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勇人#10「ハリウッド就職事情②」

みなさん、こんにちは。お馴染みのロサンゼルス在住勇人です!

さて、前回、ハリウッド就職活動のおいて、もう後がない断崖絶壁のピンチの中、MBA同期からミラクルの電話がかかってきたまでのお話をしました。

って事で今回はその続き。

ある日、MBA同期の中でも特に仲の良かったアレクサンダーから電話があった。彼は一ヶ月ぐらい前に20世紀フォックスで働き始めたばかりで、そこの部門で「日本語と英語ができて、ファイナンスができて、映画業界に興味がある人」を探しているというのです。「興味ある?」と聞かれ、もちろん興味あると返答。ない訳ないじゃないですか。

で、これまた鼻息荒くして見慣れたFOXの敷地に向かうのですが、今回は撮影所の敷地内ではなく、あの「ダイ・ハード」シリーズの第一回目に登場した「ナカトミプラザ」の元となった高層ビル「FOXプラザ」内での面接となりました。

さて、ここからハリウッドの因果応報というか、つながりというか、不思議な流れの連続になるのですが、面接相手のウィルは、なんと、以前にも一度お会いした方だったのです。

実は夏のインターン先を探している時に、パラマウントとも面接をしており、その時に面接をしてくれたのがウィルだったのです!当時ウィルはパラマウントにいて、その後、FOXに転職したのでした。

エンタメ業界に限らずアメリカの労働市場はかなり流動的なので、鳥飛ぶ跡を濁さずとはよく言ったもので、特にアメリカに当てはまる諺だなと思いました。自分のボスとはまたいつか違う会社で同僚になる可能性があるし、過去の部下が転職先の上司になっている可能性もあるし、転職した元同期がクライアント会社の担当者になっている可能性だってあります。そうやってぐるぐるまわるので、周りと円満な形で退職する事が全員にとって良い事なので、辞める人に対してあまりトラブルを起こしたりすることはありません。そういったところは良い意味でドライというか、さっぱりしています。

上司も常に転職活動をしている可能性が高いので、大体応援してくれます。辞めますと言ったら「グッドラック!推薦状が必要だったらいつでも言って」みたいな感じでフランクに対応してくれる方が多いです。これだけ辞めやすい環境なので、みんなコロコロ転職するのかもしれません。笑

まぁ、それか、良い会社であればあるほど上が詰まっている可能性があるので(誰も辞めないから)、そうなると自社内での昇進のチャンスが限られてきて、昇進のために転職をする人も多いです。上司もそれを分かっているので転職を応援してくれます。レイオフ(一時解雇)の際も大体推薦状を書いてくれます。もちろん、トラブルを起こしてクビになったり、辞めたりした場合は書いてくれませんが。

さて、話を戻すと夏、パラマウントでインターンの面接をしてた頃、20世紀フォックスでのインターンがすでに決まっていたのですが、フォックスは週4日のインターンだったので、残り1日はパラマウントでできないかと欲を出し、面接に挑んだのですが、競合のスタジオで同時期にインターンする事はConflict of Interest(利益相反)になるので「Maybe not a good idea (良いアイディアではないかもね)」という事になり、今回はやめようという話になりました。まぁ、そりゃそうだ笑

でも当時の面接の印象が良かったらしく、フォックスの面接で再会した際も「I remember you! (覚えているよ!)」と言ってくれました。私も、パラマウントでの面接時も話が弾んでいたのを覚えています。ちなみにこのパラマウントの面接はACTコーチのグレゴアールが設定してくれたのです。またしてもグレゴアール、ありがとう!!

関係ないですが、ウィルはゲイでとてもFlamboyant(煌びやか)な感じの物言いと仕草で、誰がどう見てもゲイなのですが、一度も本人の口から自分はゲイだという言葉が出た事がないので、みんな怖くて敢えて触れないとか。うん、本当に関係ない。

さて、先ほどの転職カルチャーの話にもつながりますが、夏のインターンの面接の時、ウィルはパラマウントのマネージャーでしたが、FOXではディレクターになっていたので、ここでも転職時に昇進したことになります。

で、結局のところ、ウィルとの面接がうまく行き、そのあとの彼の上司の女性Vice Presidentとの面接もうまく行き、無事FOXでの仕事をゲット、次月の家賃をギリギリ払える状況となりました。笑

しかし、このポジションは正社員としてではなく、コンサルタントとしての契約で、期間は六ヶ月という期限付き。

なので、ちょうどギリギリのタイミングで金銭的には呼吸がようやくできる状況となったのですが、まだまだビザや就職という課題は残っています。本当にうまくできているなと思います、人生。危機を乗り越えて一息ついたと思ったら、次の危機を乗り越えなければいけないという。。。

ただ、これもアメリカのエンタメらしいのですが、私の状況をウィルもよく理解していたので、FOXにいる六ヶ月間の間、FOX内での就職活動をしても良いよと言ってくれました。外からFOXの就職活動をするのと、内部からするのとでは全然違います。コンサルタントでもFOXのメルアドをもらえるので、それでFOXの社員に連絡をすれば大体取り合ってくれます。

まず、コンサルタントとしてFOX内部に入り込めたので、ここから本領発揮!正社員のポジションをゲットし、ビザをスポンサーしてもらうべく、走り回ります。何がなんでもアメリカに残ったるぞぉ!!!

って事でその暗躍ぶりは、また次回!

おまけ

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こちらロサンゼルスの伝説の女性フリーペーパー「Jpy」創業期の写真。創業者のカナさん(左)にはこの頃から大変お世話になっており、モデルの撮影会とか楽しいイベントに呼んでもらってました。私はもちろん、雑用係w

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