2023年9月11日、夜8時過ぎ。介護から帰って一眠りした時目覚めて携帯を確認。 私が経営していた会社の元社員2名から着信があった。そのうちの一人は色々揉めてできればもう関わりたくない人だった。 もう一人はたまに飲みに行く間からの元社員N。 Nに折り返し電話する。 「社長、良かった、つながった。Sさんから電話来ませんでした?」 「ああ、来たけど、寝てたんだ、どうしたの?」 「いや、Sさんから電話があって、Oちゃんと連絡がつかなくて、社長、Oちゃんの実家の連絡先知ってないか
4月に入っても、新型コロナウィルス感染者数に収まりがつきそうもない。毎日、テレビや新聞、ネットニュースでは、大阪で1000人を超える感染者数。蔓延防止を!緊急事態宣言をもう一度!のような文字が踊る。 僕の方は、地味に仕事が入ったり、消えたりを繰り返しているが、以前のようなピタリと動きがない状態ではなさそうだ。介護を続けながら、新しいチャンスを探さねば。夜勤出勤前に編集、夜勤に向かう、夜勤明け、事務所に戻り再度編集。そんな日々が続いている。ぶっ倒れそうだし、それでもお金は減
ある日、ヘルプで別事業所に行った時の話だ。 「あ、niwakaさん、私今月で辞めるの。研修で色々ありがとうございました。」 と退職を告げてきたのは施設で介護士をしている19歳の女の子だ。しかも正社員として勤務している子で、介護研修ではとにかく熱心に質問をしたり、実技でも率先して取り組んでいたのが印象的な子だった。そんな前向きに介護という世界に取り組んでいる人間が、辞めるだなんて驚いた。まぁ、給料が安いからかな、なんて思って辞める理由を聞いてみたのだが、お金ももちろんあるけど
年明けにある一人のおばあさんが、看取り契約となった。看取りとは、症状の改善が見込めず、かといって医療行為による延命も難しいため、穏やかに過ごしていただいて、施設で最期を迎えることを了承してもらうことを言うらしい。 そのおばあさんをMさんとしておこう、、Mさんのご主人は有名な大学の教授でご本人も家庭科の先生をしておられた女性だ。今はほとんど言葉も話せず、たまに 「そうね」 「はい」 「ふふふ」 などの言葉を発するくらいで、身体もダラーりと力なく立つこともできないため、ベッド上
アニメをテレビで見ている自分。 ガンダム的なアニメみたいだ。 絵はちょっと歪で子供が描いた絵みたい。 シャアみたいなキャラがいる。 なぜか、北斗の拳のシンみたいな長髪で、顔つきもシンだった。 絵は子供が描いたみたいにちょっと雑。なんか笑えるアニメだ。 モビルスーツ内のシーン。 中はシャアみたいなキャラだけでなく、他にも乗務員がいる。新しいロボットアニメはそうなるんだ、と思った。 彼ら移動のシーンで敵らしき相手から攻撃されるシーンへ。 なぜか自分が攻撃される? クリスタルの三
2021年2月に発令した緊急事態宣言の延長が決まった。そして、麻生財務大臣が、持続化給付金などの給付政策に後ろ向きな発言をした。わずかばかり期待していた現金給付が消え、心がまた一つ折れた。 淡々とした毎日を送る。もはや介護の仕事以外今月は本業の仕事はない。来月にまたテレビの制作が入った。でも今月はない。施設に行くと、入居者のおばあさん達が待っているのがせめてもの救いだ。本当はこんな仕事やりたくはないが、それしかない、しかも、そのやりたくない仕事をしている時間こそ一番嫌なこ
2021年も半ば、夜勤以外の早番という、介護バイトを最初に始めた時のシフトに入ることになった。久しぶりだ。6時には施設に到着していないといけないので、朝は4時起き。これは非常に緊張する。寝坊などしたら大変だ。 めざましで4時にセットしたにも関わらず、その1時間前の3時に目が覚めてしまった。ま、いいか。風呂を沸かしてあったまりながら、今日の介護を想像する。みんな元気かな。久しぶりの早番だから忘れてないか心配だ。 さて、機材車としてリースしているワゴンRに乗り込みいざ出発。
2020年大晦日から元旦の夜勤を担当した。 少しでも時給が高いボーナス設定なので、みんなが休みたいときに会えて出勤を申し出た。来年は良い年であってほしい。 さて、夕食後、テレビをつける。当然、おばあさんたちは紅白歌合戦を楽しみにしている。NHKを選んでその間食器を洗う。そのとき、フロアから「音が小さくて聞こえないよ!」とお叱りの言葉が飛んでくる。 行ってみると、ボリュームは55なので十分デカい音量だ。でも、音が小さいと言われる。画面はキンプリが熱唱していた。 「なに言って
今年(2020年12月時点)もあとわずか、振り返ってみれば本業では振るわない、銀行の担当者も匙を投げる、そんな一年だった。 たまに入る番組の制作、取材、それ以外は全て介護士としての仕事、夜勤、空いた日は初任者研修の研修日。俺は介護の専門家にでもなるのか?とても自分には務まらないと思うけど、今必要としてくれているのが介護しかないから。。。 さて、毎回夜勤に車で向かう途中、国道に面した神社で車を止めて、本を読んだり、ゲームをしたり、営業のメールを打ったり、時間を潰すのがちょ
ジャック・ニコルソン主演「カッコーの巣の上で」という映画がある。精神病を装って楽な施設でなんとか乗り切ろうとする精神は正常な犯罪者の話だったと記憶している。大雑把で申し訳ない。そんな映画がある。 2020年11月(当時)からあたらしくフロア異動となり、より面倒な入居者さんがいる場所で仕事をしている。家事の経験もない役立たずの男ができないのに、できるようになんとかやりくりをするのだ。今日も夜勤。正直やってられない、と思う毎日だが、それしか仕事がない。自己破産するかどうかの
沈黙は金なり トーマス・カーライル 2020年10月末、僕は今いるグループホームでは3階を担当しているのだが、11月からは1階に異動となった。その10月最後の3階夜勤。いつものように夜勤シフトに入り、ルーティンの作業を進めていく。実は僕には少々相性の悪い入居者さんがいる。Kさんという男性の入居者さんだ。 お風呂の時など楽しく会話もできるのだが、90歳近い男性だ。今の常識を求めても土台無理なのはわかっているが、態度が悪い時がある。薬の服薬時、スプーンで解除す
在宅でご両親や親族の介護をしている方、日々の介護お疲れ様です。育ててくれた大切なご両親とわかっていながら、自身の仕事、同じことの繰り返し、思うように言うことを聞いてくれない苛立ち。このnoteではそんな認知症患者とさまざまな介護施設で派遣として介護した、にわか介護士である私の経験で、うまく行った接し方をお伝えしたいと思います。 プロの介護士ではない私のやり方でうまく行ったやり方なので、何かしら身近に感じてもらえるかと思って書いてみました。 否定をしないことさっき食事をした
2020年、11月頃、テレビでは連日大阪都構想の是非についての議論で熱く論戦が戦わされている。入居者のお婆さんたちもまだ選挙権を持っているのだ。大阪のことには一票は投じられないが、それでも熱くテレビを見ている。と言っても、都構想の内容の是非は全く関心がない。もっぱらテレビに出てくる政治家の顔である。 一番人気は当然、吉村知事だ。 「この知事は若いねぇ!」 「独身かい?」 「結婚してるに決まってるよ、こんないい男、女がほっとかないよ。」 施設でも別の意味で熱く論戦が続いている
いつものように出勤するとまず、申し送りノートと呼ばれる記録と共有情報を確認するのがルーティンだ。そこには驚きの内容が書かれていた。 2020年10月4日 摘便や放尿が著しいMさんですが、当グループホームでの生活が困難であると本部が判断。残念ですが、ご家族と相談の上、退去となることが決まりました。退去日は10月17日。 このような一文が記されていた。そのノートからフロア内を見渡すと、いつも通り、Mさんが他の入居者さんと談笑をしている。もうお別れなのか。 そして、退去翌日の
朝になると早番が出勤してくる。この日は、フィリピンから出稼ぎできているおばちゃんが早番だ。 「オハヨウゴザイマス!」 日本語ペラペラである。自分は勤務も終わりに近づき事務作業をしている。 Mさんの相手はそのおばちゃんスタッフになる。遠くでおばちゃんが悲鳴をあげている。 「ダメだよ!ドアを叩いちゃダメだよ」 Mさんがトイレのドアを外側からガンガン叩いている。フィリピン人のおばちゃんとちょっと言い合いになってしまっている。 その時Mさんがこう言ったのだ。 「あんた、アタシは客だ
グループホームでは、居室担当という、各スタッフが特に注意して面倒をみる入居者さんを振り分けている。 僕の場合、Cさんという要介護5の方だ。元スーパーマーケットの経営者さんである。矍鑠としていた時は聖書を片手に施設内を飛び回っていたくらいアクティブな女性である。 そのCさんが88歳の誕生日を迎えることになり、その誕生会の企画をすることとなった。 正直全く興味がわかない、ただ、決まった時間、介護で入居ささんの面倒をみるのが仕事で、その時間以外に自分の時間を使って、誕生会の準備