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超短篇小説19 "後悔"



夏の暑い日に四つん這いになり泣きながら、できる限り砂を集めている俺。


高校三年の最後の夏に甲子園に出られたものの初戦で敗退してしまった。


初戦敗退とはいえど、甲子園に出たということは非常に誇れるし、他の人からすれば羨ましがられることだろうとは思うが、涙が止まらない。


俺も多分、そう思えていたはずだった。
"あの時に俺がエラーをしていなければ"
と思い後悔してしまう。


9回裏になんてことない外野フライを落としてしまったことにより、痛恨の逆転サヨナラ負け。
100万回と練習してきたことが、100万1回目でできなくなっていた。


暑さのせいもあるが、今日の俺は絶不調だった。
"昨日寝れなかったのが、、、"
と思い後悔してしまう。


なぜ寝れなかったのか?


昨日、彼女が浮気をしていることを知ってしまっい、そのことを言及すると振られてしまった。
幼馴染で幼稚園からの付き合いだった彼女に振られてしまったのは本当に辛い出来事だった。
"あの時、あんなことを言わなければ、、、"
と思い後悔してしまう。


「お前に何がわかるんだよ!!」


母が大きな病気に罹ってしまい、この先が長くないかもしれないとなった時に彼女から慰められた時に不意に出てしまった一言である。


なんで母はそんなことになったのか?

なぜ母への気遣いが誰もできていなかったのか?


なぜ母は孤立してしまったのか?
なぜ高校受験に失敗したのか?
なぜ中学時代にそんなことをしてしまったのか?
なぜ小学生時代からの友達を裏切ったのか?
なぜ小学生時代の先生は辞めてしまったのか?
なぜ学級崩壊したのか?
なぜ幼稚園でいじめられたのか?
なぜ、、、、?
なぜ、、、、?
なぜ、、、、?
なぜ生まれてしまったのか?
なぜ母と父が出会ったのか?
なぜ、、、、?
なぜ、、、、?
なぜ、、、、?
、、、、、、、
、、、、、、、
なぜ人類は誕生してしまったのか??


100歳を超えて、やることもなく、暇な余生を過ごし、やがてくる死を待つだけの私はそう思った。

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