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『音大卒の演奏家が仕事を得る方法』 Vol.7 レッスンの仕事に誇りを持とう!

『音大卒の演奏家が仕事を得る方法』と題して、全7回のシリーズでお届けしてきました。

いよいよ今回が最終回です!

【目次】音大卒の演奏家が仕事を得る方法
1. 音楽業界の現状
2. あなたがやるべき事を知るには
3. デジタル技術で受注を増やす(前編)
4. デジタル技術で受注を増やす(中編)
5. デジタル技術で受注を増やす(後編)
6. ジャズやポップスまで学びを広げる
7. レッスンの仕事に誇りをもとう!:今回の記事

さて、このシリーズの第1回で、「学校もビジネス」だという話をしました。

言葉は悪いですが、これは、「あなたが仮に優秀でなくても、とりあえず学費を払って通い続けてくれれば、学校側としてはビジネスになる」という事を意味します。

いろいろな先生がいるし、いろいろな学校があると思いますが、しっかり通った成果を出すには、やはり「自分が何を学びたいか」を明確にしておく必要があるでしょう。

ちなみに、これは決して学校サイドの批判ではなく、「ビジネスとは多かれ少なかれ、このような一面をもっている」事をお伝えしたいのです。

きちんとお客さんが望んでいるサービスを提供出来れば、何も悪い事ではありません。

僕が皆さんに言いたいのは、

あなた自身もレッスンの仕事に誇りを持ち、きちんとビジネスとして成立させましょう!

という話です。

|レッスンの仕事から得られるモノ

レッスンの仕事をすると、良い事がたくさんあります。

1.誰かの役に立つ!

アマチュアでもプロ志望でも、うまくなりたいと思って情報を求めている人はたくさんいます。
その人たちの役に立ちます。

2.教える事で自分の演奏が向上する!

演奏する能力と教える能力は、必ずしもイコールではありません。

時に自分の演奏や生徒さんの演奏を論理的に分析し、説明する必要があるので、結果、自分のプレイを見直し、上達に繋げる事が出来ます。

3.演奏会、ライブの集客が増える!

生徒さんは、あなたのコンサートやライブの演奏にも興味があります。

演奏しかやっていない人は、集客に苦労している人も多いですが、レッスンをやっている人は、比較的安定した集客が出来ている印象があります。

4.社会への視野が広がる!

特に大人のアマチュアの生徒さんの場合ですが、年齢や職業もさまざまで、いろいろな価値観の方と接する事が出来ます。

同業者だけと接していると、残念ながらこの業界では、30歳になっても自立出来ていない人が大勢いて、「自分もまだ大丈夫」だと思うなど、社会人としての感覚が麻痺してしまっている人も少なくありません。

本当に自分のやりたい事をやるなら、社会人としてある意味「普通」の感覚をもったうえで取り組む事はとても大切だと僕は考えています。

5.ある程度の生活の基盤になる!

あなたが生徒さんにとって良い先生であれば、生徒さんは通い続けてくれるでしょう。

そういう方がたくさんいれば、結果、それなりの収入を得る事が出来ます。
収入が安定する事で、物質的にも精神的にも余裕が出てくるので、たとえば

・(儲からないかもしれない)自主コンサートやCD制作に投資をする
・海外に勉強に行く
・ボランティア活動などで、他人や社会への貢献をする
・プライベートでは結婚出来る

そんな事も可能になるかもわかりません。

ちなみにここに書いてきた内容は、結婚以外(笑)、ほぼ僕が実践してきている事です。

|レッスンの仕事に大切な考え方

教える仕事や、作編曲など、制作の仕事も多く、練習時間が十分に確保出来ないのはいまだ悩みの種ではありますが、僕がレッスンという仕事から得たモノは本当に大きいです。

レッスンがなかったら、いろいろな意味で今の僕はないと思いますね。

僕は、演奏が一番でレッスンが二番とか、演奏者のほうが先生より偉いと考えた事はありません。
もちろん、この逆でもなく、それぞれが必要な仕事で、価値があります。

また、お金が一番だとも思っていません。

演奏が一番と思っていて、レッスンをバイト感覚でやっている先生や、ライブの集客のためにレッスンをしている先生に魅力はないですよね。
僕だったらそういう先生には習いたくありません。

「自分の培ってきた能力をシェアしたい」

「自分と違う価値観の人から学びたい」

そういった想いがあり、それが相手に伝わっているからこそ、必要とされている気がします。

ぜひ皆さんも、あなた自身が生徒さんに何を伝えたいのかを考え、レッスンに誇りをもち、必要とされる先生を目指してください!

7回にわたって書いてきたシリーズ、いかがだったでしょうか?
あくまで僕の経験を元にしていて、必ずしも万人にとっての正解ではないと思いますが、将来について少し掘り下げて考えるきっかけになってもらえれば幸いです。

著者 藤井裕樹(ふじいひろき)プロフィール

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NPO法人ネクストステージ・プランニング音楽ディレクター
株式会社マウントフジミュージック代表取締役
Trombonist, Composer, Arranger, Teacher, Writer, Producer, Consultant

LIFE WITH MUSIC「音楽と共にある生活を」

1979年大阪府生まれ。都立小平南高等学校在学中、第4回日本トロンボーンコンペティションにおいて第3位入賞。アメリカネバダ州立大学ラスベガス校特待生(2005年在籍)。 19歳でプロとしてのキャリアをスタート。国内外の多くのジャズアーティストとの共演の他、東京ディズニーリゾートでのパフォーマンスや、大塚愛、関ジャニ∞、矢沢永吉などのJポップ、ロックアーティストのツアー・ライブサポートや、CDレコーディング、CM音楽のレコーディングなどに参加。作編曲家としては、東京ディズニーリゾートや東京スカイツリーのイベントなどを手がけ、講師としては、2008年から2015年まで(財)ヤマハ音楽振興会認定講師を務める。2016年3月11日、自身では初のリーダーアルバム「Lullaby of Angels」をリリース(東日本大震災チャリティーCDとして)。 2017年1月、NPO法人ネクストステージ・プランニングの音楽ディレクター(プロデューサー)に就任。若い音楽家が自立するためのノウハウを書いたブログ「音楽家のサバイバル術」の執筆も行うほか、これまでの経験を生かし、楽器可物件の不動産会社や音楽事務所、ライブハウス、個人の音楽家などのコンサルティングも行っている。

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