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【感想】★★「推し、燃ゆ」宇佐見りん

評価 ★★

内容紹介

■推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」。高校生のあかりは、アイドル上野真幸を解釈することに心血を注ぎ、学校も家族もバイトも上手くいかない毎日をなんとか生きている。そんなある日、推しが炎上しーー。
第164回芥川賞受賞のベストセラー。時代を映す永遠の青春文学。

感想

推しのアイドルがファンを殴ったというニュースから始まる。主人公·あかりはSNSで推しの投稿をしては、自分自身の存在意義を見せているような仄暗いキャラクター。
淡々と主人公の生活を描いているのだか、あかりの人物像にはあまり魅力はなく、文学らしい叙情的な情景描写を羅列した内容。
「なぜ推しは殴ったのか?」という疑問には全く応えず、あかりが推しが住んでいるであろうと思われるマンションへ行くのだが、ただ行って帰ってくるだけの、まるで普通の日記のような流れ。
推しのニュースや推し活からの社会からの隔絶していく様や主人公の精神の変遷などを描いて、人間の本質を多少でも炙り出すような作品を期待していたが……。
文章が何よりも美しいというわけでもなく、芥川賞とは?と思わせる作品。

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