見出し画像

物との向き合い方を考える-義母の遺品整理から

義母の毛皮のコートと指輪を買い取ってもらった。
遺品整理をしたときに、毛皮も指輪も私には必要ないと思い、その場で処分しようとした。

夫から、「一旦、持ち帰って考えたら?」と、いう言葉に「そうかなあ、きっと着ないだろう」と、思いながら持ち帰ってきた。
夫にとっては、母が身に着けていたもの。
思い出があり、母の物をすぐに処分する気持ちではなかったかもしれない。

ただ、毛皮のコートは、何度着ても私には似合わない。
しかも重い。
そもそも、私自身、どんなに寒くても毛皮を着たいと思わない。
毛皮のコート3枚。厚みもあるので、クローゼットの中でも場所をとる。
娘に聞いても、「いらない」と言われた。

指輪も石がどーんとついている。
お義母さん、こんな指輪をつけてどこにお出かけしたんだろう。
お義母さんから、直接譲っていただいたものは大切にするが、それ以外のものは処分することにした。

夫には申し訳ない気持ちもした。
もし、急に私が死んだ時に、今度は娘が処分に困ると考えると、私が整理するしかない。

義両親や母の遺品整理をしていて、残しておきたいものはある。
結婚の記念に義母から指輪を譲ってもらった。
この家の嫁として認めてもらえた感じがして、嬉しかったことを覚えている。
娘の百日のお祝いに義母が着ていた着物をいただいた。
義母の遺影もその時の着物を着たものだ。
その着物を、今度は私が着て娘の卒業式に出席した。
母の遺品は、どこにいくにもつけていたネックレス。病院に入院する時にもつけていた。ほかの品は要らないので、それだけほしいと思っていた。
妹や父には、そのネックレスの思い出はなかったので私がもらった。

同じ身内であっても、思い出も思い入れもそれぞれ違う。

豪華なものでなくても、遺品って自分の中の思い出が形になっているもので、それ以外は物でしかない。
そこに、自分以外の人の思いを載せてしまうから物に対する判断ができなくなってしまう。
持ち帰る前に、自分に必要がないと思ったものは、何年経っても出番がなかった。

今回の経験で、物に対しては、家に持ち込む前から始まっていると気づいた。
物を手に入れて、使い、処分するところまでイメージしてから家にお招きしたい。
それくらいの思いで、手に入れたものってどれくらいあるだろう。


※毛皮はゴミに捨てていいか判断できず、買取店に持ち込んだ。
日本では需要が少ないので海外で再利用されるそうだ。
毛皮のコート3枚と指輪7個。
スッキリした。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?