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米国・トルーマン大統領の対日戦勝演説、その他

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【フランス関連の余談】


前回は少々脱線話的に(?)ベトナムの話となりましたが。

その(元)宗主国にして、ベトナム独立の断固阻止を掲げることになるフランスに関しても……日本の降伏にあたって何か声明を出しているのではとネットをざっくり検索してみたのですが。
あまりそれらしい情報は見つかりませんでした。

一応、次のようなのは見つけましたが。

画像1


Discours
prononcé le 4 Septembre 1945
Par Le Général de Gaulle
Président du Gouvernement Provisoire
à l'occasion du 75e Anniversaire de la République

共和国建国75周年に際し
臨時政府大統領ド・ゴール将軍が
1945年9月4日に行ったスピーチ

この演説は次のように始まっています。

"Deux jour après que la capitulation du Japon, suivant de moins de quatre mois celle de l'Allemagne, vient de mettre fin à l'immense conflit de la terre, nous célébrons auourd'hui dans la victoire et la liberté l'anniversaire de la III e République."

"日本の降伏から2日後、ドイツの降伏から4ヶ月足らず、地上の巨大な紛争に終止符が打たれ、我々は今日、勝利と自由のうちに第三共和国の記念日を祝う。"


まぁ当時のフランスの新聞とかあたれば、もっと何かあるかもしれませんが。

【今後その種の演説を見つけたら、以上の文は削除して、改めて一本の記事として書き直すかもしれません。】


【改めて、前置き】


で、フランスの話はとりあえずここまでとしまして。

今回は米・トルーマン大統領の順番、ということにします。

が……。

正直を言うと、すごく個人的な興味の向きどころの関係でトルーマンにはあまり熱が入りません。
私のような天邪鬼な人間にとって、アメリカの対日戦勝演説なんてベタすぎるという感じなのかも(苦笑)。

そんな次第で、読者の方には怒られるかもですが、他国との比較のための最低限のことだけ書いてお茶を濁そうという算段だったりします(^_^;)。

さて、しかし。

そうは言っても何かしら書く以上、それなりの検索はしましたところ。

米国の場合、1945年8月14日の「大統領記者会見」と、1945年9月1日の米市民向けラジオ演説の両方が要注目らしいということが分かってきました。
(降伏文章調印は日本時間だと9月2日の午前ですが、米東部では1日の夜です。)

つきましては、一つずつ見ていくことにします。

(と言いつつ、今のところラジオ演説の方は未完成です。とりあえず準備中ということで……。)

ここでいつものお断りですが。

・私は歴史の専門家でもなんでもなく、以下にあるものはあくまでもシロウトの好事家のテキトー訳です。
当然ながら正確さは《一切!》保証できません。
ご利用は完全に自己責任でお願いします。

【大統領記者会見の原文、動画、機械翻訳】


「1945年8月14日 大統領記者会見」
The President's News Conference
August 14, 1945

この記者会見は1945年8月14日(火)午後7時(現地時間)に行われたものだそうです。

原文を掲載のサイト

ひょっとしたらこっちの方が見やすいかも。

もう一つ参考で。

一方、動画ですが、上記の内容が全部読まれているものは見つけられませんでした(音声のみのものも含め)。

とりあえず、次のような動画は見つけました。あまり長くありませんが(動画1)。(時間指定入り)

(なお、次の動画は別アングルと思われます。
https://www.youtube.com/watch?v=e9DFaiwoe6g&t=58s )


下の動画はアトリー演説の際にもご紹介した戦勝時のニュース。トルーマンの肉声ではありませんが、記者さんがかなり長く読み上げています。これはこれで貴重な記録かなと思います(動画2)。(時間指定入り)

本稿では上の1,2の動画を参考にしつつ、ゆるい紹介をしてみます。

なお、上記1,2の動画で飛ばされている文言があります。そこは墨付きカッコ【 】の囲みで示しました。
そして、その部分の翻訳はあえて飛ばすことにしました。悪しからずご了承ください。

* * * * *

The President's News Conference

August 14, 1945


大統領記者会見

1945年8月14日


THE PRESIDENT. [reading]: "I have received this afternoon a message from the Japanese Government--"

大統領. [読み上げ]: 「私は今日の午後、日本政府からのメッセージを受け取りました…"


【Before I go any further, this will be in the form of releases, so you don't have to copy it unless you want to. "】

【(翻訳省略)】


--in reply to the message forwarded to that Government by the Secretary of State on August 11. I deem this reply a full acceptance of the Potsdam Declaration which specifies the unconditional surrender of Japan. In the reply there is no qualification.

「…8月11日に国務長官が日本政府に送ったメッセージに対する返信です。この返信は、日本の無条件降伏を規定したポツダム宣言を全面的に受諾したものと考えています。返事には何の留保もついていません。


"Arrangements are now being made for the signing of the surrender terms at the earliest possible moment.

「降伏条件の調印を可能な限り早い時期に行うべく、現在手配を進めている。


"General Douglas MacArthur has been appointed the Supreme Allied Commander to receive the Japanese surrender. Great Britain, Russia, and China will be represented by high-ranking officers.

「ダグラス・マッカーサー将軍は、日本の降伏を受け入れる連合国最高司令官に任命されました。英国、ロシア、中国からは高級将校が代表として参加します。


"Meantime, the Allied armed forces have been ordered to suspend offensive action.

「その間、連合国軍は攻撃行動の停止を命じられています。


"Proclamation of V-J Day must wait upon the formal signing of the surrender terms by Japan.

「V-Jデーの宣言は、日本が降伏条件に正式に署名するのを待たなければならない。


《動画1はここで終わり》

"The following is the Japanese Government's message accepting our terms ."

"以下は我々の条件を受け入れる日本政府のメッセージです。"


【But before I start to read that, there are three releases to come; one has to do with a 2-day holiday.(1) The reason we are making it 2 days is because we didn't get to celebrate for the other. [Laughter] Then there is one that has to do with the draft.(2)

(1)See Item 102.

(2)See Item 101.

This is the official Swiss communique handed to the Secretary of State:

"Sir: I have the honor to refer to your note of August 11, in which you requested me to transmit to my Government the reply of the Governments of the United States, the United Kingdom, the Union of Soviet Socialist Republics, and China to the message from the Japanese Government which was communicated in my note of August 10.

"At 20.10 today (Swiss Time) the Japanese Minister to Switzerland conveyed the following written statement to the Swiss Government for transmission to the four Allied governments:】

【(翻訳省略)】


"'Communication of the Japanese Government of August 14, 1945, addressed to the Governments of the United States, Great Britain, the Soviet Union, and China:

「米国、英国、ソ連、中国の各政府に宛てた1945年8月14日の日本政府の連絡:


"'With reference to the Japanese Government's note of August 10 regarding their acceptance of the provisions of the Potsdam declaration and the reply of the Governments of the United States, Great Britain, the Soviet Union, and China sent by American Secretary of State Byrnes under the date of August 11, the Japanese Government have the honor to communicate to the Governments of the four powers as follows:

「日本政府は、ポツダム宣言の諸条項の受諾に関する8月10日付の日本政府の書簡および、バーンズ米国務長官が8月11日付で送付した米国、英国、ソ連および中国政府の回答に関し、4カ国政府に以下のとおり伝達することを光栄に思う。


"'1. His Majesty the Emperor has issued an Imperial rescript regarding Japan's acceptance of the provisions of the Potsdam declaration.

「1. 天皇陛下は、日本がポツダム宣言の諸条項を受諾する旨の詔書を発布された。


"'2. His Majesty the Emperor is prepared to authorize and ensure the signature of his Government and the Imperial General Headquarters of the necessary terms for carrying out the provisions of the Potsdam declaration. His Majesty is also prepared to issue his commands to all the military, naval, and air authorities of Japan and all the forces under their control wherever located to cease active operations, to surrender arms and to issue such other orders as may be required by the Supreme Commander of the Allied Forces for the execution of the abovementioned terms.'

「2. 天皇陛下は、ポツダム宣言の諸条項を実行するために必要な条件について政府と大本営が行う署名を承認し、保証する用意がある。陛下はまた、日本のすべての陸、海、空の軍当局およびその管理下にあるすべての軍に対して、どこにあっても積極的な行動を停止し、武装を放棄するよう命令を出し、また上記の条件を実施するために連合軍最高司令官が要求するその他の命令を出す用意があります。


《動画2はここで終わり。以下の翻訳は省略します。》

"Accept, Sir, the renewed assurances of my highest consideration.

"Charge' d' Affaires of the Swiss Government in the United States"

Voice: I congratulate you!

THE PRESIDENT. That is all.

Joe Fox, Washington Star: Thank you, Mr. President.

[Applause and further congratulations]

* * * * *

なお、8月16日の記者会見も興味深いことを言っている感じなのですが、ここではサイトを紹介するのみにしておきます。


【日本の降伏文書調印の際のラジオ演説(原文と動画、オマケなど)】(この項は準備中です)


Radio Address to the American People After the Signing of the Terms of Unconditional Surrender by Japan

日本の無条件降伏条件調印後の米市民へのラジオ演説


この演説について語るには、まず日本の降伏文書調印の際の状況をおさらいしなくてはなりません。
ちょっと歴史をかじった人なら知っているように、第二次世界大戦における日本の降伏文書の調印は、東京湾内に停泊した米戦艦・USSミズーリの艦上で行われました。調印の模様は全世界に向けてラジオ中継されたとのことですが、この演説はその番組(?)にさしはさむ形で行われたのです。

降伏文書調印の模様については、あとでまとめるとして、まずは演説の方から見ていきます。

原文を掲載のサイトを2つご紹介。

一つ目

二つ目

実はこの2つ、違いがありまして。おそらく「公式なバージョン」として扱われるのは二つ目の方なのだろうと思うのですが。一つ目の方は実際のスピーチに即した形で記載しているのです。見比べて見ると、最初の一文からして少し違っているのが見てとれます。


一方、動画ですが、「記者会見」と同様、トルーマンが演説している様子をフル長で撮ったというようなものは見つけられませんでした。
ただ、次の「動画1」を見るに、フル長の撮影フィルムも存在するのだろうとは思いますが。


動画1(演説の様子を収めていますが、ダイジェストです。)

動画2(音声のみ。全文。上で書きました実況中継の録音だと思います。演説開始のところに時間指定しておきました。)


【翻訳については、さしあたり「準備中」です。訳文をネットに上げている方を見つけましたので、とりあえずそちらのサイトをご紹介。】


《オマケ》
日本の降伏文書調印の様子について、もう少し触れます。調印は日本時間で1945年9月2日の午前9時より。

ところでこの9月2日は日曜日です。米国では時差があって、1日(土曜)の夜。
おや、それでは対日戦勝記念日(V-J Day)のお休みはどうしたのか、というと、上で少しだけ触れた8月16日の記者会見にこんなやり取りがありました(^_^;)。

* * * * *

Q. Will that day, once it is proclaimed--do you envision it as a holiday ? People will not be expected to work, will they?

Q.その日(=V-J Day)が宣言されたら、それは休日になるのでしょうか? 人々は働くことを期待されないでしょう?

THE PRESIDENT. I think they have had their holidays. There is too much to do to declare too many holidays.

大統領.彼らはもう休暇を過ごしたと思います。あまりにも多くの休日を宣言するには、やるべきことが多すぎます。

* * * * *

そんなことからか、今日でも米国は対日戦勝記念日を国家の祝日とはしていないようです。

まずは調印式のラジオ中継(再掲)。

米国の記録映画

日本の全権・重光葵外相の脚が不自由そうなのは──映画内でも少し触れられていますが──1932年4月29日、上海の虹口公園(現:魯迅公園。上海市虹口区)で行われた天長節(=天皇誕生日)の式典で爆弾テロに遭い、重症を負ったことによります(上海天長節爆弾事件)。

また、次の記事によりますと、同調印式の知られる限り唯一のカラームービーを George Kosco氏が撮影していたとのこと。

その動画も公開されていましたので、併せて貼っておきます(無音)。天気のいい、9月の東京湾内です。

そして日本のニュース映画(NHKアーカイブスのサイトより)。

他にもう一つ、個人的には興味深い記録映画を見つけましたが、それは今後の記事でご紹介できればと思っています。

その他。

戦艦ミズーリ記念館(戦艦ミズーリ保存協会)のサイトから「降伏文書調印式」のページ(日本語)

外務省外交史料館のサイトより、降伏文書特別展示の際のページ。


※トップ画像はここにあったものを使わせていただきました。

Caption : Harry Truman announcing Japan's surrender at the White House, Washington, DC, United States, 14 Aug 1945