見出し画像

【感想】★★★★「スマホ悩」アンデシュ・ハンセン

評価 ★★★★

内容紹介

■スティーブ・ジョブズはわが子になぜiPadを触らせなかったのか?
・SNSには脳の報酬中枢を煽る仕組みがある
・IT企業トップは子供にスマホを与えない
・「こころの病」が増えたその理由
・スマホとの接触時間が利益になる企業
・SNSが女子に自信を失わせている
・幼児にタブレット学習は向かない
・マルチタスクができる人間はごく僅か
・私たちのIQは下がってきている
・集中力を取り戻す具体的な手段

感想

まず最初に、この本はとても為に本だった。
環境に適応し、進化するのに1万年~10万年かかる。つまり、われわれ人間の脳は数千年前とあまり変わっていないというのが、この本のベースとなっている。

動物が生存するために必要な食事などの行動をする直前にドーパミンがでるが、実はスマホもドーパミンが出てくる。これはパチンコも一緒だが、「いつ連絡来るか」「ラインは見てくれたか」「いいねはついたか」などドーパミンを刺激する大脳を刺激するように巧妙にSNSは作られている。
行動に対する報酬のようなドーパミンは通常は、1日に数回しか分泌される機会はないはずなのに、スマホによって10分おきにドーパミンが出てくる事になる。これにより、スマホ依存となっていく。
これだけ魅力的なスマホは、ポケットやテーブルの上に置いておくだけで、人間の意識に作用し、集中力を下げ、食事を不味くし、友達との会話もつまらないと思わせ、勉強や読書の効率を下げている。実際にこれらは実験結果により証明されているようだ。

その他にも、食べ物が豊富にあるわけでもなく、猛獣や他の人間に殺されるリスクを常に持っていた人間は、死なない為に常に周りを気にし、甘い果実があればお腹いっぱい食べる人間が生き残る可能性が高かった。すなわち集中力がなく注意散漫な人間や甘い食べ物に目がない人間が生き残りやすいという事で、これは人間の脳が生き残るためにそうさせているとも言える可能性があるという事や、脳の成長は後ろから始まり理性を司る前頭葉は最後に発達するのでティーンエイジャーは暴走しやすいなども面白いロジックなどもあり、読み応えはあった。
小説ではないので、次の展開が気になるなどのワクワク感はないが、文章も口語っぽくライトで読み易く、「これから毎日ランニングしよ」と思わせてくれる。
なぜランニングなのかは、読んでみて確認してくらさい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?