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毎日、読書しながら、会社を経営しています。経営は今一つ、と言うよりも絶望的だが、その分…

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毎日、読書しながら、会社を経営しています。経営は今一つ、と言うよりも絶望的だが、その分読書の方は絶好調! 今までで最も感銘を受けた書物は、吉川英治著「三国志」と司馬遼太郎著「世に棲む日々」 貯金を切り崩しながら、本を読む日々は全く不安はなく、ただただ最高!

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【感想】★★★「クジラアタマの王様」伊坂幸太郎

評価 ★★★ 内容紹介 ■記憶の片隅に残る、しかし、覚えていない「夢」。自分は何かと戦っている? ――製菓会社の広報部署で働く岸は、商品への異物混入問い合わせを先輩から引き継いだことを皮切りに様々なトラブルに見舞われる。悪意、非難、罵倒。感情をぶつけられ、疲れ果てる岸だったが、とある議員の登場で状況が変わる。そして、そこには思いもよらぬ「繋がり」があり……。伊坂マジック、鮮やかなる新境地。(解説・川原礫) 感想 ◾️夢の中で大きな怪物と戦い、その勝敗によって現実世界の

    • 【感想】★★★「奇跡のバックホーム」横田慎太郎

      評価 ★★★ 内容紹介 ■「横田、センターに入れ! 」 1096日ぶりの出場となった引退試合で見せた プロ野球人生最後のプレーは、いまだ語り継がれている――。 ドラフト2位で阪神タイガースに入団。 将来を嘱望されたが、プロ4年目に脳腫瘍に侵され、 18時間に及ぶ手術の後には過酷な闘病が待っていた。 絶望と苦しみの日々の先に見えたものとは? 感動の自伝ノンフィクション。 感想 非常に読みやすく、読書家の人なら一気読み出来てしまうでしょう。 2023年に28歳の若さで亡

      • 【感想】★★★「そして誰もいなくなった」アガサ・クリスティー(青木久恵 訳)

        評価 ★★★ 内容紹介 ■その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく! 強烈なサスペンスに彩られた最高傑作! 新訳決定版! 感想 それぞれ様々な名目で兵隊島という世間を賑わせている噂のリゾートに呼び寄せられた10人。物語の前半には10人全員が何らか別々の殺人事件に関わっている事

        • 【感想】★★「心は孤独な狩人」カーソン・マッカラーズ(村上春樹 訳)

          評価 ★★ 内容紹介 ■1930年代末、恐慌の嵐が吹き荒れるアメリカ。南部の町のカフェに聾唖の男シンガーが現れた。店に集う人々の痛切な告白を男は静かに聞き続ける。貧しい家庭の少女ミック。少女に思いを寄せる店主。流れ者の労働者。同胞の地位向上に燃える黒人医師ーー。だがシンガーの身に悲劇が起きると、報われない思いを抱えた人々はまた孤独へと帰っていくのだった。著者23歳の鮮烈なデビュー作を新訳。 感想 物語は3部構成になっている。 第一部は、ある日、二人の聾啞者アントナプー

        【感想】★★★「クジラアタマの王様」伊坂幸太郎

          【感想】★★「模倣の殺意」中町信

          評価 ★★ 内容紹介 ■七月七日の午後七時、新進作家・坂井正夫が青酸カリによる服毒死を遂げた。遺書はなかったが、世を儚んでの自殺として処理された。坂井に編集雑務を頼んでいた医学書系の出版社に勤める中田秋子は、彼の部屋で偶然行きあわせた遠賀野律子の存在が気になり、独自で調査を始める。一方、ルポライターの津久見伸助は、同人誌仲間だった坂井の死を記事にするよう雑誌社から依頼され、調べを進める内に、坂井がようやくの思いで発表にこぎつけた受賞後第一作が、さる有名作家の短編の盗作であ

          【感想】★★「模倣の殺意」中町信

          【感想】★★「推し、燃ゆ」宇佐見りん

          評価 ★★ 内容紹介 ■推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」。高校生のあかりは、アイドル上野真幸を解釈することに心血を注ぎ、学校も家族もバイトも上手くいかない毎日をなんとか生きている。そんなある日、推しが炎上しーー。 第164回芥川賞受賞のベストセラー。時代を映す永遠の青春文学。 感想 推しのアイドルがファンを殴ったというニュースから始まる。主人公·あかりはSNSで推しの投稿をしては、自分自身の存在意義を見せているような仄暗いキャラクター。 淡々と主人公の生活を描いて

          【感想】★★「推し、燃ゆ」宇佐見りん

          【感想】★★「レプリカたちの夜」一條次郎

          評価 ★★ 内容紹介 ■動物レプリカ工場に勤める往本がシロクマを目撃したのは、夜中の十二時すぎだった。絶滅したはずの本物か、産業スパイか。「シロクマを殺せ」と工場長に命じられた往本は、混沌と不条理の世界に迷い込む。卓越したユーモアと圧倒的筆力で描き出すデヴィッド・リンチ的世界観。選考会を騒然とさせた新潮ミステリー大賞受賞作。 「わかりませんよ。なにがあってもおかしくない世の中ですから」。 感想 冒頭から不思議な世界観を醸し出す。主人公・往本の記憶と登場人物の記憶がずれ

          【感想】★★「レプリカたちの夜」一條次郎

          【感想】★★★「盤上の向日葵(下)」柚月裕子

          評価 ★★★ 内容紹介 ■昭和五十五年、春。棋士への夢を断った上条佳介だったが、駒打つ音に誘われて将棋道場に足を踏み入れる。そこで出会ったのは、自身の運命を大きく狂わせる伝説の真剣師・東明重慶だったーー。死体遺棄事件の捜査線上に浮かび上がる、佳介と東明の壮絶すぎる歩み。誰が、誰を、なぜ殺したのか。物語は衝撃の結末を迎える! 感想 東大に入学した佳介はふと立ち寄った将棋クラブで、東明と邂逅する。そこから佳介と東明の関係が始まる。ある日、佳介の家に泊まりに来ていた東明は、

          【感想】★★★「盤上の向日葵(下)」柚月裕子

          【感想】★★★「盤上の向日葵(上)」柚月裕子

          評価 ★★★ 内容紹介 ■平成六年、夏。埼玉県の山中で身元不明の白骨死体が発見された。遺留品は、名匠の将棋駒。叩き上げの刑事・石破と、かつてプロ棋士を志した新米刑事の佐野は、駒の足取りを迫って日本各地に飛ぶ。折しも将棋界では、実業界から転身した異端の天才棋士・上条佳介が、世紀の一戦に挑もうとしていた。重厚な人間ドラマを描いた傑作ミステリー。 感想 物語は奨励会を経ずに特例で認められた東大卒の天才棋士・上条佳介のタイトル挑戦の舞台となる山形県・天童市が始まる。 埼玉県の

          【感想】★★★「盤上の向日葵(上)」柚月裕子

          【感想】★「総理にされた男」中山七里

          評価 ★ 内容紹介 ■「しばらく総理の替え玉をやってくれ」ーー総理そっくりの容姿に目をつけられ、俺は官房長官に引っさらわれた。意識不明の総理の代理だというが、政治知識なんて俺はかけらも持っていない。突如総理にされた売れない役者・加納へ次々に課される、野党や官僚との対決に、海外で起こる史上最悪事件⁉ 怒涛の展開で政治経済外交に至る日本の論点が一挙にわかる、痛快エンタメ小説! 感想 内容はとても単純で設定も使い古されているので、面白みには欠ける。[総理に瓜二つの売れない役

          【感想】★「総理にされた男」中山七里

          【感想】★★★「傲慢と善良」辻村深月

          評価 ★★★ 内容紹介 ■婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合う事になるーー。彼女は、なぜ姿を消したのか。浮かび上がる現代社会の生きづらさの根源。圧倒的な支持を集めた恋愛ミステリの傑作。 感想 婚活中や既婚者には結構刺さる作品。 婚活アプリで知り合った二人の物語。 物語は、真実が怯え震えながら、婚約前の恋人である架に助けを請う所から始まる。 その後、婚約者・真実が突然失踪してしまい、警察にも相談する架。が、以前にス

          【感想】★★★「傲慢と善良」辻村深月

          【感想】★★★★★「流浪の月」凪良ゆう

          評価 ★★★★★ 内容紹介 ■家族ではない、恋人でもない。だけど文だけが、わたしに居場所をくれた。彼と過ごす時間が、この世界で生き続けるためのよりどころになった。それが、わたしたちの運命にどのような変化をもたらすかも知らないままに。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい。 新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。 2020年本屋大賞受賞作。 感想 文章力があるだけで、こんなにも読み易いものかと思わせてくれた作品。 前半の

          【感想】★★★★★「流浪の月」凪良ゆう

          【感想】★★★「一九八四年」ジョージ・オーウェル(高橋和久 訳)

          評価 ★★★ 内容紹介 ■ 〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。彼は以前より、完璧な屈従を強いる体制に不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるのだが‥‥‥。二十世紀世界文学の最高傑作! 感想 一党独裁の体制の中、人々の考えを支配する為に不都合な過去や真実は改竄し、少しでも不穏

          【感想】★★★「一九八四年」ジョージ・オーウェル(高橋和久 訳)

          【感想】★★★「ずっとお城で暮らしている」シャーリイ・ジャクソン(市田泉 訳)

          評価 ★★★ 内容紹介 ■あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。ほかの家族が殺されたこの屋敷で、姉の子ニート暮らしている‥‥‥。悪意に満ちた外界に背を向け、空想が彩る閉じた世界で過ごす幸せな日々。しかし従兄チャールズの来訪が美しく病んだ世界に大きな変化をもたらそうとしていた。"魔女”と呼ばれた女流作家が、超自然的要素を排し、少女の視線から人間心理に潜む邪悪を描いた傑作。 感想 洋書特有の演劇にも似た語り口が不気味さを際立たせている。 美しいお屋敷に住むブラックウ

          【感想】★★★「ずっとお城で暮らしている」シャーリイ・ジャクソン(市田泉 訳)

          【感想】★★★★「スマホ悩」アンデシュ・ハンセン

          評価 ★★★★ 内容紹介 ■スティーブ・ジョブズはわが子になぜiPadを触らせなかったのか? ・SNSには脳の報酬中枢を煽る仕組みがある ・IT企業トップは子供にスマホを与えない ・「こころの病」が増えたその理由 ・スマホとの接触時間が利益になる企業 ・SNSが女子に自信を失わせている ・幼児にタブレット学習は向かない ・マルチタスクができる人間はごく僅か ・私たちのIQは下がってきている ・集中力を取り戻す具体的な手段 感想 まず最初に、この本はとても為に本だった。

          【感想】★★★★「スマホ悩」アンデシュ・ハンセン

          【感想】★★★「熱源」川越宗一

          評価 ★★★ 内容紹介 ■ 第162回直木賞受賞作品 明治期に樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。リトアニアに生まれたブロニスワフ·ピウスツキ。日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになっあポーランド人。文明を押し付けられ、同化政策によりアイデンティティをも揺るがされた二人の《熱》と《軌跡》を描く、冒険歴史小説。 感想 第1章は、アイヌ人であるヤヨマネクフが半ば強制的に仲間らと北海道へ渡り、キサラスイと出会い、子も産まれ、キサラスイを病で失い

          【感想】★★★「熱源」川越宗一