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#41 おちらしさん10月号のチラシを話そう!【紙と印刷とラジオ×おちらしさんラジオ】

チラシ宅配サービス「おちらしさん」のインターネットラジオをお届けします!

10月14日。
おちらしさんラジオ、第41回の配信です!

本日は、初めてとなる外部の方とのコラボ回となります!
ゲストでお越しいただいたのは、『紙と印刷とラジオ』の皆さんです。

右より、株式会社サンコー・有薗悦克さん、平和紙業株式会社・西谷浩太郎さん、株式会社東北紙業社・加藤清隆さん。

以前、私たち「おちらしさんラジオ」は『紙と印刷とラジオ』にお招きいただき、ゲストとしておちらしさんをご紹介させていただきました。

その際に驚いたのは、なんといってもお三方の紙への熱量!!!! ラジオ本編の収録後にもお渡ししたおちらしさんを広げ、「このチラシは印刷のココの部分がすごいんですよ」「これはなかなか見ない珍しい紙の使い方ですよ」と絶え間なくお話ししてくださること1時間以上……。チラシの見えなかった魅力に気づかされた衝撃的な体験でした。

今回のラジオでは、『紙と印刷とラジオ』の番組創設秘話をお聞きするとともに、紙のプロが選ぶ!!おちらしさん10月号のまだまだ知らない公演・展示チラシの秘密をご紹介します。

『紙と印刷とラジオ』とは・・・

『紙と印刷とラジオ』は、その名の通り、紙や印刷、それらのデザインについて発信されているインターネットラジオ番組。毎週水曜日の20時~20時30分に、ツイキャスにて生配信されています。もちろんこれまでのアーカイブも聴けますよ!

パーソナリティを務めるのは、紙の販売を行っている平和紙業株式会社の西谷さん、印刷会社である株式会社サンコーの有薗さん

『紙と印刷とラジオ』は、お二人が2020年5月に企画していた展示が新型コロナウイルスの影響で中止になってしまったことがきっかけでスタートしました。展示の代わりにできることをと探している中、「ラジオやりましょう!『紙と印刷とラジオ』!」という西谷さんの一言で決まったそうです。

西谷さんと有薗さん。どのようにインクが乗っているか、
拡大してチェックできる「ペン型ルーペ」は商売道具として必需品とのこと!

そして、番組のディレクターをされているのが株式会社東北紙業社の加藤さん。東北紙業社さんには先日、工場にもお邪魔させていただき、紙をはじめとする「抜き加工」のお話をたっぷりご紹介いただきました!

今年8月には、ついに通算100回目の放送を迎えられた『紙と印刷とラジオ』。紙や印刷に関する基礎知識から、ゲストトーク、ちょっとナナメに切り取られた話題まで、ひとくちに「紙と印刷」と言っても毎回驚くほど豊かなバリエーションでお話しされています!

【第41回「おちらしさん10月号のチラシを話そう!」ご紹介チラシ】

ここからは、紙・印刷・抜き加工のプロであるお三方が選ばれた「おちらしさん10月号」のチラシをご紹介します。ぜひ音源でも、ワクワク楽しくなってしまう皆さんの会話をお聞きください! そして、お手元のチラシもどうぞじっくりとご確認ください!!

写真展 はじめての、牛腸茂雄。

2022/10/7㈮~11/13㈰@ほぼ日曜日(渋谷PARCO8階)

有薗さんポイント:白黒の写真を筆頭に「スミ(黒)」一色で印刷されているように見えますが、じつは「シアン・マゼンダ・イエロー・キープレート(黒)」の4色が使われているんです!! 右下のウシのイラストをよく見ると赤が使われているほか、写真の部分もただの白黒とはちょっと違う作られた色味になっているのがよく見ると分かります。

「ようこそ」にだけ、赤が使われているのがポイント!
写真だとより赤茶っぽく見えますが、実際のチラシも白黒ではない絶妙な色合いが分かりますよ!

ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

2022/10/14㈮~2023/1/22㈰@京都国立近代美術館

西谷さんポイント:真ん中から開くのではない珍しい“ズレた観音開き”が特徴的。使われている紙自体も、あらゆる紙に触れ、種類や品名までを当ててしまう西谷さんがおおっと驚く“良い紙”です!! 

全部開くとこんなに感じに!!
観音開きでも、左右の部分がちょっとだけ重なり合っています。

★生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ

2023/3/18㈯~5/21㈰@富山県美術館
2023/7/29㈯~9/24㈰@青森県立美術館
2023/10/6㈮~12/3㈰@東京国立近代美術館

西谷さんポイント:紙のザラザラした質感と、棟方志功さんの写真や版画の作品の印象がとてもマッチしている一枚。つるんとしたコート紙では出せない味わいになっています。

裏面に大きく載った版画も、直接チラシに刷ったかのような仕上がりです!

こまつ座
第145回公演『吾輩は漱石である』

※こちらのチラシはおちらしさん10月号ではお届けしておりません。
劇場チラシ束などでお配りしております。

2022/11/12㈯~11/27㈰@紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

有薗さんポイント:周りの白い枠があることで、印刷後に紙をカットする「断裁」の工程が非常に難しいチラシです。自然と生まれてしまう数ミリのズレでも、このようなデザインだと人間の目では「なんだか真ん中がずれているなあ」と気づいてしまうもの。しかも白枠にイラストが飛び出ているのでさらなる精度が必要とされます。デザイナーの方と印刷会社の方々がギリギリのラインを探され、高い技術で作り上げられていることが伺えます……!

チラシ上部の2か所で、白枠からはみ出すイラストが見られます。すごい!!

新国立劇場 小劇場
シリーズ【未来につなぐもの】Ⅰ『私の一ヶ月』

2022/11/2㈬~20㈰@新国立劇場 小劇場

加藤さんポイント:実は外側が断裁ではなく、「抜き加工」によってA4サイズに仕上げられている驚きのチラシ。断面の部分を指で触ると、「繋ぎ」の部分が当たるのが分かります。これが「抜き加工」の印です! 表面上部の飛びだしているようなツルツルの加工があることで、印刷後の紙を重ねるとチラシの上部と下部で段差ができてしまい綺麗に断裁することができません。そのために型抜きの要領でチラシが作られています!

チラシ下部の「繋ぎ」は、触ってみると分かります!
封蝋のような部分が飛び出して厚くなっていることで、
「断裁」ではなく「抜き加工」の仕上げが必要なんだそう。

有薗さんポイント:高精細印刷という通常より細かな表現ができる印刷機で作られているので、鮮やかに見えるのが特徴。裏面のグレーがかったクリーム色も、表面の黄色も実は印刷された部分で、紙の地の色ではないんです。

裏面はグレーっぽいクリーム色の地に見えますが、これも印刷された色!
本当の紙の色は地図で通りを表している「白色」です。
表面も黄色の地ではなく、白枠の部分が本来の紙の色とは驚きました!


次回10月28日に配信予定のラジオも、引き続き『紙と印刷とラジオ』の皆さんと一緒にお送りします。お楽しみに!

おちらしさんWEBでは、その他のお届けしたチラシもご紹介しています!


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