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はずかしがりやさんの写真館~今までにない変身体験~

前回までの記事はこちら
はずかしがりやさんの写真館~友人が女優になった瞬間~

この日、
友人が持参したのはワンピース2着。

撮影したのは、
着てきた洋服も含めると
全部で6着だと記憶している。

後半の3着は
りょうちゃんが用意した洋服で、
彼女が愛用する私物だ。


まるで本人の洋服のようにピッタリ


どれも新鮮で、
友人にぴったりだった。

「自分では絶対に選ばないものばかり」

着替えるたびに
満更でもなさそうに口にしていた。

本人が気づいていたかは知らないが、
友人は着替えた姿を見ていない。

スタジオには姿見がないのだ。


撮影:photosalon_couleur


彼女が頼りにするのは、
りょうちゃんのセンスと反応。

「やっぱり似合う!」

「いいよ、いい!!」

「わたしも気に入ってるんだ〜」

着せ替え人形を楽しむように、
次々とコーディネートを用意する。

洋服に合わせて髪型も変えていく。

完全に
りょうちゃんの世界が繰り広げられている。


プロカメラマンに撮ってもらうとなると、
いつもと違う自分を演出するので、
コスプレ感覚に陥る。

わたしにとって
記念写真の撮影とは、
非日常を味わうイベントだ。

なので、
今回の撮影風景は新鮮でしかたない。


撮影の合間にモニターで確認できるので安心


友人は、
撮影したカットを見せてもらっている。

モニターを見ながら、
明らかにニヤニヤしている。

「違う人みたい!」

「いいかも~」

「新鮮!!」

まるで他人に声をかけているみたいだ。


おそらく、
ショッピング同行をお願いしても
このリアクションは出ないであろう。

似合っているかもしれない姿であっても、
気恥ずかしさが先に立つ。

鏡に映る自分は、
どんなに変身していても自分にすぎない。

カメラマンが切り取ってくれた
モニターに映る自分は別人として扱いやすい。


ゲラゲラ笑っているうちに
すべての撮影が終わった。

「心残りはない?」

終了間際に
りょうちゃんが発した。

主導権を握りつつ、
相手の意向確認はしっかりとする。

自分か楽しむだけでなく、
相手の気持ちも忘れない。

撮影の合間に感じた
りょうちゃんの優しさだ。


素人とは思えないほど自然な笑顔を見せる友人



「カメラの向こうのりょうちゃんがしあわせそうで、わたしも笑顔になっちゃった」

撮影を終えた友人の言葉である。

傍でいた身としては、
非常に共感する。


あんなに全力で
「かわいい!」と全肯定される機会は
ほとんどの大人にとって貴重な機会だろう。

ただそこにいるだけで、
「いい!最高!!」と絶賛される。

まるで、
赤ちゃんのようだと思った。


りょうちゃんは、
赤ちゃんを見守るお母さんだ!


赤ちゃんは
自分をよく見せようとしない。

周りの大人は、
赤ちゃんに似合いそうな服を着せる。

よく似合うと喜び、
その笑顔に
赤ちゃんも反応する。


瞬時にモデルのベストを引き出すりょうちゃん


女優コースの撮影は、
まさに赤ちゃんを見守る母親みたいだった。

被写体をそのままの状態で受け入れ、
愛情をもって、
その人に似合いそうな洋服を着せる。

あくまでも、
被写体に似合いそうな服なのだ。

自分を愛でる人が選んでくれた服を
何も疑わずに着てみる。

女優コースに必要な要素があるとすれば、
素直に受け入れる心かもしれない。

主張の苦手な
はずかしがりやさんにとっては、
心地よく感じる可能性もある。

東京都八王子市
はずかしがりやさんの写真館
フォトサロン クルール
公式 
Instagram


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