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孤独力

もう10年前もになるが、
21歳の頃、大学を休学して、

1年間海外バックパッカー旅をして放浪していた。

10年も経つとさすがに、
その頃の考えと今とは変化していることもあるが、

とにかくその旅の中で、
幾度も感じたことがある。


「孤独」である。

知らない土地で、
知らない人達にまみれるということは、

誰も自分の事を知らないという事だ。

僕のことは誰も知らないし、
まるで透明人間になったかのような気分になる。


その感覚が苦しいと思う事もなくは無かったが、

それ以上に言える事は、

それだけ1人の時間が山ほどある中で、

これでもかというくらい、自分と会話した。

もう一生分くらい
自分との会話の時間を費やしたんじゃないかと
思ったが、

それでもまだ足りないと思った。



僕はこのような事が今の時代、
特に大事だと思っている。


人に振り回され、
情報に振り回され、
社会に振り回され、

とにかく今は本当の意味で
1人の時間を作る事は難しい。


四六時中誰かと繋がっていたり、
情報にアクセスしている状況である。



"人は1人では生きれない"ことは事実だが、

だからといってそこにもたれかかるような生き方もどうかと思う。


むしろ"人は1人では生きれない"を
強烈に実感するには、
孤独の時間を経験する事が必要では無いだろうか。


いつも僕たちには

純粋な自分、
天使な自分、
悪魔の自分、

様々な自分が声をかけてくる。


しかしその声すらも、
人や情報や社会や何やらと
外的な要因によって、

自分そのものの声として
囁きかける事ができているのだろうか。



「自分と向き合う」と言うと
陳腐な表現になってしまうが、


人間は1人で生まれて1人で死ぬ。


しかし逆説的だが、

1人である事を実感した時
本当の意味で1人ではない事を知る。


今の時代に本当に必要なのは、孤独力かもしれない。

私は孤独をこよなく愛する。
天啓はこの瞬間に私の心に囁きかける。

西山猛郎

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