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高校生・大学生が「教育」について想うこと ~せたEduプロジェクト 意見交換会~

ねつせた!では、メンバーの「やりたいこと」から生まれた様々なプロジェクトが動いています。その中で2021年春に「せたEduプロジェクト」が発足。世田谷区にある教育サービス、支援策を広く伝えたい!という想いで、高校1年生の「このん」が提案をし、大学生メンバーも加わって活動しています。その中で、話題になるのが「1人ひとりの受けてきた教育の違い」。

SDGsの1つである「質の高い教育をみんなに」というゴールを日本は達成した、とされていますが、全員が満足のいく教育を受けられているとは限りません。

まずは自分たちの経験についてシェアしてみようということで、2021年9月8日に「『教育』について想うこと」について、せたEduプロジェクトのメンバーで意見交換会を行いました。それから分かった新たな課題などリアルな声に注目ください!

「地域による違い」ってやっぱりある!?

このん 今まで自らが受けてきた「教育」について、何か思うところはありますか?

わくい 私は駅から遠い地域に住んでいたので塾に通いづらかったため、自習室として中学校の図書室を学校外で使っていました。それで、図書室が使えなくなったときは正直困って。だから、自習室があったらいいなとずっと思っていたんです。

ユカ 確かに、自宅や学校の近くに勉強できる場があると助かりますよね。

このん 私は、地域によるちょっとした文化の違い?もあるような気がしていて。私は高校に入学してから、いろんなエリアから通う友人に初めて出会って、そこで考えるようになりました。

りお 私も、中学に入学するタイミングで似たような経験をしました。たまたまご縁をいただいた学校が、自宅から電車で1時間半くらいかかるところで。今思えば、通学は大変だったけど、いろんな地域から通う友人がいて、視野が広がった。また、自分の育った地域を客観的に見るようにもなった。ねつせた!のような地域の活動に興味を持ったのも、それがきっかけで。

このん 中学生から他の地域に行くという行動力はすごいですね! 私は世田谷区から外に出たことがまだないので、中学生という若いときに決断をしたエネルギーを尊敬します。

「家庭環境」の影響については…?

このん 子どもの成長には「家庭環境」も影響の1つになっているように思います。例えば「経済力」。私の友人は塾を掛け持ちしているのですが、こういった「学校外教育」を受けるには、ある程度お金が必要なので…。

わくい 私の通っていた高校はそういうのをなくすためにも、チューターをおいて熱心に受験をサポートしてくれていたので、塾に通わなくても勉強ができるようになっていましたね。あれは良い仕組みだったと思います。
なので、つまるところ「本人次第」だと思っていたのですが、そもそも「貧困」のせいで教育自体にアクセスできなかったり、逆に「より良い教育環境」を求めてお金をかける場合もあったりすることも知りました。

うっちー 家庭に経済的な余裕があることで、進学や就職に有利になる…、という傾向はあるかもしれないけど、逆に保護者が学びを用意し過ぎてしまうと、「自発的に学ぶ」力を育みづらいとも思ったりする…。

りお 一見「経済的に恵まれている」からといって、必ずしも「悩みがない」わけではないとも思うのね。私は成績や勉強態度を巡って周りの大人と口論になってしまったこともあって…。もっと他の経験が積めたかもしれないとも思ったりします。

進路の決め手になったのは「自分」? それとも「周りの影響」?

ユカ 進路選択にも「周りの影響」ってあったりする?

このん 子どもが成長する過程で、保護者から受ける影響は大きい。保護者の働く姿を見ることで、子どもにも良い影響があるのではないかと思う。私の友人は経済的に厳しい中、習い事を続けるために、お金のかからない進路選択をした。今も大学進学に向けてがんばっています。

りお 様々な職業を知る機会を持つことで、自分らしい進路選択ができると思う。私自身、とりわけ「やりたいこと」をベースに進路を選んだわけではなく、「資格が取れると役に立つよ」という親の意見も大きかった。周りにも、「学力」や「安定志向」で進路を選ぶ人が比較的多かったし…。

わくい 今は、奨学金の制度があるから大学行きなさいという人が多いと思う。でも奨学金は返すのが大変。

このん 保護者など周りの影響に惑わされず、自分が主体的に意思決定できるようになるには、どうすれば良いんだろう?

わくい いろんな人から話を聴くのが良いと思う。例えば、私はアルバイト経験とかはとても大事だと思っていて、多様な人生経験をしているアルバイト先の人からは人生の指針となる話を聴けた。

りお そういえば私の兄も、「アルバイトは社会に接する機会になるから学生時代にした方がいいよ」と言っていた。

ユカ 私も高1からいろんなアルバイトをしてきました。父もひとり親で経済的に苦労した人だったこともあって、自分で「お金を得る」経験は貴重だからと賛成派で。今思うと父には感謝ですね。

メンバーが世田谷区に立ち上げた「自習室」。
無料、安価でも良質な教育リソースはある!

わくい 私は教育の経済格差・地域格差をなくしたくて、希望丘青少年交流センター「アップス」🔗の自習室の立ち上げに関わり活動してきたんです。

このん そうなんですね! 私の通っていた中学校にも世田谷区の施策で無料で月に2回、土曜日に講師の人が出前授業をして下さるというのがありました。テキストは3つ配られてテキストも授業料も無料。これは世田谷区の中学校全体でやっていた。無料だからといって教え方が下手というわけでは全くなくて、英語にいたっては、とても上手に教えて下さいました。区のそうした教育の取り組みは非常に良いと思っています。
(参考)区立小学校・中学校における土曜日の授業の実施について🔗

わくい 世田谷区立船橋希望中学校の「無料自習室」も新聞に掲載されていた。区で行われている、そういった教育の取り組みをねつせた!で紹介したいよね。

このん いま区がタブレットを配布して自宅学習を推進しているので、それについても紹介したい。
(参考)世田谷区教育委員会のICT活用方針🔗

ユカ 無料・安価でも、良質な教育リソースはあるということですね。

りお そういえば、私は学校外での学習として、通信教材をやっていたな。

ユカ 実は通信教材も、どこに住んでいようと安価で良質な教育を届けたいという理念から生まれたものだったりするのよね。

りお ちなみに、その通信教材の会社は月1で高校生向けの自習教室も開催されていたのですが、何より楽しみだったのが「大学生や他校生との交流タイム」。学校とは違う人たちと交流できて、やる気になった。

このん わかります! 私も大学生たちとお話ししたくてねつせた!に入ったので。刺激になるじゃないですか、自分にない価値観に触れることができるし。皆さんの経験をきくだけで選択肢も広がるし、新しい発見がある。

「『教育』について想うこと」をテーマに話をしたら、それぞれの価値観の違いがわかった

このん 今日はそれぞれの経験や意見を伺えました。最後に感想をお願いします。

りお こういう話題で話す機会があってよかった。いろいろ思うところもあったけど、結局自分が歩んできた人生のおかげで得たものが大きいので肯定したいです。

うっちー それぞれの価値観があって、考え方にも違いがあるのを感じることができました。意見が聞けてよかった。私は大学に入って自分が恵まれた環境にいるなと思ったし、だから周りを助けたいと思うようになったんです。友だちに「温室育ちだよね」といわれたことや、塾の講師をしていたとき、経済的困窮で通えなくなった生徒に出会ったことも思い出し、気づきがありました。現状を発信していくのは大切だと思います。

わくい 「そういえば高校生の時、こう思ったな。」など、共感できることがいろいろあった。

ユカ 私が過ごした学生時代より、みんなの生きている時代のほうが、格差や価値観の違いが現れているのかなと感じました。今回は「『教育』について想うこと」がテーマだったけど、「多様性をどう受け入れていくか」というテーマにも聞こえました。

りお 同じねつせた!のメンバー同士でも、いろいろな経験、考え方の違いがあるのですね。

このん 私はまだ高校1年生ですが、就職などもずっと先のことではなくなってきている。だから、将来のことについても考えさせられました。
せっかく「ねつせた!」という情報発信の場にいるので、今後も教育に関する情報を発信していきたいです!
様々な要因で勉強するのが難しいという人にも、情報と勇気を与えたい。今日はとても楽しかったです。また続きの話をしましょう。

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