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引きこもり・ニートに親ができること(2)「本人の意思」の中身を知っていますか?


前回の記事 引きこもり・ニートに親ができること①動かないわが子


こんにちは。NPO法人ニュースタート事務局の久世です。

本人の意思を尊重する、とは

子どもの意思、気持ち、希望を尊重する。

とても大切なことです。

はっきりとした前向きな意思が出てきたなら、もちろんそれを最優先にすべきです。

では、子どもからどんな意思、気持ちが出てきましたか?

その言葉は、動きにつながる前向きなものでしたか?

聞いた意思がなかなか行動に移されないまま、時間がたってしまっていませんか?

その意思をどこまで尊重すべきか、ここで考えてみてください。

長期化で変わってしまう

引きこもり・ニート状態を1年もやっていると、本人の力はどんどん下がっていきます。

他者や社会とのリアルなかかわりが無くなり、テレビやネットが情報源という環境。

そんな中で知識や思考が伸びるはずがない、ということは想像できるでしょう。

ところが実際には、伸びないどころか、どこかがマヒしたように力が下がっていきます。

判断力、動く力が下がり、自力で解決できないようになっていくのです。

もともと本人に動けるだけの力があった子でも、その力を使えなくなっていきます。

外に出ることが必要だとわかってはいても、外に出る提案にどんどん「うん」と簡単には言えなくなる。

外に出る感覚を忘れていき、今の環境から変化することへの恐怖の方が優先されてしまう。

引きこもり・ニート期間が長引くほど、どんどん自力の解決が難しくなります。

動けないまま1年を過ぎたら、本人の意思に任せずに、ある程度介入することが必要です。

仕事の知識が乏しい

「○○の仕事でなくてはいやだ」

こう言ってなかなか仕事を決められない人がいます。

もちろん本人の希望は大切ですが、ちょっと待ってください。

その仕事を、ちゃんとわかっているでしょうか?

たとえば「人が苦手なので、事務がいいです」と言う人。

事務を黙々とパソコンや書類に向かってやる仕事だと考えていることがよくあります。

「事務は、電話に出ることも多いし、お客さんが来たら応対することもありますよ?」

とお話しするだけで、うろたえてしまうことも、珍しくありません。

仕事経験がない、少ない人の言う「希望」は、そのくらいズレがある可能性があります。

そんな表面上の言葉だけを聞いて、その意思を尊重したらどうなるでしょう。

いつまでたっても仕事が決まらないかもしれません。

せっかく仕事についても、「なんだか違う」とすぐ辞めてしまうかもしれません。

希望にこだわりすぎずに就労して、経験を積んでいかなければ、ズレは直りません。

そのことを誰かが、踏み込んで伝えていかなければなりません。

引きこもりを抜け出した経験がない

知識の乏しいと、就職に踏み切れない、ニートを脱することができません。

ですがその知識は、働いている親が自分の経験から補うことができます。

では引きこもり脱出の知識はどうでしょうか。

ほとんどの親が、未経験者、素人です。

だからこそ本人の意思を優先するしかない、というのが実情ではないでしょうか。

でも考えてみてください。

子ども本人も、当事者ではありますが、素人です。

子どもも、「これをすれば引きこもりから脱することができる」という経験に基づいた確かな理論を持って、意思を出しているわけではないのです。

親は迷い右往左往していますが、子どもも実は同じなのです。

引きこもりが長引いていたら、私たちニュースタートのような支援団体に、相談していただきたいと思います。

中には、「親だけではもう無理です、速やかにどこかにサポートを頼むべきです」というケースもあります。

親だけで抱え込んでいると、さらに引きこもりが長期化するだけかもしれません。

本当の意思が何かを考える

子どもの口から出る意思だけをうのみにしてしまうこと。

これが本人の意思を尊重するダメなパターンです。

今の一見安定した生活パターンを壊されるのが怖くて、嫌だと言っているだけかもしれません。

子ども本人も迷路に入ってしまっていて、望んでいることが自分でも分からなくなっているかもしれません。

引きこもり・ニートから脱するための答えを、子ども自身も持っていないかもしれません。

心の中、無意識下、そこで本当にわが子が望んでいることは何でしょうか。

子どもの口から出る意思のうち、どれが表層だけなのか、どこまで尊重すべきなのか。

子どもをきちんと見て、考えてください。


ニュースタート事務局スタッフ 久世

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2020.6月講演_2


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