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『街とその不確かな壁』のブルベリーマフィン

墓参りの帰りに『私』は名前のないただのコーヒーショップのカウンターのいちばん奥の席に座り、熱いコーヒーと、ショーケースに入っていたブルベリー・マフィンを注文しました。

村上春樹さんの『街とその不確かな壁』のブルベリー・マフィンが美味しそうで食べたくなりつくってみました。

こちらを参考にしました。

小麦粉150g・ペーキングパウダー3g・砂糖80g・卵60g・牛乳60g・バター60g・ブルベリー120g
室温に戻したバターに砂糖を加えミキサーで混ぜ合わせます。
卵を3回に分けて混ぜ合わせます。
小麦粉の1/3を加えて混ぜます。
牛乳の1/3を加えて混ぜます。これを3回、小麦粉、牛乳を交互に加えてその度混ぜ合わせます。
ブルベリーを加えて混ぜ合わせます。
レシピは冷凍ブルベリーでしたが、今はちょうどブルベリーの季節!フレッシュなものが手に入りました。
型に入れて170℃のオーブンで23分焼きます。
できあがり!
ブルベリーがいっぱい!

天井近くにセットされた小型のスピーカーからはデイヴ・ブルーベック・カルトレットの演奏する、コール・ポーターの古いスタンダード曲が小さな音で流れていた。

そのときは思い出せなかったけど、その夜思い出します。

そうするうちに出し抜けに まるで足元の茂みから鳥が飛び立つみたいに唐突に その題名を思い出した。
Just One of Thiings (よくあることだけど)

It was just one of those things
Just one of those crazy flings
One of those bells that now and then rings
Just one of those things

いくつかの恋バナをいっているような歌詞だけど
よくあること。

自分に言い聞かせてやりすごしていかなければならないこともありますね。ポップな感じの曲なんですが。

出されたコーヒーは濃くって、ほどよく苦く熱く、ブルベリー・マフィンは柔らかく新鮮だった。コーヒーはシンプルな白いマグカップに入っていた。

『私』はブルベリー・マフィンとギンガム・チェックのエプロンの女性を気に入りしばしば訪れ、テイクアウトにして勤務先の図書館の2階の館長室でイエローサブマリンの少年と一緒にブルベリー・マフィンをいただいてます。

駅前のコーヒーショップで買ってきたマフィンも紙袋から出され、美しい絵柄のついた皿の上に銀のフォークを添えて供されると、由緒正しい立派な菓子のように見えた。

本を読んで、切なくなったり泣いたり笑ったり心が動いて。どこか別の世界に連れていってくれて。音楽が聴きたくなったり、食べたくなったり。

お菓子をつくるとき、レシピより砂糖を少なめにしてしまうのだけど、お菓子は甘くっていいといつもあとから思います。

ブルーベリーの酸味があるので、もっと甘くってよかったかな。
酸味と甘み。大切ですね。酸いも甘いもってヤツ。人生が豊かな証拠。

ごちそうさまでした。

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