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【奇譚】白の連還

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第七感連環ミステリー・白をめぐる記憶の乱脈
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#記憶

【奇譚】白の連還 第2話 白い女

【奇譚】白の連還 第2話 白い女

 その年の冬は大荒れに荒れた。正月寒波を迎え豪雪下にある白馬山系の、標高一八〇〇メートルの分岐点にある避難小屋に、表層雪崩をかいくぐって辿りついた大勢の登山家が、偶然、閉じ込められることになった。 

 さきの見えない逗留生活は人を不安にさせる。過度のストレスを心配した医師が、毎晩、ひとりづつ、話をすることを提案した。

最初の夜に話しを終えた医師が、次の夜の語り部として、若いカメラマンを指名した

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【奇譚】白の連還 第1話 白い犬

【奇譚】白の連還 第1話 白い犬

「では、今夜はまず、いいだしっぺの僕から、話すことにしましょうか」

 医者が食燃料班に消灯を促した。ほのかなランプの明かりが深い闇のなかに吸い込まれて消えたあと、ゆったりとした調子で医者が話しはじめた。  
        

          第1話 白い犬

 いい気になってつい最初に話さなければならない羽目に陥ってしまったわけですが、はたしてなにを話していいものやら実はよく分からなくて

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【奇譚】白の連還 序 白い雪

【奇譚】白の連還 序 白い雪

 その年の冬は大荒れに荒れた。

 例年なら、北アルプスの山岳地帯に初雪を見るのは、十月もなかばを過ぎてからのことだが、なぜかその年、九月のおわりにはまだ間があるというのに、槍、穂高などの主峰、後立山の主な頂きには、もううっすらと雪化粧が観察され、直後に山沿い周辺に軽い積雪があった。そして数日後には、平野部の町や村からも降雪の第一報が届くなど、一帯はみるみる白銀の世界に変わっていった。いつになく早

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