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看護師が子育てをしながら働くために

「いかないで~」と追いかける子供を払うようにして、夜勤に出る。
仕事だからと割り切って義母に預ける。
病院までの車の中、(なんのために、仕事をしているんだろう)と、思って泣きながら運転した。

職場に着いたら、母の顔から看護師へ切り替える。

30年前、子供が1歳になったら職場に復帰が当たり前の時代。
正職員の看護師は、夜勤をするのが条件であり、夜勤ができなければ、正職員を退職し、パートになるしかなかった。

時代とともに、看護師の雇用条件も変わり、子供が小学1年生になるまでは、育児時間を利用し、勤務時間を短縮したり、夜勤も免除されたりしている。


小1の壁

そして、今問題となっているのは、「小1の壁」

小1の壁とは、子どもが保育園に通っていたときには早朝保育や延長保育などによってできていた仕事と子育ての両立が、小学校に通い始めた途端に難しくなることをいいます。小学校は保育園のときよりも預かってもらえる時間が短いことなどが原因です。


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子供が小学生になると、預けられる時間が保育園より短縮するため、仕事の時間が制限されるなどがある。

さらに看護師は、育児時間が適用されるのは、小学生以下のため、子供が小学生になると夜勤をする必要がでてくる。
もちろん、子供が小学生以下でも、夜勤をしている看護師もいる。

小学校入学とともに、親の仕事の環境も変わってしまう。

祖父母に預けられるなどの環境があれば問題も幾分少ないかもしれない。
祖父母も仕事を持っている、実家が遠いなどの理由で、預ける先がない人も多い。

職場は、自分たちで工夫して乗り越えるようにと言うが、ご近所との付き合いも希薄な中で、子供を預ける手段がない。

夜勤の時には、子供とすれ違いに出勤。
夫婦共働きの家庭も多いため、学校からの帰宅後、もう一人の親が帰宅するまでの時間など空白の時間ができてしまう。

なんらかの理由で、子どもだけで夜を過ごす世帯もある。

子育てしながら、働けるように個人が努力するのではなく、
職場や自治体で、働ける環境作りが必要だと思う。


勤務時間のバリエーション

私は看護師なので、看護師の働く環境を考えてみた。

もうすでに取り組んでいる職場もあるのかもしれないが。

夜勤の時間を見直して、子供が起きる頃には帰宅できるような勤務時間にする。
例えば、朝6時、せめて、7時とか。
朝、勤務を終えて帰宅し、子供を学校に送り出すことができる。

夜勤が帰る分を時差出勤などで補う。
夜勤者の勤務も6時と9時に分けるなどして、マンパワーが不足しないようにするとか。
働き方のバリエーションがあってもいいかもしれない。


夜勤の間、子供を見てくれる施設を病院内に設置する。
24時間保育所を設置している病院もある。
ただ、保育所だと小学生を預けることができない。

夜勤者用の院内学童。
夜勤の看護師と共に院内の学童にきて、夕食を摂り、
夜勤をしていない、父や母の迎えを待ったり、
朝早く勤務が終わった看護師と帰宅する。

簡単にはすすまないことだが、具体的に考えてみていくことが必要だ。

残業の多い仕事の人もいる。
看護師に限らず、夜勤の仕事をしている人。
働き方も家族の形も多様な世の中。

頑張る気持ちだけでは、子育てと仕事の両立は難しい。
両立ができないからと、この職を離れるのはなんとかしたい。




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