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悪に立ち向かうには、生きること。Stayin’ Alive!

「どうして人を殺したらいけないんですか」
中学生から聞かれたら、どう答えればいいのだろう。

ルワンダの虐殺から人がいかに、先導されやすいのか、同調する生き物だと学びそれをいじめや、物騒なことでおもしろいからと実験しているサイコパスな中学生にだ。

それに答えるのは殺し屋だ。

マリアビートル     伊坂幸太郎

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯す――。
小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!

角川文庫

びっくりした。わたし、「王子」を知っている。身近にも、遠くにも、中にも外にも。おおきいものの、ちいさいものも。

コロナ渦の閉塞感や、戦争や、不可解な恐ろしいこと。「王子」なる人たちが仕掛けたものではないか。

世の中にはさ、正しいとされていること、は存在しているけど、それが本当に正しいかどうかは分からない。だから『これが正しいことだよ』と思わせる人が一番強いんだ。大事なのは『信じさせる側』に自分が回ることなんだ。

王子

巧みに論点をすり替えて自分の都合のよいように解釈し、都合の悪いことには答えない。人の弱点、あら捜しをし、どこを攻めれば一番いいか計算する。

「王子」は悪の象徴で、悪の形をしていない。その形を成しているのは、殺し屋でわかりやすい。どこに悪があるのか気をつけないと。もちろん、わたしの中にもある。

「木村」の両親が格好良い。引退した還暦過ぎの元殺し屋が息子と孫の為に新幹線に乗り込んでくる。

昔から存在しているものは、それだけで優秀だ、ってことらしいですよ。ストーンズにしろ、木村さんにしろ、ね。生き延びているんですから、勝者です。

仲介業者の繁

六十年、死なずにこうやって生きてきたことはな、すげえことなんだよ。分かるか?おまえはたかだか十四年か、十五年だろうが。あと五十年生きていられる自信あるか?おまえができないことを教えてやろうか?この後五十年生きることだ。

木村茂

『ブレッド・トレイン』ブラッド・ピット主演で明日から公開されますね。この予告編 Bee GeasのStayin’ Alive かと思ったら歌っている方は別の方のよう。『サタデーナイトフィーバー』のときは、ノリノリ、フィーバー、イケイケみたいな感じのStayin’ Aliveだけど、やっぱり「生きている!」があってる!!

悪に立ち向かうには、生きること。死なないことが勝つこと。

他の曲も麻倉未稀さんだとか、スキヤキだとか、楽しめそうです。