になってしまった。

それでも、大人になって。

恋人とよんで良いひとができて。

今年はふたりで迎える初めてのバレンタインデー。

今年はまたチョコを手作りしてもいいかもしれない。

今回は恋人の好みはわかっているけれど。

また。

たくさん試作を始めると。

なかなか、思うようなチョコに仕上がらない。

もう時間がないというのに。

材料が足りなくて、お店に買いにいったら。

なんと。

恋人が別のひととお店でとても良い雰囲気。

誰がどうみたってお似合いのカップル。

私は動揺して買い物もせずに帰宅した。

やはり。

2月14日は呪われた日なのか。


前編終わり。明日に続く。諸事情により今日はここまで(笑)

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