MAミキサーが声優にやって(やらないで)ほしいこと(5)

5)マイクとの距離感について

新型コロナの影響で、収録スタイルがガラリと変わったことの弊害なんでしょうか。
現場で先輩の背中を見て勉強できない状況故か、マイクとの距離感が適切でない人が一定数いらっしゃいます。
だいたいが、マイク(ないしはポップガード)を舐めるぐらいの距離で普通の声のレベルで喋る。

これ、唄録りとかの映像をTVやネットに上がってる動画などを見て参考にしてるんじゃないかと推察してますが、アレはあくまで唄録りだから成立してる話で、台詞録りは別物です。

とある声優の講師の方が、マイクから30cmぐらい離れるよう指導してるとの話を伺ったことがありますが、まあ大体目安そんなもんでしょうか。
発声の仕方とかいろいろとあって個人差があるような気がしますので一概にはコレ!とは言えないですが、おおむねそのくらいを参考にしていただければと思います。

掛け合い芝居を録ってると良くわかるんですが、2人ないし複数人の距離感んが合わずに特定の話者だけが浮いて聞こえてしまい、芝居が馴染まないことがあります。
大体、一人だけマイクに近すぎたなどが原因です。
整音する際にある程度の補正はできるもの、録った時の距離感は後で直すのはなかなかに難しいのです。
なので、現場でマイクに近すぎるなどの指摘をされた経験ある方は、その時の距離感はぜひ覚えておいてください。
そして次の現場でその距離感を基準にしてみてください。


え?離れすぎじゃね?って不安に思うかもしれませんが、最近のマイクは高性能なのでちゃんと録れてますよ~。
そもそも、離れすぎてダメだった場合もちゃんとコチラは指示を出しますので。

ただし、これには例外がございます。
ウィスパー(小声でヒソヒソ話)な演技をする場合や、絶叫する場合。
前者はもちろんマイクに近づいてほしいし、後者は離れてほしい(切実)
前者はマイクの近接効果が欲しいので近寄って頂きたい。これはその場で距離感が出るものを録ったほうが、ナチュラルなので。
後者は単純にマイクのキャパを超えて歪む(ひずむ)可能性があるからです。
時々近い距離のまま叫ばれる事がありますが、マイクの入り口のところで歪んだものはどう足掻いても、歪んだ音にしかなりませんので・・・・。

皆様どうか一つご協力ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?