都築としふみ

都内某所でMAミキサーとして働く会社員 倒産やらなんやらでMAスタジオだけでも4社渡り…

都築としふみ

都内某所でMAミキサーとして働く会社員 倒産やらなんやらでMAスタジオだけでも4社渡り歩き、都度MAの違う仕事に就いた結果、器用貧乏になる。 TV番組、TV・ラジオCM、ラジオ番組、企業VP、メイキング映像、アニメ、外画吹替、オーディオドラマ、ゲームCV収録 等々

最近の記事

スタジオエンジニアが教えられる程度の役者向けアフレコ基礎(スタジオ編2)

4)マイクワークについてここでは、来るべき未来に、収録スタイルが分散から一斉収録に戻った際のお話をさせて頂ければと思います。 コロナ禍以前に行われていた、大人数の演者が一堂に会してマイクをとっかえひっかえしながら収録するアフレコスタイルは日本独自のモノだったそうです。 正直、伝統芸と言っても良いのではないかと個人的に思ってたりします。 余談ですが、他国のエンジニアさんが見学に来られた際に「オゥ!クレイジー!」と驚いてたので、たぶん一般的じゃないのだと思う。 大体こんな感じ

    • スタジオエンジニアが教えられる程度の役者向けアフレコ基礎(スタジオ編1)

      前回の投稿が、結構好評だったようで・・・。 良いやら悪いやらですが、正直今回の投稿プレッシャーです。 一応、断わりですが、あくまでもエンジニア目線の技術的な話が主ですので、これだけ押さえておけば良いわけではありません。 お芝居という演出さん達の領分は私が話すべき部分では無いので、 そこは然るべき方々から教わるなり盗むなりしてくださいませ。 0)以前の収録と、現在の収録の違いについて2020年春に緊急事態宣言が発令されて以降、長きにわたり収録現場は試行錯誤・創意工夫の元、作品

      • スタジオエンジニアが教えられる程度の役者向けアフレコ基礎(準備編)※4/10改訂

        はじめになんでこんなモノを書こうと思ったか・・・。 コロナ禍における分散収録の弊害か、本来現場などで先輩から後輩に、時には”たまたま”他人の台本が見えちゃって。と、受け継がれていっていたハズの基礎的な部分が途絶えてしまいそうだったから。 正直、これから書き連ねるものが、すぐに役立たずになることを願ってやみません。 が、とりあえず役立てて頂ければ幸いです。 映像チェック0)映像の見かたアニメと吹替で映像の状況が違いますので説明します。 何が違うかと言うと、吹替の場合は完成形の

        • アフレコを一斉収録方式に戻したときに起こりえる事(個人的見解)

          収録前 1)スタジオ入りする時間の指定が無くなる なるべくいろんな接触を避けるために収録開始の数分前にスタジオ入りが当たり前になってる昨今ですが、元々は収録開始○○分前に集合という指定は無かった為、早いと30分ぐらい前にはちらほらいらっしゃいました。 大体新人や若手の方が早めにスタジオ入りして、 あとから来る諸先輩方に逐一挨拶をしていくという現場における礼儀礼節的なルーティン?が行われてましたが、復活するのかな? (1時間以上前にスタジオにくるとスタジオさんに大変迷惑ですの

        スタジオエンジニアが教えられる程度の役者向けアフレコ基礎(スタジオ編2)

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(9)

          どうもお久しぶりです。 前回投稿から凡そ2カ月、いや~ほぼ思いつく分は出し切ったので、 今回も正直蛇足ですが、多少なりと参考になればと思います。 マイイヤホン・ヘッドホンについて ナレーション収録やゲーム収録などで、録ってる音の返しや、その他収録に関係する音源を聴く際、ヘッドホンが必須ですよね。 ほぼどちらのスタジオにも常設的に、ヘッドホンないしはイヤホンが置いてあるのですが、自分の耳や頭部の形状に合わず、苦慮された方も多いかと思います。  コロナ禍の前から自分で買って

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(9)

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(8)

          お久しぶりです。あらかた言っておきたいことは言っちゃった感があるので、ネタ枯渇してます。 なので、日々ネタを実作業から探しておる次第ですw まあ、そんなわけで今回はコチラ 耳送りについて スタジオや、人によって呼び方が様々なので、「耳送り」という言葉が正解かどうかは正直分かりませんw 外画吹替の原音や、ナレーション収録の際の音楽SE等の素材、最近はアニメやゲームでも、会話相手の声だったりを声優さんにお返しするので、大体ヘッドホンを付けて頂いてると思います。その送る音源など

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(8)

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(7)(8/19追記有)

          7)台本の扱いについて(タブレット) 前回の続きです。 最近自分の周りでは5割6割ぐらいの方がタブレットに台本データを入れて持ち込まれてます。 正直、紙台本には紙台本の、タブレットにはタブレットの良さ不便さがあるのですが、昔のゲーム収録では段ボール箱が積みあがってた事を考えればタブレットにするのは時代の流れでしょうね。 (普通にストーリーの台本で300ページ超えたりしますし・・・。) タブレットの扱いについてですが、 正直今までの記事と重複するところが多々あるのですが、改

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(7)(8/19追記有)

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(6)

          6)台本の扱いについて(紙) 昨今、ゲームやナレーション収録などで クライアント様から頂く台本がデータになり、 紙に印刷して持ち込むか、タブレットに入れて持って来られるかの2択になってます。 ここでは、昔からあるアナログな方式、「紙台本」についての話をします。 座りでの収録の際に手に持ってやられる方が、一定数おられます。 もちろん、その方が見やすいし、マイクに対してベストポジションをキープしやすいことは十分承知しております。 が、手に持った場合のリスクが半端なく大きいので

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(6)

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(番外編1)

          なんとなく切実なお願い的なものがネタ切れしたので、 今回は実際現場で音響監督と声優の間に挟まって客観的に見ている 私たちだからこそ、あーすればいいのに・・・的な事を上げてみようかと。 今回は、収録現場の受け答えについてです。 番外1)ちゃんと指示が咀嚼できてない時

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          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(番外…

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(5)

          5)マイクとの距離感について 新型コロナの影響で、収録スタイルがガラリと変わったことの弊害なんでしょうか。 現場で先輩の背中を見て勉強できない状況故か、マイクとの距離感が適切でない人が一定数いらっしゃいます。 だいたいが、マイク(ないしはポップガード)を舐めるぐらいの距離で普通の声のレベルで喋る。 これ、唄録りとかの映像をTVやネットに上がってる動画などを見て参考にしてるんじゃないかと推察してますが、アレはあくまで唄録りだから成立してる話で、台詞録りは別物です。 とある

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(5)

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(4)

          反応があるような無いような、よくわかりませんが 思いついたら書き留めていくライフワーク的に進めていこうと思います。 4)オーディションで新人さんがやりがち服装について

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          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(4)

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(3)

          なんか、案外色々と出てきたので、忘れないうちに書いていこうともいます。 3)セリフ収録等での自分リテイクについて ゲーム収録等、ある程度声優自身のペースで収録が出来るものについての話です。 言い切ったセリフをリテイクする場合、特に台本のページが変わる箇所などではお願いしたいことなのですが、 自分リテイクをしたい場合「今のところもう一回行きます」や「テイク2」など、もう一度やる意思を示していただきたい。 私たちフェーダーを握る者は、先々のセリフを見据えてをフェーダーを捌きま

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(3)

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(1・2)

          Twitterでそんな話を聞きたいかアンケートを取ったところ、 まあそこそこに見てみたいとの反応が有ったので、やってみますわ。 思い付きで書いていくので、どのくらい続くかは分かりませんw 1)座りでの収録 収録前の姿勢について 昨今ゲーム収録が多くて気になってた事なのですが、 収録前にブースでマイク調整をする時に、めっちゃ姿勢を正す方が そこそこの割合でいらっしゃいます。 が、収録始まると原稿に目を落とすため、猫背になる。 当然、マイクのベストポジションにはオデコが来ます

          MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(1・2)

          技術者であり接客者

          MAスタジオの現場に限った話ではないものですが、 MAミキサーを志す方々に言っておきたいことがある。 この仕事、コミュニケーション能力な無い者は淘汰される 仕事をする上で、ミキサーの上にはディレクター(音響監督)がいて、 下にはアシスタントがいる。 最初に自分が思うものを一案として提示するものの、それの良し悪しや改良の指示を出すのはディレクターであり、その指示を受けて二人三脚で作業する相方はアシスタントだ。 基本的にミキサーはディレクターの要望に応え、ディレクターが納得す

          技術者であり接客者

          正解がない音の世界で正解を求める若者たちへ

          音は正解がない世界だと言われることがある。 人の五感と言われる知覚情報の割合は、視覚83.0%、聴覚11.0%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1.0% ぐらいらしい。 自分たちは、たった1割程度の部分を生業としている上に、明確な正解は無い。 個々人の感覚を一つの形として世に送り出す。 もともと自分は理系人間。 理系の問題って常に明確な答えがあって、それ以外はすべて不正解だ。 それがむしろスッキリするし、そういうものの方が楽だとさえ思う。 でも、何故か今は真逆の世界にいて、

          正解がない音の世界で正解を求める若者たちへ

          参加作品リスト

          思い出す限りの作品リストです。 なんとなく、自分がミキサーという立場で最後まで関わらせていただいた作品を記憶整理する意味で。 <吹替(パッケージ)> ダーレン・アロノフスキー監督作「マザー!」 アン・リー監督作「ビリー・リンの永遠の一日」 ベン・ウィートリー監督作「ハイ・ライズ」 マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督作「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」 ヴィクラム・ガンディ監督作「バリー」 ヴィチェンテ・ヴィジャヌエヴァ監督作「OCD 〜メンタル・クリニックは大騒ぎ

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