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一つの本があらゆる本へと導く 斎藤真理子「本の栞にぶら下がる」

韓国文学の翻訳者として知られる、斎藤真理子さんの読書エッセイ「本の栞にぶら下がる」読んでみました!


正直に言うと、紹介された本の中で、知っているものは一つもありませんでした!笑

それでもなぜか、面白くて読めてしまう…気になる作者、本がたくさん見つかったので、また読書熱が高まりそうです。

冒頭にこんな文章がありました。

記憶の中の書棚の上段にいろんな本が入り乱れ、雑多に積み上がっていて、一本の栞を引っ張ると他の本もつられて動く。一冊の本に他の本の記憶がぞろぞろとぶら下がり、連なり、揺れている。そんな眺めについて書こうと思う。

斎藤真理子「本の栞にぶら下がる」(岩波書店、2023年)p.1

まさに、この本の栞を引っ張れば、いろんな本につながっていきそうな。
そんなエッセイでした!

紹介されていた本は、韓国文学をはじめ、日本の少し古い?戦後くらいでしょうか。そんな時代の文学がたくさん紹介されていました。

斎藤さんの見識の広さ・関心の広さに圧倒されつつも、一つ一つの本を愛情たっぷりに。それでいて、軽やかに表していたので、非常に読みやすかったです。

個人的に、気になったのは、永山則夫、田辺聖子、森村桂です。
田辺聖子さんは、OL小説を書かれている方だそうで。OLに特化している作家さんなんて新鮮すぎて、気になりました。
田辺さんの、やさしさでもない「やさしみ」。私も感じてみたいです……。

また、新しい本の扉が開きそうな一冊でした!!


ここまで、お読みいただきありがとうございました!

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