なぜいつも眠い!?血糖値スパイクが生産性に与える影響#食事編9
今回は血糖値について学んでいきましょう。
血糖値って聞いたことはあるけど、何のことを言っているのかよくわからないという方も多いと思います。
基本の血糖値とは何かから始まり、血糖値スパイクの健康デメリット、血糖値スパイクの対策法をお伝えしていきたいと思います。
ではいってみましょう!
血糖値って何?
血糖値とは、血液中に含まれる糖(グルコース)の濃度を指します。体内でエネルギー源として使用されるこの糖は、私たちが食べた食べ物から来ており、健康を維持するためにはそのレベルを適切な範囲内に保つことが大事になってきます。
血糖値が一定の範囲内にあると、私たちの体は正常に機能します。エネルギーが適切に供給され、集中力や活動レベルが維持されます。しかし、血糖値が高すぎると、身体は過剰な糖を処理しきれず、長期的には2型糖尿病や心臓病など様々な疾患リスクが高まってしまいます。一方で、血糖値が低すぎると(低血糖)、疲労感、頭痛、集中力の低下などの症状が現れることがあります。
*糖尿病の種類
糖尿病には、1型糖尿病(すい臓のインスリンというホルモンを出す細胞が壊される病気)と2型糖尿病(遺伝や肥満、生活習慣病などにより中年期に多く発症)の2種類に分かれます。糖尿病患者の約9割はこの2型だと言われています。
血糖値の働き
血糖値は通常下記のような働きをします。
血糖値の上昇:食事をすると、体内で炭水化物が分解され、ブドウ糖(糖)として血液に吸収。これにより血糖値が上昇。
インスリンの分泌:血糖値の上昇を感知すると、インスリンを分泌。
ブドウ糖の処理:インスリンは、血液中のブドウ糖を体の細胞に運ぶ。主に肝臓でブドウ糖が蓄えられる。
血糖値の正常化:残りのブドウ糖が筋肉や脂肪細胞に取り込まれることで、血糖値は徐々に正常な範囲に戻る。
血糖値スパイクのデメリット
通常、食後に血糖値が上がることは正常反応なのですが、すい臓の老化や肥満などによってインスリンを分泌する能力が衰えると、分泌量が減ったり、分泌するタイミングが遅くなったりします。すると、細胞がブドウ糖を取り込むことができず、血糖値の急激な上昇を招きます。さらに急上昇した血糖値をおさえるために、後からインスリンが大量に出てしまうと、今度は血糖値の急降下を招きます。
食後に血糖値が急上昇と急降下を起こす状態を「血糖値スパイク」と呼びます。
ではこの血糖値スパイクにはどのようなデメリットあるのでしょうか。
血管のダメージから起こる健康問題のリスク増加
血糖値の乱高下より活性酸素が生まれ、血管にダメージを与えてしまいます。そうなると心臓病などによる健康リスクが高くなる可能性があります。
2型糖尿病のリスク増加
長期的に血糖値スパイクが続くと、体のインスリン機能が低下し、2型糖尿病のリスクが高まります。
エネルギーレベルや気分の急激な変動
血糖値が急上昇すると、一時的にエネルギーが増加したように感じますが、その後急速に低下し、疲労感やだるさ、イライラ感や集中力の低下などを引き起こします。
体重増加
血糖値の急激な上昇と下降は食欲を刺激し、過食や不規則な食習慣に繋がる可能性があります。体が過剰な糖を脂肪として蓄積する原因となり、体重増加に繋がる可能性があります。
結構なデメリットがありますよね、これらを何とか改善するためにもできるだけ血糖値スパイクを防ぎたいものです。ではどのように防いだら良いのでしょうか。
血糖値スパイクの対処法
噛む回数を増やす
噛む回数を増やせば満腹感を感じやすくなり、食事の量が減る効果も期待できます。急激な血糖値の上昇を防ぎやすくなります。日本人を対象にした研究でも噛む力が低下するとメタボになりやすいとされています。つまり脳卒中や心筋梗塞、糖尿病を発症するリスクが高くなってしまいます。できれば50回程度噛みたいところですが、30回でも構いません。食事中よく噛むことを忘れてしまうのですが、こまめに意識がけて噛む習慣を身につけましょう。効果的な生活習慣予防やダイエット法にもなるはずです。
低GI食品
血糖値を安定させる食品には低GI食品があります。GI(グリセミック・インデックス)とは炭水化物を多く含む食品を食べた時の血糖値上昇度を表す指標のことで、つまり低GI食品は一般的に血糖値が上がりにくい食品とされています。低GI食品には全粒穀物(精製された白米やパンなどよりも玄米や黒パンなど精製されていないものは、消化によって糖質に分解するまでに時間がかかるからですね)、豆類、野菜、低糖度の果物など食物繊維が多く含まれている食品も多く該当します。ぜひ低GI食品も食事の際の選択の一つにしてみてください。
食事の組み合わせ
食事の順序でも血糖値を抑えることができます。野菜を炭水化物よりも先に食べたほうが食後の血糖値の上昇や、長期的な血糖コントロールが改善したという研究もありますし、魚や肉なども炭水化物よりも先に食べる方が望ましいでしょう。もちろん炭水化物だけでなく、野菜や魚類、ほどほどの赤身肉なども食べましょうね。
腹八分目を目指す
これは昔から言われてきたことですが、個人的にも実感するところです。食事量が増えると血糖値も上がりますし、何よりも食べた後に眠くなったり、仕事などへの集中力が下がってしまいます。腹一杯になるまで食べることは控えて、腹八分目を目指しましょう。
*咀嚼のススメ
現代人は咀嚼(食べ物を噛む)数が圧倒的に足りないとされています。それは食べ物がどんどん柔らかくなり、食べやすくなっているからだと言われており、はるか昔弥生時代には1食あたり4000回噛むとされていましたが、江戸時代には2000回程度、今では650回程度とされています。現代の口溶けの良い食事から、ほとんど噛まずに食べ物を飲み込んでいたりすると、胃腸に負担がかかったり、顎や頬の筋肉が衰えることで口呼吸をする人が増えたり、歯周病になるリスクもあります。また適宜顎を動かすことで脳に刺激を送り、認知機能の低下にも効果があります。ぜひ食事のたびにいつもより多く噛むことを意識しましょう。
個人的は噛む回数が多いほど、食材の味が変わり美味しく感じられるものを食べようと心がけていますが、なかなか簡単にはいきませんが。。
*メタボとは
メタボ(メタボリックシンドローム)とは、お腹周りの肥満(内臓脂肪)に高血糖・高血圧・脂質異常など危険因子が複数重なった状態を指し、見た目だけでなく、生活習慣病の危険を示すサインとなります。つまり心臓病、2型糖尿病、脳卒中などのリスクを大幅に増加させるため、健康上非常に重要な問題に繋がりやすくなります。