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【名古屋ひとり旅 完結編】かわいい子だから旅をした③

7月もいよいよ終盤ですね。
思えば名古屋に旅立ったのは今月の頭の出来事なのですが、もうとても長い時間が経ったように感じます。
ついに今回は名古屋旅行記、完結編です!
第1弾、第2弾もよかったらあわせて読んで見て頂けると嬉しいです。

名古屋で自分の機嫌をとる

名古屋ひとり旅最終日のメインイベントは、最高の空間での最高の食事でした。

名古屋へ向かい飛び乗った夜行バスのなかで、Instagramの検索欄に #名古屋グルメ と打ち込みリサーチをする中、とっても魅力的なパフェが目につきました。
その名も、「桃 ルッコラ マスカルポーネ」
はい、もう字面みてこれは最高すぎる組み合わせだなって思いました。
そんなん絶対好きやんって。
たべたい、桃のパフェはたくさん都内にもあるけどこんな魅力的な名前のパフェはきいたことない。

素敵な店には素敵な店主

「enough」という、店主がひとりで営んでいるお店がそのパフェを頂ける場所でした。
半予約制みたいな、そんな感じ。隠れ家的おみせ。
ちょっとドキドキしながらお店にDMして、店主さんと少しやり取りしたのち、なんと飛び入り&直前だったのだけれど予約が取れて!
そして名古屋2日目のランチ、名古屋での最後のご飯にはあえてご当地名産物ではなく、自分への贅沢なランチコースとパフェをプレゼントすることにしました。
その場所にしかないお店に誰にも内緒で予約して、誰にも内緒で贅沢する。
あなたが世界でいちばんよ、と私の中の私が私を口説く瞬間がたまにあります。このお店を予約したのがその瞬間でした。

そしていざ予約していた時間に。
看板を出さずに、ドアにこっそりと店名が書いてあるその入口にまずすごくときめいた。
そしてノブを回して、ゆっくりと店内に入る。
想像以上に店内が仄暗い。
あたたかな小さなオレンジ色のひかりとたくさんのドライフラワーで満ちていて、それだけでそのお店が大好きな場所になることを確信したの。妖精が隠れていそうな空間。
私を迎えてくれた店主も、私の中の「おや、この人オシャレな人だなセンサー」をピコピコ鳴らすような、素敵な雰囲気を纏った物腰柔らかい方でした。

空間ももちろん素敵だったけど、お食事もしあわせ〜のつめあわせ!
前菜のお野菜の美味しさに涙が出るかと思ったし、スープもすごく優しい味がしたし、メインの真鯛のほポワレはじんわりと心に染みていった。
そしてお目当てのパフェもほんとに幸せでいっぱいになるお味でした。
桃、ルッコラ、マスカルポーネ、君たちみんな最高。そんな気持ち。
だれかと会話をするわけでもなく、美しいものに囲まれて美味しい食事を五感で堪能する。
最高に贅沢な時間を過ごす。

チーズがこれまた濃厚なんですわ

黙々と食と向き合ったその後は、店主さんとゆっくりお話したの。
この時間も私にとってはすごく大切な思い出です。
他愛もない会話だったのだけど、またお店に行ってぜひもっとお話したいなあと思いました。旅の出会いって素敵。
人疲れをして旅に出たはずなのに、やっぱり人のあたたかさに幸せをもらってる。

かわいい子だから旅をした

元々はドライフラワーのアトリエだったという、その美しい空間を、店主に見送られながらあとにして、帰りの高速バス乗り場へと向かいました。
私の名古屋のひとり旅の行程ハイライトは、こんなかんじです。

思えば私は、昨年10月から怒涛の約半年を過ごしてきました。
お金と人脈を稼ぐことに執着して、自分の立場も変わり、求められるレベルも高くなり、嬉しい気持ちも悔しい気持ちもお皿山盛り分体の中に納めました。必死でした。
学生である期間の間にどれだけ結果を出せるかは、私にとってとても重要な問題でした。
年が明けて少しして祖母が亡くなって、その葬儀が終わってすぐ業務の場に向かったほど、頭も体もフルで動かしていないと不安でしかたがなかった。

なにより自分がいちばん自分に厳しかった。
あるべき姿になれない自分や、求められる愚直で扱いやすくて期待値に満ちた人物像になれない自分がきらいできらいで、消しゴムで消せたらいいのになって思った。
周りが許してくれても、許したふりをしてくれても、それじゃあだめだった。

たくさんの同世代の子たちの、夢をあきらめることを正当化する理由を聞いた。
大人たちの優しい言葉には意図があった。
目にかけてくれているようにみえて本当は見捨てられているのかもしれない、そういう片鱗を感じてしまう過敏さはマイナス評価。気付かないふりをしなくちゃいけない。
だけどね、多分だれも気にとめないような小さなできごとに私がこの上ない幸せを覚えていることに、きっとだれも気づいてない。

一旦全てから離れたかったんです。大好きな人からも大嫌いな人からも、自分の夢からも。
飾らない、顔色も伺わない、求められる私ではなく、私が好きな私に会いたかった。
美しいものに心を動かされ、なんてことない褒め言葉に素直に笑顔を零して、おいしいごはんとあったかいお風呂が大好きな自分にあいたかった。

ほんとに思いつきでノープランで実行した、超弾丸名古屋ひとり旅。
文字通り忙殺されて土の中から片手だけ必死に伸ばしゾンビになりかけていた、自分の好きな自分は旅のなかで蘇生したんです。

完結編は少し長くなってしまったけど、わたしが名古屋で感じた心のほくほくが少しでも伝わるといいなと思いながら記事を書いてます。
思いっきりわがままに高飛車に旅行をしてみた、女子大生のお話でした。

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