正解がない音の世界で正解を求める若者たちへ

音は正解がない世界だと言われることがある。
人の五感と言われる知覚情報の割合は、視覚83.0%、聴覚11.0%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1.0% ぐらいらしい。
自分たちは、たった1割程度の部分を生業としている上に、明確な正解は無い。
個々人の感覚を一つの形として世に送り出す。

もともと自分は理系人間。
理系の問題って常に明確な答えがあって、それ以外はすべて不正解だ。
それがむしろスッキリするし、そういうものの方が楽だとさえ思う。
でも、何故か今は真逆の世界にいて、やりがいすら感じてる。
不思議なもんだ。

自分は、うすぼんやり大学まで進学し卒業したら人生は終わりだと思ってた。(死ぬって意味ではなく)
あとは惰性。
学生時代が一番輝いてて、あとはドロドロとした薄汚れた世界で惰性に生きて、終わるんだと。

でも、幸いなことに音を扱う仕事に就き、コレという正解がないものにやりがいを見出し、学生時代よりも楽しいかもしれない。
同じ役者、同じマイク、同じEQ、同じコンプ
でも、前回と同じ音にはならない。
そこには役者のコンディションや、アナログ機器ならではの不確定要素などが複雑に絡んでいるから。
いかに前回のものに寄せ、同じように聞こえさせるか。
違和感なく自然に見せられたら成功なのである。


結局何が言いたいかと言うと、
正解を手っ取り早く知りたがる若者や学生が多い昨今ですが、
音の世界に正解は無いので、自己研鑽、常に研究するしかないので、
それが出来ないのであれば、諦めなさい。
と言う事です。

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