アナハイム・舞浜・香港 MDで比べる
(急だけど)ディズニーランドの話は避けて通れない
子供の頃からとにかく好きで、デザインに関わる仕事を志すようになったきっかけも中学生くらいの頃の舞浜にあるなど、時期によって程度の差はあれど人生にヒントや影響をずっと及ぼしてくる存在、ディズニーランド。
noteという何でも書いていいプラットフォームを得たのに、ディズニーランドの話題を避けて投稿を積み上げていくことなどできないのです。
なのでこれからいろいろな切り口でこのテーマに触れていくことになると思います。今回はその第1歩いきなりいきます。
直近1年で訪れた3都市のパーク
直近1年の間に訪れたパークが、カリフォルニアのディズニーランド・パークとディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー、東京ディズニーランド、東京ディズニーシー、香港ディズニーランド。
言うまでもなく、どのパークも特色があってとてもおもしろいです。
重度のスターウォーズファンであるわたしにとっては<STAR WARS: Galaxy's Edge>があるアナハイムのディズニーランドがどうしても推しランク上位に君臨。香港もスペースマウンテンがスターウォーズ仕様になっていたりスターウォーズのキャラクターとのグリーティングがあるので期待度が高かったけど、なんだか寂れてるしグリーティングはぬるっと閉業してるし下火の雰囲気。できた頃はスターウォーズでイベント組んで盛り上がってたようですが、いまはすっかりマーベルの人気に押されています。
……とスターウォーズ観点から話し出すとまた大脱線の気配しかしないのでやめておき、今回はその3都市のパークで感じた違いを、特にマーチャンダイズに焦点を絞って振り返ってみます。
「売れるMD」とキャラクターを巧みに融合させる東京・香港
東京ディズニーランドの構想段階において本国ディズニーが日本の「お土産文化」を想定していなかったために利益算定を誤った、なんて話も聞きますが、いわゆる「バラマキ系」のお菓子や文房具系MDがたくさんあるのは東京ならではです。ボールペンセットや大容量のお菓子などは配ったことももらったことも数えきれないくらいあります。
そういうのはアナハイムには全然ないです。
東京ディズニーでは月に数回ペースで次々に新商品がリリースされていますが、特徴的に感じるのは普段の生活でも使いやすいツールやグッズが多いこと。一般的に物として需要のある、より多くの人に欲しいと思われるであろうMDにキャラクターやパークの意匠を組み合わせて、ディズニーランドならではな商品にしているわけです。
先日惜しまれながらクローズしてしまったスペースマウンテンの待ち時間表示ボードのデザインを模したキッチンタイマー、超人気で即完でしたが、あれなんかはその代表的な例かもしれません。
また、タオルや巾着袋、文房具、キーホルダーといった街の雑貨屋さんや推し活界隈でも王道なMDはどんなテーマの商品群の中にも必ずと言っていいほど含まれている印象。きっと盤石な売れ筋なのでしょう。
それ以外にもどれが入っているかわからないランダム系の商品など、アーティストグッズやプロスポーツチームのMDにも共通するような品揃え。ここ数年の推し活系マーチ全体の正解ラインナップと言って良さそうです。
少し前まではエリアや背景、ストーリーを反映したマニアックなラインナップでパーク内の各ショップが違った個性を発揮していたと思うのですが、最近ではどのショップも割と均等に上記のような安定MDを揃えるようになってきています。
相変わらずオンリーワンだな!と感じさせてくれるのは近年のTDLでは<ウエスタンウェア>くらいでしょうか。相変わらずインディアンジュエリーとかWranglerのシャツとか売ってます。
香港もバラマキ系の種類数では東京に劣りますが大まかには似た系統のMD構成をしている印象でした。
香港ディズニーランドでは東京ディズニーシーを軽く凌駕するレベルでダッフィー&フレンズの人気が高いので、グッズもそれ関連のデザインのものがかなり多いです。
ただ、パークの規模と比例してかグッズの種類・総量そのものが少なく、香港独自のエリアやアトラクションの世界観を反映したようなグッズもあまりありませんでした。
一方で食事についてはかなり独自性や振り幅があったので、買い物<グルメな土壌ということなのかもしれません。国民性みたいなものには詳しくないのであくまで予想です。
没入感や世界観との連続性が重視されるアナハイム
カリフォルニアのディズニーランドで感じることは、とにかくパークの世界への没入感を醸成する仕組みづくりが強いこと。
Disney+で見られるイマジニアたちのドキュメンタリーを観ても最近は特に”Immersive”/没入的であること へのこだわりが強く、先述の<ギャラクシーズエッジ>にあるアトラクション<Star Wars: Rise of the Resistance>なんかはその最たる例といえます。
世界で最初のパークであるアナハイムのディズニーランド・パークは東京などの広々としたパークに行き慣れている人からするとびっくりなこぢんまり感があり、シンボルであるお城の小ささはもちろん、道幅や建物同士の距離、エリアの密度などとにかく全体がぎっしりしているのです。それがまた視界を埋め尽くす効果になり没入感を高めるのです。
パーク内外で販売されているグッズに関してもその傾向を色濃く感じることができます。
というのも、まったく実用性はないけど「題材となっている映画の一部に溶け込んでいる感」を持たせてくれるグッズが多いのです。簡単に言うと、あの映画に出てきたあの小道具、あのコスチューム、あの武器、みたいなもの。それらがマニアックなレベルでたくさん並んでいるのです。
その多くが普段の日常生活に取り入れられないようなものであり、買って帰ってもせいぜい家で置物と化すようなもの。
しかし、そんな一見役に立たないものほどいまその瞬間に自分が浸っている世界観との連続性に満ちた商品なわけです。現実世界の日常生活で使える便利な道具なんぞが中世ヨーロッパのお城や遠い昔のはるか彼方の銀河に存在するわけないのですから。
何度も<ギャラクシーズエッジ>を例に出して申し訳ありませんが、あのエリアに売ってたホロクロンやウェイファインダー。ちゃんと光ったり音が出たりするやつ。あれは東京では売らないだろうなーと思わずにやけてしまいました。
スターウォーズファンにはおなじみの反乱軍パイロットのヘルメットも数種類のラインナップ。レッド5のヘルメットは家にあるのでビッグズ・ダークライターのものを若干アレンジしたっぽいヘルメットを買いました(持ち帰りに困った)。
東京でも昔はスターツアーズの近くでドンポスト製のヘルメットを売っていたと聞いたことがあるんですが、そうなんでしょうか?
もうひとつアナハイムのショップで印象的だったのがこの刺繍サービス。買ったものにすぐ刺繍を入れてくれます。わたしはスウェットの袖にその日の日付を入れてもらいました。何が印象的だったって、対応してくれたキャストのお姉さんの両腕にポケモン、デジモンやジャンプ系漫画のキャラクターのタトゥーがびっしり。しかも半袖です。日本人と知って熱心に各キャラの説明をしてくれましたが、これたぶん東京ではまず許されないだろうなと思いながら見てました。めっちゃいいです。
一長一短、ということで
まとめると、
東京(+香港) :推し活系商材や生活便利グッズなど、普段使いもできて買いやすいMDにキャラクターやパークの要素を融合したグッズ
アナハイム :パークやストーリーの世界観との連続性や没入感を重視した、その世界に実際に入ったようなグッズ
が多かった印象。
ほかのパークはどうなんでしょう?ユーロなんかはまた日本や中国圏ともアメリカとも異なると思うので気になります。
題材となっている作品そのものへの愛が強い人はアナハイム式MDにより心が躍るかもしれませんが、東京スタイルも実際買いやすかったり助かったりするんですよね。
どこかしらのディズニーパークへ行く際はぜひグッズの展開にも注目をしていただいて、土地柄や戦略の方向性を伺ってみるのも良いかもしれません。
もっとも、各パークものすごい量のグッズを展開しているので、すべてが今回まとめたような感じではありません。あくまで大まかな話としてあたたかい目で受け取っていただければ幸いです。
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