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おひとりさまの終活

「おひとりさま」ということばが生まれたのは、20年ほど前のことです。

晩婚や非婚が増加し、パートナーに依存せず「個」として確立したかっこいい生き方を示すような、もてはやされました。

はじめは、社会的にも独立して、結婚しない女性のことを指すことが多かったように記憶しています。

私は、終活に携わることが多い中、「おひとりさま」からの終活のご相談が増えてきているように思います。終活の目線では、おひとりさまということばが示すものが少し違っていますので、これを検討してまいります。

「おひとりさま」と終活

おひとりさまが終活を考えるに、ポイントは四つあります。

  • 医療、介護

  • 認知症

  • 葬儀、納骨

  • 相続、死後事務(健康保険や年金など役場の手続、自宅のかたづけなど)

自分のことが自分でできなくなったときに、誰が代わりにそれらを行うのかという共通の問題点があります。

代わりに動いてもらえる人は、決まっているでしょうか。

代わりに動いてもらうことができるように、準備はされているでしょうか。

家族や親戚であれば、ある程度のことまでは代理でもできますが、最近では、銀行や役場など、どこへ行っても本人確認がされるため、家族であっても、代理できることには限界があります。

ましてや、友人や知人など、他人にこれらを代理してもらおうと思えば、難しい場面が多くなります。

病院や老人ホームに入るにも、身元保証人を求められることがあります。

とりわけ、認知症、相続、死後事務については、前もって準備をしておかなければ、誰も手助けができずに、手詰まりになってしまいます。

「おひとりさま」の範囲

「おひとりさま」は、未婚の方、離婚をされて再婚されていない方のように、結婚を軸に考えがちですが、私が考えるに、実際にはもっと広い範囲におられます。

  • 結婚されていない方(未婚、離婚)

  • 結婚はしていたけど、配偶者が先に亡くなった方

  • 結婚はしているが、配偶者が認知症などで病院や介護施設にいる

  • 子どもはいるが、遠方に住んでいて身近なことが頼めない方

  • 家族や親戚と疎遠、絶交していて、協力が期待できない方

特に、夫婦のみの世帯は、高い確率で将来はおひとりさまになります。

また、身近な家族や親戚に頼れない方は、広い意味でおひとりさまの問題が共通します。

このように、おひとりさまの例に該当するような方は、お早めに終活に取り組んでいただきたいものです。

「おひとりさま」ならではの問題に備える

人生100年時代と言われて久しく、長生きすることがリスクになってしまっているとも指摘されます。

病気で亡くなることが減り、介護や認知症については、誰もが避けては通れないものとなっています。

そして、公的な手続、金融機関の手続、不動産の処分など、本人しかできないことがほとんどです。

おひとりさまのように、家族を頼ることができない方は、自分が動けなくなったときに、友人知人、専門家に頼めるように、必ず準備をしておきましょう。

病気と似たようなもので、終活も時期を逃すと、本当になにもできなくなってしまいます。

私どもは、ゴッドハンドではありませんので、お手伝いできることには限界があります。

まだ早いかな、と思っているうちが、まさに終活をはじめる時期なのです。専門家と相談して、いざというときに備えるのが当たり前の時代になってまいります。


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