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【備忘録】具体⇔抽象トレーニング(著:細谷 功さん)★自分の思考レベルを上げたい方へおススメの1冊です。

小話(読み飛ばしOK)


コンサル会社に入って、まぁまぁ面食らったことの1つに上司からの指示が「抽象的」「具体的ではないこと」だった。これは入社して比較的早めに気づいたが、小手先のコミュニケーションではどうにもギャップが埋まらず、悩んでいた。

「こんな指示はしていない」
「このアウトプットでは使えない」
「話聞いてなかったのか」

心折れそうになりながらも、悔しさの方が強かった。
僕はとにかく物事を具体的に考える方で、上司は抽象的な表現をする。
(ただお客様に対しては、相手によって具体的な表現と抽象的な表現を使い分けているので、敢えて僕には抽象的な指示を出しているのだろうとなんとなくは感じていた)

上司が部下に歩み寄るようなそんな甘い職場ではないため、
僕が抽象的な考え方を理解するほかなかった。


そんな課題感から見つけた本が本書。
この本には裏切られないと確信したのが、「はじめに」の冒頭3行目に書かれていた次の内容を読んだとき。

本書を読むメリット

『本書は具体と抽象を往復すること、つまり抽象化と具体化によって発想を豊かにするとともに、日ごろ私たちの身の回りに起こっているコミュニケーションギャップを解消することを目的としています。』

最後まで読んでさらに確信を深めた。
全ての社会人にぜひ一度読んでいただきたい一冊だと思う。

やや大げさに聞こえるかもしれないが、この本を読み終えてから考える視座がなんとなく上がった感じがする。
「相手が言っていることに対して抽象度を上げるとこういうことか」
「この人は具体の話をしていて、この人はもう少し抽象的な視点で話している」
そんな風に、物事の全体、大枠が見えるようになってきた。

抽象化(抽象化思考)とは何か

抽象化とは、複数のモノやコトに対して共通点を見つけ、カテゴライズすること。逆に具体化とは、個々をそのものとして認めること、違いを認めること。

本書では、全体を通して抽象化を様々な言葉で定義しているが、僕は上記のような最も基本的な説明が一番しっくりときた。簡単に整理すると、、

今、目の前に2匹の犬と1匹の猫がいる。
2匹の犬に対してそれぞれ、「コロ」と「イッヌ」、そして猫に「タマ」と名前をつけ、それぞれを個別のものと捉える。これが具体化。

逆に、3匹ともペット、哺乳類、あるいは新しい家族、四足歩行する動物、そんな風に共通点を見つけてひとまとまりに扱うのが抽象化。

日常でよく使う言葉で言えば、パターン化、カテゴリー分け、グルーピング、そんな言葉がニュアンスとしては近い。

この本を読んで改めて思ったこと。立場が上の人をほど抽象的な言葉を使いがち。

最後に。この視点を持ってからはっきりと意識できるようになったことが1つ。

それは役職が上の人ほど抽象的な言葉を使い、またそれが自然なことだということ。

現場の人間は当たり前だが、常に現場を見ている。
目の前で起きていること、上手くいっていること、いかないこと。
それらに対して責任を持って対処せねばならないから、
どうしても具体的にどうするか、何をするのかという具体思考になる。

一方上司はというと、そんな現場にいる部下を何人も抱えていると、
彼らと同じ目線で考えていてはとても体が持たないだろう。
体力にも時間にも限りがある。
そうなると、例えば現場Aと現場Bで起きた問題は、どちらも同じ原因で起きたからこういう対策をしよう、とイチイチ検討するのではなく、共通点を見つけて対策を考える。

これが役職が上にいけばいけほど、抽象思考になるのではないか、そう感じている。
(ちなみにどちらが良いとか偉いとかそういう話ではない。僕も今の職場ではバリバリの現場人間である。将来はもっと上に行きたいが。。。)

余談


ほんとに最後に。
今思い返すと、僕はもともと抽象化思考自体が嫌いだったと思う。
それは、とにかく人をラベリングする人が大の苦手だったからだ。
(「あの人は人をラベリングする人」といって、自分がラベリングしていることは一旦置いておく。。。)
人は多面的に見られるべきだし、悪いところだけを見て何かを決めつけるではなく、良いところも見るべきだ。

いつからかこういう考えが自分の中で根強くできていた。

そんなこともあって、抽象化思考というもの自体があまり得意ではなかったのかもしれない。


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